2012年12月23日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編35)関係性への介入

                                  

 楽天とかユニクロとか社内の公用語を英語にするとか息巻いているけれど、コトバ自体に人間の認識を混乱させる機能がビルトインされていることを認識していないと人と人とのコミュニケーションなんて上手くいかないし、母国語じゃないとメタ・メッセージはより読みにくくなるので、普通に考えるとコミュニケーションは余計に上手くいかなるなるわなぁ(笑)。

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編35)関係性への介入」について書いておきましょう。

コミュニケーションは相手がいる話だから結構奥深い

 カリフォルニア州パロアルトにあるMRI(Mental Research Institute)のポール・ウォツラウイック[1]が非常に面白いことを言っています。


 「カップル・セラピーが終了するための基準は?」との問に「妻が入れたコーヒーを夫が『不味い』と言った時に、お互いが事実としてコーヒーが単に不味いだけだということを理解出来た時。 [2]

 これは非常に簡単な例ですが、人間のコミュニケーションの奥深さということを考えるのに必要にして十分な事例のようにも思ってきます。この例は、一般意味論で「地図はそれが示す土地と同じではない」からも説明できるようにも思ってきますが、この例を考えると色々なことが浮かび上がってきます。

 ウォツラウイックが提唱した「コミュニケーションの5つの(試案的)公理」[3]の中にもあるように、コミュニケーションはメッセージとメタ・メッセージからなります。つまり、自分は相手にメッセージとして事実だけを述べたつもりでも、相手は状況を加味してそこに何かメッセージ以上のメッセージ、つまりメタ・メッセージを受け取ってしまうという具合です。

 上の場合は、夫が言った「このコーヒーは不味いなぁ」という事実の記述を妻がどのように解釈したのか?というところが焦点になるわけですが、妻が何らかの状況や文脈を加味し「オマエはコーヒーを入れるのが本当に下手だなぁ」とか「オマエはコーヒーひとつ満足に入れることができないのか?」とか「本当にダメなヤツだなぁ~」というメタ・メッセージを受け取ると、そこに対立や争いの原因となるような何かを見てしまうというわけです。

 もちろん、事実がどのように解釈されるのか?というのはそれまでも文脈や現在の状況といったコンテクストに依存するところが多いわけで、上のような例は誰でも経験したことがあると思います。

 もちろん、問題がアイデンティティと切り離されて外在化されている、とか事実と解釈の混同を無くすようにコミュニケーションしていればこういったことが起こることは少ないと思うわけですが、実際にはちょっとしたはずみでコミュニケーションの齟齬が起こると、そこになんらかの問題が発生してしまうということになってくるわけです。

 もちろん、心理療法家のミルトン・エリクソンらの手法を研究して出来上がったMRI系の心理療法にはコミュニケーションの齟齬を無くすために、人の関係性にどのように介入するのか?という手法が用意されていることになります。

 そのようなことを考えながら、以下のリンクの「Enhancing Change Process in Solution-Focused Brief Therapy by Utilizing Couple Enactments」と題された論文を読んでみると非常に面白いことが分かってくるように思います。

 
 それで、この論文から分かるようにSFBTってミルトン・エリクソンの暗黙知を構成主義で形式知化しているような格好になっているので結構ポスト・モダンで格好が良い感じになっているのですよねぇ。

(つづく)

 文献

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