2013年1月10日木曜日

コーチングに催眠の技法を用いたら

                                  

外的世界と認識の世界には因果関係はないという考え方が構成主義ではあるのでしょうが、この関係に言及する時は、条件付きなのでしょうが、ある程度の相関関係が検証された証拠みたいなものがないと何でもありの世界になってしまうのは難しいところですねぇ。

まぁ、技法の再現性を担保するのと、詐欺師と言われないためは、ある程度のエビデンスは必要なのだと思います。(笑)

独り言


今日は、「コーチングに催眠の技法を用いたら」について書いておきましょう。

コーチングと催眠の技法

 最近は、コーチングもエビデンス・ベースドに向かっており、その効果につい二重盲検やメタ分析などの手法を用いてきちんと検証しましょうという流れになっているように思います。この場合、二重盲検を行わないとその技法がプラセボ効果以上に効果があるのか?分からないわけですし、メタ分析を行なっていないと属人性のよらずその技法に効果があるのか?が分からないということになってきます。逆に言うと、ネットにあふれる「私は凄いので、それが私にだけできる」というのは技法としては属人化する方向なのであまり良い技法ではないということになります。

 それで、このエビデンス・ベースド・コーチングが盛んな地域の一つがオーストラリアで、シドニー大学などで「コーチング心理学」が教えられていて、ちゃんとした学校で学位が取れるということをご存知の方も多いでしょう。

この「コーチング心理学」に興味のある有志によりまとめられた2009年に発行された「International Coaching Psychology Review[1]をパラパラ読んでいたところなのですけれども、個人的にはこの中にある「Coaching Hypnosis: Integrating hypnotic strategies and principles in coaching」というところを非常に興味深く読んでいたというわけです。

 このエッセーではコーチングのコンテクストにおいて 1)クライアントに自己催眠の技法を使ってもらう 2) コーチングにフィットした未来進行もしくは過去退行の技法を活用する 3) 心理療法とは切り離された形式で、間接話法を活用する、新しい自己認識を開発するために催眠技法を活用する、という目的で書かれています。もちろん、国によっては心理療法は資格が無いと出来ないことが多いため、ここではあくまでも既存の認識の枠組を超えて、新しい(自己)認識を身につけ、そして新しい行動ができる支援の一貫としてコーチングに催眠の技法を使ったらどうなるのか?について書かれているエッセーというわけです。

 ここでは、催眠についてもクラーク・ハルあたりから始まり、技法的にはミルトン・エリクソンあたりの現代催眠に言及しており、コーチングの中で具体的にどのような技法が活用できるのか?について概要が書かれています。

 もちろん、個人的にはコーチングのコンテクストで普通にエリクソンの技法を使えば良いと単純に思ったりもするわけですが、おそらく、このエッセーの価値はエビデンス・ベースド・コーチングを志向している会報の中である程度学術的に書かれているというところに価値があるように思ってくるわけです。

 また、コーチングのコンテクストで催眠を使う理由は、ある出来事に対して無意識にリンクされている反応に介入してそれを別に反応に変えたりすることができることでしょうかねぇ?もちろんクライアントが望めばということになると思いますが・・・・

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post_2.html 

 もちろん、コーチングにおけるクライアントの変化ということを考えた場合に、ポール・ウォツラウィックの言う、システムの一部が変化する一次的変化(First Order Change)とシステム全体が変化する二次的変化(Second Order Change)があるように思ってくるわけですが、以下で書いた(パラドクスを含む状況設定をして)質問とリフレーミングを行うのに併せて、変化のリソースを探すために一種のトランス状態を活用しようという考え方には非常に納得できるわけです。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_23.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/05/blog-post_08.html

 それで、このエッセーを読んでいて面白いなと思うのは、変性意識という特別な状態が存在すると考える学派と、それは特別な状態ではないと考える学派があることがきちんと説明されているところでしょうかねぇ・・・・・中々興味深いところだと思います。

(つづく)

 文献

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