2012年11月12日月曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編5)Solution Focus for Constraints “SOCO”



 それがどんなに変なアイディアだったとしても、地球のどこかには自分と同じことを考えている人が最低1人は居るのが分かるとちょっと嬉しくなってくる。(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編5)Solution Focus for Constraints SOCO」について書いておきましょう。

物理的には制約、認識的には解決に焦点を当てる

 システム思考と一口にいっても色々な考え方があると思うのですが、あえて一般的にシステム思考とは何か?を考えると「(自分の扱える範囲での)全体を考え、扱える施策などに焦点化を行う」思考と考えることになると思います。


 ここまで取り上げてきた心理療法家のミルトン・エリクソンの流れを組むソリューション・フォーカスト・アプローチは、その名前の通りに、過去の問題がなぜ起こったのか?という原因分析ではなく、未来のありたい姿を描き、それに向かってどのように解決していくのか?のように、「解決」という行為自体に焦点を当てたシステム思考の一種とも考えることができるでしょう。余談ですが、未来のありたい姿もしくはその一部はソリューション・フォーカスト・アプローチのセッションを通して、「やればできる、から、なんだ普通じゃん」とだんだんとノーマライズされていく必要がありますが。(笑)

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/blog-post_22.html

 それで、適用範囲が、心理療法であれば、ある状況が起こった時に、当事者の視点から「激怒することが減りました」とか「最近は平常心で居ることができるようになりました」ということになればこの心理療法は効果を上げたということになると思います。これはこれで非常に重要なことだと思います。

 だたし、私の場合は、ロール&レスポンシビリティを考えるとコンサルタントという胡散臭い肩書きで仕事をしているわけで、その責務も物理的な空間に何かをつくりだす支援をしてなんぼという世界でもあるわけです。

 もちろん、ベイトソニアンということは構成主義者でもあるわけであり、知覚・認識といった内的な世界と物理的な法則で動く外的な世界の循環をいつも考えているわけでもあります。

 ソリューション・フォーカスト・アプローチもとても素晴らしいアプローチであることには間違いないわけですが、仕事で使うということになると、どうしても、ここに効率という概念が入ってくることになります。

 つまり、物理的な世界にあるリソース(資源)は何らか限りがあるわけであり、物理的な制約を受けることになることになります。つまり、ありていに言えば、お金や時間がかかる話になるため、何らかの成果を得るために、特に物理的に行われる行動のレベルで、あまり無駄な試行錯誤はしたくない、あるいはレバレッジ・ポイントを意識して施策を考えたい、ということになってきます。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/001.html

 このような状況では、引き続きソリューションにはフォーカスするわけですが、ここで、特に物理的な世界に存在する制約条件(Constraints)に着目する必要があると考えていて、この制約条件に着目して施策を考え始めることになります。個人的にはここで TOC (Theory of Constraints)を活用し始めることになります。

TOCの思考プロセスを扱った著作である「Thinking for a Change」によれば、物理的制約、方針制約、パラダイム制約の3つが定義されています。[1]
 
物理制約:物理的なレベルに存在していている制約、時間的、空間的制約など。
方針制約:物理的な制約を生み出しているルール、方針などの論理的な制約。
パラダイム制約:物理制約、方針制約を生み出しているパラダイム、世界観による制約。

 もちろん、これらを扱う場合は、既に、外在化された対象となっているか、あるいは、これらを取り扱いながら外在化していく必要があります。職場などにも現状に合わない形骸化されたルールや制約が案外転がっているわけですが、不用意にこれを変えようとすると「誰に断って・・・これを変えているのか?」とか「先代のころから頑なに・・・」という答えが返ってくることになります。もちろんこの場合は、外在化されていない証左ということになります。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html

 それで、物理的なレベルで起こっている問題、課題をシステム思考的に解決してもらうためには、最終的には方針を変えてもらい、そのパラダイムから抜けだしてもらい、その組織に新しい認識や行動を身につけてもらう必要があるわけですが、ここで非常に大きな問題が起こってくることになります、つまり、

·        (組織で)起こっている問題(現象)のすべては、「よかれ」という良い意図の元に続けている行動によって起こっている。これが物理的なレベルで起こっている問題にも多いに関係する。
·        そして、それは良い意図の元に行われているため止めるのが難しい。また、良い意味で現状を維持し組織やシステムを安定したい、ということでもある。
·        仮に、その行動を止められたとしても、それを止めたことによって別の問題(現象)が起こる。(あるいはそれが起こらないようにと現在、問題を引き起こしている行為が続けられている)
·        つまり、問題解決には矛盾がつきものである。
·        そして、この矛盾を起こしているほんの1つか2つのコア・コンフリクトを現状のパラダイムを超える別の次元の解決策で解消するまでこの問題は続く。

 もちろん、このあたりは単純にロジカル・シンキングを行えば良いとか、クリティカル・シンキングを行えば良いという話ではなく、やはりソリューション・フォーカスト・アプローチ的+エリクソニアン的に現状問題にある良い意図を探し、十分にコンプリメント(褒めたり、ねぎらったり、賞賛したり・・・)を行なって、これを手放してもらって新しい意図と持ってもらってパラダイムを超える施策を実行する必要があるように思ってきます。もちろん、ここでもっとも必要されるのがリーダーシップということになります。

 もっというと、当たり前ですが、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングだけのモードで何かのやり方を変更すると確実に人間関係がギスギスしたものになるでしょう・・・・(笑)もちろん上から改革の元に一方的にルールが押し付けられると、認識としてモチベーションの低下、行動としてのミスの多発や離職の発生などの要因になってくるでしょう。余談ですが、構成主義的な考え方だとそこに直接の因果関係はないと、考えることになるわけですが・・・

 その意味では、個人的には、人の認識の話になるとソリューション・フォーカスト・アプローチを活用し、さらに物理的な世界で実行される具体的な施策になると TOCを活用して緻密な解決策をつくるということになってきます。つまり、認識の世界では解決にフォーカスし、物理的な世界では制約にフォーカスし、構成主義者的にこれをつなぐ知覚という観点から、この循環をいつも考えているということになります。

 でそんなことを考えながら、以下の Web サイトを見たら、SOCOというのがあって地球の上には自分と同じことを考えて、実践している人が最低ひとりは居るのだなと、ちょっと嬉しくなった次第というわけです。


(つづく)

 文献

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