2012年11月7日水曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その15)フォローアップ・クエスチョン+ What else ?


                                     

 英語の論文をあれこれ読んで、実践で(といっても心理療法ではなくてプロジェクト・マネジメントなどで・・・)色々試してみたソリューション・フォーカスト・アプローチに対する個人的な印象は何か?

それは、たとえ今、危機的な状況にあったとしても、未来の可能性を信じて「ミラクル・クエスチョン+αを使った、ありたい姿を五感ベースで設定し、それを起点にして始める問題解決手法」なのだと思います。

 この手法は心理療法家のミルトン・エリクソンの強い影響下にあるのは言うまでもないことですが、個人的には、これに加えて、本田宗一郎が未来を思い描き、それを実現する方法とまったく同じプロセスを使っているな、と思っています。

 一般的に、このことは「ポジティブな未来を思い描く」、というのとは実は違っていて、ソリューション・フォーカスト・アプローチは、ポジティブ/ネガティブを判断している枠組すらすり抜けて、五感のレベルで本当に心の底から実感が持てる、望む未来を描くというのがここでのポイントだと断言したいと思います。その理由は、単純で、五感の知覚は、少なくとも思考よりは正直ですからねぇ。(笑)その意味では、ありたい姿を妄想ではなく五感の実感を伴ってどれだけイメージできるのか?あるいはイメージしてもらえるのか?がこの方法論を活かせるかどうかのポイントとなるでしょう。

それで、余談ですが、スローン校のオットー・シャーマ先生の開発した「U理論 (Theory U)」の中にも Presenceと呼ばれる、未来を先取りして五感で感じるプロセスが出てきましたねぇ・・・・

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その15)フォローアップ・クエスチョン+ What else ?」について書いておきましょう。

 未来を感じる力を引き出す

野中郁次郎先生らの著作「流れを経営する」[1]の中に以下のような記述があります。


宗一郎氏は現場を重視したが、それは単なる経験主義ではない。ただ現場を見るだけではなく、そこでいかに深く考えるのかという「行為の只中の熟慮(contemplation in action)」が重要なのである。

 「マシンを見ていると、いろいろなことがわかります。あのカーブを切るには、ああやれば、こうすればと・・・・。 そして次のマシンのことを考える。こう考えていれば、もっととばしてくれる、などど。次の制作過程へ自然に入っているんです。」と宗一郎は述べている(城山、1984 

マシンの細かな動作を五感で感じ取りながら、その一つひとつの現象が何を意味するのかを洞察して未来を思い描いているのである。


ここで非常に面白いことは本田宗一郎氏が以下で書いたようなミラクル・クエスチョン+原則と同じような要領で五感の実感を伴った未来を思い描いていたということでしょう。


 もちろん、ソリューション・フォーカスト・アプローチのミラクル・クエスチョンは1回聞いて終わりというわけにはいきません。

クライアントの望む、未来のこうありたい姿を、・・・その時の状況を・・・その他色々なことが具体的にどのようなものであるのか?可能な限り五感の実感を伴ってありありと想像できるまで、・・・それがゴールだと実感できるまで、フォローアップ・クエスチョン[2] What else ?クエスチョンを使って何度も何度も繰り返し尋ねなければなりません。

例えば、フォローアップ・クエスチョンは以下のような質問になります。

·        奇跡が起こった時にはじめて気づくことは何でしょう?それはどこが違っていますか? 他に? その他に?・・・・・
·        奇跡の中の一部でも良いので今まで経験したことは何かありますか? 他に? その他に?・・・・
·        その奇跡を起こすために最初に踏み出す第一歩は何でしょうか? 他に? その他に?
·        (明日だけではなく)来週の月曜、火曜・・・と奇跡が起こり続けているとするとあなたはそれにどのように反応するでしょう? 他に? その他に?

また、What else ?「その他に何か? 他に?」の質問は、上のリストにもあるように、ミラクル、コーピング、エクセプション・クエスチョンなどと組み合わせて、「その他に何かある?」を4―5回ほど繰り返して尋ねる質問となります。

これは、一般意味論で言うと「Etc.」を聞く質問と考えていくと良いでしょう。この背景には、とりあえず出てきた質問の答えに対して、もっと良い答え、もっと切り口の違う答え、もっと可能性の高い答え・・・・こういった答えが出てくる可能性を追求している質問と考えれば良いでしょう。

(つづく)

 文献

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