2012年12月2日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編24)魔法使いの系譜

                               

 アンデルセンの童話「赤い靴」は、その靴を履くと死ぬまで踊り続けるというような設定でした。もちろん、実際にはそんなことは出来ないけれど、「赤い靴」を履くと踊ってみたい気持になるというところまでは心理学的な条件付けで出来ますよねぇ・・・・(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編24)魔法使いの系譜」について書いておきましょう。

ブリーフ・セラピーのコンピテンシー?

 「心理療法的手法、特にブリーフ・セラピーのコンピテンシーって何?」と考えると面白いことが分かってきます。

 もちろん、この前提として「この手法を何と比べているのか?」ということになりますが、個人的には、日常生活や仕事の場面での活用を考えているため、少し突拍子もないのですが、クリティカル・シンキングやロジカル・シンキングと比較しています。

 それで、ブリーフ・セラピーの手法、具体的に言えばここではソリューション・フォーカスト・アプローチを想定していますが、この手法のコンピテンシーを説明するための例としてこんなことを考えてみましょう。

気持はコンテクストと無意識レベルでリンクされている

例えば、「雨が降ると、いつも憂鬱だ。」という人が居たとしましょう。この場合、「雨が降る」という状況も含めた事実認識に対して「憂鬱な気分」という心身状態がいつの間にかリンクされている状態です。もちろん、この刺激-反応のようなものは無意識のレベルで起こっており、本人が「雨の日に憂鬱な気分になる」のを変えてみようと思って色々試してみているものの、努力や根性ではなんとも克服できていない状態というわけです。

クリティカル・シンキングの限界

 そこで、まずは、クリティカル・シンキングやロジカル・シンキングを試してみました。もちろん、自分自身をメタ認知すれば「雨が降ると、いつも憂鬱だ」は自分で選んでいるのであり、「雨が降ると、穏やかな気分」あるいは「雨が降ると楽しい気分」を選ぶことも出来るということが頭では分かってくるでしょう。

一般意味論の創始者であるアルフレッド・コージブスキーの言った「地図はそれが示す土地にあらず」ではないのですが、「地図=憂鬱な気分」「土地=雨が降る」であり、土地と地図を混同してはいけない、つまり土地に対して地図は色々選べる、つまり「雨が降っても、憂鬱ではない気分が選べる」ということが、少なくとも頭では分かってくるというわけです。

しかし、意識レベルの意志で、「雨の日には憂鬱な気分にならないぞ!」と心に誓っても、おそらく、「雨の日」になれば、相変わらず「憂鬱な気分」になることには変わりないでしょう。

 なぜなら、無意識のレベルでは、依然「雨が降ると」→「憂鬱である」というリンクが設定されており、努力や根性ではこの対応付けが変わらないからです。

魔法使いの系譜、ミルトン・エリクソンのDNA

 もし、心理療法家のミルトン・エリクソンであればクライアントをトランス状態にして「雨が降ると」→「憂鬱である」を「雨が降っても」→「普段と同じ気分で居られる」のような状態に、無意識のレベルから変えてしまうことが出来るでしょう。

もちろん、エリクソンから大きな影響を受けているソリューション・フォーカスト・アプローチもクライントの当面のゴールが「雨が降っても」→「普段と同じ気分で居られる」だとすると、トランス状態を使わずに、このゴールの達成を支援するプロセスとツールが提供されているということになります。もちろん、100%とは行かない面があるのでしょうが。

もっと建設的にゴールの達成に活用すると

 それで、ソリューション・フォーカスト・アプローチをもっと積極的な方向で使ってみることを考えてみましょう。例えばクライアントの望む、ゴールは「ビジネスの場面で英語を不自由なく使えるようになりたい」だったとしましょう。そうすると、ここではミラクル・クエスチョンでこのゴールを設定して、普段の仕事や日常の場面で、「このゴール達成に役に立つことをみつけ、それを積極的に試しているそのプロセス自体が」→「楽しい」というような無意識の条件付けを行うことになってきます。

 こうなってくると冒頭の「雨が降ると憂鬱な気分になる」の反対で、無意識のレベルで例えば「ビジネスの場面で英語を不自由なく使っている」→「このゴール達成に役に立ちそうな、事実としてうまくいっていることを試したり、継続したりすることが楽しい」となり、ある意味、放おっておいても自走する学習マシーンとなって自分の判断でどんどん勉強していくような状態になっていくということになってきます。

 もちろん、ここで注意するのは、この例の場合、あくまでもゴールを目指してゴール達成に関係あるプロセスを実行し続けること自体に、楽しいという気持が出てくることが設定されているだけであって、そのプロセス自体が上手く行くかどうかは保証の限りではありません。それで、このような場面では何をどのように実行するの?というところでロジカル・シンキングが非常に役立つでしょう。

 それで、このあたりのことをミルトン・エリクソンの技法を使えるのだったらだったらそれを使えば良いと思いますし、もう少し敷居の低いアプローチとして、ソリューション・フォーカスト・アプローチを使えば良いと個人的には思っています。

 そのようなわけで、ゴール達成に必要なリソース探しと何かを実行するプロセスを繰り返すことが、例えば、気持が良いのような条件付けして、そのプロセスを繰り返すことを無意識の習慣にするのがソリューション・フォーカスト・アプローチやブリーフ・セラピーの手法であると思います。それで、単に頭だけで考えるクリティカル・シンキングやロジカル・シンキングとはちょっと違った用途で用いられるということになってくるわけです。もちろん、両者は対立する概念ではなくて、両方ないといけないと思うのですれどね・・・

 もちろん、このあたりは単なる認知科学や神経科学の話で片付けられる話なのですが、そう言ってしまうと夢も希望もない感じがするので、一応「魔法使いのお話」ということにしておきたいと思います。(笑)

 また、余談ですが、コーチングやファシリテーションで、ソリューション・フォーカスト・アプローチのような手法が機能して、そのクライアント個人やチームがゴール達成に必要な資源・資質をオーガナイズして、それをゴール達成が達成されるように利用し始めたら、そしてそれが習慣として繰り返されるようになったら、何が起こり始めるのか?想像するのは難しくないですねぇ~(笑)。

(つづく)

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