2013年1月13日日曜日

エビデンス・ベースド・コーチング・ハンドブック

                                  

エビデンス・ベースド・コーチングっていうのはある意味、人の行動や認識の変化を支援する方法論としては「インチキじゃないよ」っていう保険みたいなものですかねぇ?(笑)。

少なくとも、根拠のない認定資格みたいなインチキなものよりあてになると思いますけれどねぇ・・・・

独り言


今日は、「エビデンス・ベースド・コーチング・ハンドブック」について書いておきましょう。

エビデンスがあるからといって必ず効果が保証されているわけでもないですが・・・・

 日本でコーチングというと、良い意味でも悪い意味でも非常に微妙な用語のように思えてくるのですが、英語で出版された、あくまでも統計的に処理された証拠に基づく、エビデンス・ベースド・コーチングの著作を読むと、コーチングという言葉への印象も随分違ったものになるのだろうなと思っているところです。

 人の認知というのは時に勘違いを起こすようなところがあります。例えば、優秀な外科医。イメージ的には手塚治虫のブラック・ジャックなのですが、たとえ、無愛想だろうが、金銭的にぼったくりをしようが、彼が治療を行うのはあくまでも物理的な肉体が対象であり、手術が成功すればこれが治ったというところが非常に明らかです。

 しかし、コーチやセラピストなどの場合は人の認知を取り扱うためにこのあたりが非常に微妙なところがあります。つまり、ある場合は「ひとあたりが良いので、優秀なコーチである」とか「親身になって話を聴いてくれるので銘セラピストに違いない」というようにある意味クライアントが勘違いを起こしてしてしまうようなところがあります。では、本当にそうなのか?これを検証するにはなんらかの基準をもうけ二重盲検を行うなりメタ分析を行なって、プラセボ効果以上の効果がある、または個人技ではなく、その方法論に効果があるというところを証明する必要があるように思ってきます。

 それで、コーチングに関しては、二重盲検なりメタ分析を行なって、その方法論にプラセボ効果以上の効果がある、もしくは誰がそれを行なってもある程度条件を同じにしておけば再現性をもって同じ結果が得られるというところを志向したのがエビデンス・ベースド・コーチングというわけです。

 逆に言うと、「エビンス・ベースド・コーチング」といっているものは、日本で言う、コーチングの属人的経験と手なりで行われている「コーチング」とは随分異なる概念を指しているように思ってきます。

 それで、2006年の出版なので少し古い情報なのですが、ディアニー・ストーバーとシドニー大のアンソニー・グラントが編者の「Evidence Based Coaching Handbook[1]について少し書いておきましょう。

 本書は、エビデンス・ベースド・コーチングの論文集という感じになっていますが、逆の言い方をすると、それぞれのコーチングの専門家が寄稿した論文を収集したものとなっており、個人的には特定の手法に偏るのではなく、いくつかの手法を相対的に読むのが良いのだろうなと思っているところです。

 簡単に目次だけを上げておくと(訳は適当)

コーチングの概要 ― アンソニー・グラント

第一部      ― 単一の理論に基づくコーチング

第一章      ― 人間中心の視点からのコーチング ディアニー・ストーバー
第二章      ― 行動主義に基づくコーチング デビッド・パターソン
第三章      ― 成人発達理論に基づくエグゼクティブ・コーチング ジェニファー・バーガー
第四章      ― 認知主義に基づくコーチング ジェフリー・アウァバッハ
第五章      ― 精神分析に基づくコーチング セス・アルコーン

第二部      ― 統合、複数理論に基づくコーチング
第六章      ― 統合されたゴールフォーカスト・アプローチによるエグゼクティブ・コーチング アンソニー・グラント
第七章      ― 成人学習理論によるコーチング エリーヌ・コックス
第八章      ― ポジティブ心理学によるコーチング キャロル・カウフマン
第九章      ― 文化の視点からのコーチング フィリップ・ロジンスキー、ジェフリー・アボット
第十章      ― 冒険のフレームワークによるコーチング トラヴィス・ケンプ
第十一章 ― システムの視点からのコーチング マイケル・カヴァナフ
第十一章 ― コーチング・モデルに対するコンテキスチャル・アプローチを超えて
       ストーバー、グラント
付録

 コーチングも卓越したコーチがやっている暗黙知を形式知化するためになんらかの心理学や認知科学的な理論を使うという場合もあるでしょうし、逆に心理学や認知科学的な理論を演繹的に適用してコーチングするということも考えられることになります。   そもそも論からすると、高尚で体系的なコーチング理論を構築し、これを実際に適用した場合にかならずある程度の再現性を持って効果があるか?というとそうでもないわけで、このあたりが社会科学的な分野の難しいところなのでしょう。

 もちろん、なんらか再現性を持って効果を発揮する理論なりモデルなりを構築しようとする試みがエビデンス・ベースド・コーチングの試みだとも言えるわけですから、あるいみこういった取り組みは個人的には定期的にモニターしていくのだろうなと考えているところでもあったわけです。 

(つづく)

 文献
[1] http://www.amazon.com/dp/0471720860/

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