2012年12月22日土曜日

認識を補正するための一般意味論12の演習

                                  

 ブリーフ・セラピーでベイトソンから持ち込まれている認識論(Epistemology)が強調される理由は、その人が抱えている問題の多くは認識のやり方自体に起因すると考えられているためだと思われます。

問題の根本的な解決は問題そのもの、つまりコンテンツとしての問題を解決するだけではだめで、問題を引き起こしている認識プロセス、つまりそのやり方を変える必要があるということになります。では、どうしたらよいのか?そこが大きなテーマとなってきます。もちろん、いつもこうやればうまくいくという認識のやり方を規定するのは難しいのでしょうが、少なくともこうやると問題になりにくいという認識のやり方はあるのだと思います。

 それで、今日は一般意味論を活用して、問題の起こりやすい認識プロセスを補正する演習について書いておきます。個人的にはコーチングで問題そのものを解決する以前に、一般的に問題を解決しやすい認識プロセス、あるいは問題に陥りにくい認識プロセスを獲得してもらう支援をする場合に活用させてもらっているという具合です。もっとも、逆に言うと認識の偏りをそのまま放置して問題解決とか言っても土台無理な話なのだと思いますけれどねぇ(笑)。

 独り言


今日は、「認識を補正するための一般意味論12の演習」について書いておきましょう。

認識を補正するための一般意味論12の演習

人はコトバを使って物事を認識し、そしてコミュニケーションを行いますが、そもそもコトバの持つ性質自体が色々な問題をつくりだしているということもあります。

このトラップに陥ってないかどうか?また、陥っていた場合にはどのように解決したら良いのか?を示した方法論の一つに一般意味論が存在しています。[1]それで、今日は、コーチングというコンテクストで個々のコンテンツとしての問題を解決する前に、そもそも認識のやり方、つまり認識プロセスとして何か不備がないかどうか?このことを確認するための12の演習について書いておきましょう。

Google 先生に聞いたら教えてくれたのが「A Twelve-session General Semantics Teaching Guide for Adults[2]とタイトルのついたエッセーです。

ここではそれぞれの具体的な内容については言及しませんが、大人が12の演習を通じて一般意味論の認識論を身につけてもらうというような非常に優れた演習つきのエッセーです。

個人的にはブリーフ・セラピーで前提とされているように、問題の多くはその人の認識のやり方に起因していると考えている派でもあるため、仕事や日常生活における問題解決を目的としてコーチングやファシリテーションなどにおいて、その認識を補正するためのとりかかりとしてこういった演習をやってみるのが良いのだろうなと考えているところです。

12の演習を簡単にサマリーしておくと


演習1:問題解決は事実から正しく推論することで科学的に考えよう。
演習2:メンタル・マップ、未来を思い描いて計画する方法
演習3:どのように現実を現実としているのか?
演習4:E-prime is”の使い方に注意しよう
演習5:Etc. 誰もすべてのことを知ることはできない
演習6:インデックスを付け間違った一般化を防ぐ、アメリカ人1はアメリカ人2ではない
演習7:時間の取り扱い、私達は動的な流れの世界に住んでいる
演習8:二値的思考の制限を解く、A Bかどっちにしよう?ではない選択
演習9:事実と推論を区別する
演習10:非言語コミュニケーション、言わずに伝える方法
演習11:反応にタメをつくる、どんな出来事にも冷静に反応する
演習12:質問の技術、混乱を来さない質問の技法とは?


というような感じになっています。

セミナーやワークショップ形式でやると小一日という感じでしょうか?

もちろん、一つひとつの概念は直観的に理解できるため難しいものではないのですが、自分の知覚、思考プロセスのクセとなっていると知らず知らずのうちにそうやってしまっているところもあるため、あえて意識してみて特定の知覚・思考プロセスに陥っていないかどうか?を考えてみるのも意味があるのだろうなと思っている次第です。

個人的にはコーチングやファシリテーションの前にこういった課題をやってもらってクライアントさんに特定の知覚・思考プロセスに陥っていないかどうかをチェックしてもらうという方法もお勧めです。逆に言うと、特定の問題を解決するのに、そのコンテンツに着目しないで、上の演習に該当するような知覚・認識プロセス自体を補正してもらったり、少し変えてもらったり、ところから始めてもらったほうが上手くいく場合も多いと思います。もちろん、これは非常に地味なタスクではあるのですが・・・地味なだけに後でじわじわと効いてくるということになると思います・・・・

それで、まとめとして比喩になりますが、計測器などはその計測器が標準からずれていないことを確認するために最初に校正という作業を行うと思いますが、個人的にはコーチングなりファシリテーションなり人の知覚・認識に極端な偏りがないかどうかをチェックするような感じで定期的にこういった校正なり補正から入るのが良いのだろうなと思っているところでもあるわけです。

もちろん、ここではその人が思想信条的に偏っているということではなく、人がコトバというものを使って思考している限りにおいて誰でもうっかり陥ってしまう偏りといいう意味で使っています。

(参考)


(つづく)

 文献
[2] http://www.subtilcoaching.com/gs_for_adults.pdf


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