2012年12月3日月曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編25)プロジェクト・マネジメントへの適用例を少々

                             

ソリューション・フォーカスト・アプローチの「例外探し」は、本当は、そのコンテクストにおいて何らかの基準から見てうまくいっている行動レベルの事実を探さなければいけないのだけれど、これを曲解して、「彼は、前向きに一生懸命やっているからねぇ、その一生懸命さは買うねぇ!!」を例外と思ってしまうと、それはコンプリメントであって、例外ではないのですよねぇ。まぁ、一般的に言うと単なる精神論。コンプリメントは大事だけれど、やはりこれだと外的世界には働きかけられない。

もちろん、これは、一般意味論のコージブスキーが言った「地図はそれが示す土地にあらず」ではないのだけれど、上手くいっている事実と主観的な解釈の区別をつけて、土地のほうに主に行動を通して働きかけないと、このアプローチは上手く機能しませんよねぇ・・・・もちろん、言葉で指示して何かやってもらうというのはあるけれど・・・・

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編25)プロジェクト・マネジメントへの適用例を少々」について書いておきましょう。

遅れの目立つチームからどのように例外を探す?

 ソリューション・フォーカスト・アプローチをプロジェクト・マネジメントのコンテクストにおいて活用したら、具体的にどのようになるのか?を少し書いておくことにしておきましょう。余談ですがソリューション・フォーカスト・アプローチ+プロジェクト・マネジメント用に新しいタグ「SFA4PM」を追加しています。

 さて、ここでの状況設定は、私が、あるプロジェクトでプロジェクト・マネージャを補佐するコンサルタントだったとしましょう。それで、このプロジェクトは5つのチームとその下部にいくつかの少人数のグループがいて、このメンバーで営まれていたとします。

 プロジェクトのゴールはゴールとして別にあるのですが、プロジェクトの半ばに差し掛かったところで5つのチームのうち3チームのスケジュールの進捗に遅れが発生しており、プロジェクト・マネージャと相談して、何か対策を取ろうとしているという場面を想定しています。

·        一般的なマネジメントはネガティブ・フィードバックで行われる

 普通、進捗はベースラインと呼ばれる標準となる進捗を設定し、これからどれだけ遅れているのか?あるいは、どれだけ進んでいるのか?をサイバネティックスの用語で言うとネガティブ・フィードバックでマネジメントが行われることになります。つまり、基準から外れているのでそれに近づけるようにしなさい、というマネジメントが行われることになります。

 ここで、進捗の遅れている一つのチームに目を向けて、見ましょう。通常は、ソリューション・フォーカスト・アプローチの世界では「プロブレム・トーク(Problem Talk」と言われるように、「なぜ、上手く行っていないのか?」の質問に代表されるように、問題に焦点を当てるようなことから始めることが多いと思います。

 しかし、以下のリンクで書いたように、この場合、コンサルタントなどが問題を外在化し、定量的な情報などをきちんと分析できるような状況に無ければあまり上手く機能しないようにも思えてきます。


 場合によっては、「そもそも最初からリソースが足りなかったのですよ。」「それなりに頑張ってやっているのですよ」「メンバーの1人が入院で戦線離脱、もう一人が転職、人事には頼んでいますが、代りを探すのは難しいのですよ・・・」などというように、解決策を考えるにもそのヒントにならないような答えが返ってきてしまうという具合です。

·        ポジティブ・フィードバックでマネジメントしてみる

 それで、マネジメントは、人の認識や行動が伴うことも多いわけであり、これを、ポジティブ・フィードバックを使った「ソリューション・トーク(Solution Talk)」に切り替えてみましょう。

 もちろん、この場合最初は、個々の課題を解決することから始めますが、最終的には日々の一挙手一投足がより大きなゴールに結びついていることを目指す必要があります。
 
 それで、まず、スコープを今は遅れているチームの事実に着目して、事実としてうまくいっている例外を聞いていきます。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/11/blog-post_19.html

「ここ最近で、進捗が遅れなかった時はありますか?」、「それはどのような時でしたか?」「今と何か違っているところはありますか?」「どのようにしていましたか?」など。

 あるいは、「チームの中にも、進捗が遅れていないグループはありませんか?」「そのチームは具体的にどのように進捗を管理していますか?」「遅れているグループと違っているところは具体的にどういうところですか?」。

 というような具合です。この場合もっと言うと、問題に焦点を当てるのとは反対側の、例外的にうまくいっている事実、に焦点を当てているということになり、一般的に言われているポジティブ・シンキングとはまったく異なる概念であることには注意が必要です

 もちろん、このように尋ねることで、うまくいっている事実やその状況に焦点を当てることが出来るということになりますし、具体的な解決策についてのアイディアが浮かびやすくなると思います。もちろん、この解決策は、現在実行されていること、あるいは少し前に実行されたことの中にあるわけですから、実行することも容易だというわけです。

 それで、そのチームにもその下位のグループにもまったく良いところが見つからないという場合は、例外を見つける対象のスコープを少し変えて、同じプロジェクトのうまくいっているチームやグループが具体的に何をやっているのか?を探しましょう。

 もちろん、他のチームと比較した場合、「うちのチームは難易度的に他チームより難しいことやっている」という答えが返ってくることがあるでしょうが、その場合は、「そのタスクを分割することは可能ですか?」「一部を他のチームに移譲できませんか?」など、どのように解決したよいのか?その解決プロセスに焦点を当てて具体的にアイディアをぶつけてみるて、問題の原因究明よりも、解決に焦点を当ててみるようにすると良いと思います。

·        プロマネは全体最適の視点から判断を

 それで、ここでは、個別のチームの進捗の遅れをどうするのか?というテーマに想定していますが、もうすこし大きなプロジェクト全体という視点からプロジェクト・マネージャの立場から眺めてみることにしましょう。この場合、そのチームのタスクがクリティカル・パス上に無い場合は、多少遅れてもそのままにしておく、ということも出来るでしょうし、クリティカル・パス上にあれば、助っ人を頼むということまで含めてありとあらゆる対策を講じることを検討してみる、というようなことになると思います。

 それで、ここまでのことをまとめておくと、物理的な制約に関係することで、問題が外在化されている場合はネガティブ・フィードバックのマネジメント、人の認識や行動に関することはネガティブ・フィードバック・フィードバックでマネジメントしたほうが良いでしょう。

 その意味では、プロジェクト・マネジメントも構成主義的に物理的世界と論理的認識の世界の循環を考えてネガティブ・フィードバックによるベースラインに合わせるマネジメントと、現在上手くいっている事実としての例外をもっと広げるように試みるポジティブ・フィードバックを上手に併用する必要があるということになると思います。 

 もっと、書いておくと、何かルールやベースラインを決めて、とにかくこれを守りなさいというマネジメントだけでは、現在起こっている問題に対して、枠組を超えた問題解決を行うことが難しいことは頭に入れておいたほうが良いと思います。

(つづく)

 文献
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