2013年1月23日水曜日

原因分析と解決志向

                                  

 企業でも製造業の製造とか品質管理などの部署では、因果関係とか相関関係を考えて問題の原因分析をきちんとやらないといけない部署もあったりするので、単純に解決志向さえ使えば上手くいく・・・とならないところが世の中面白いところでもあり、複雑なところなのですよねぇ・・・・(笑)。まぁ、一般的に営業とか接客とかのように人の認識とか行動が対象になる場合には解決志向が向いているとは思いますけれどねぇ・・・・・

独り言


今日は、「原因分析と解決志向」について書いておきましょう。

場合によって使いわけるか?敢えて二項対立でみて高次で綜合するのか?

 今日は、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)を組織のマネジメントに当てはめた場合の個人的なテーマについて少し書いておきたいとおもいます。

 個人的な推測も少し入っていますが、1959年にカリフォルニアのパロアルトに設立されたMRIで短期療法を研究していたベイトソン・グループが心理療法家のミルトン・エリクソンの心理療法を形式知化する時に用いた知見の一つが当時東海岸で研究されていたサイバネティックスだと思っています。

一般意味論をメガネにエリクソンの技法を見た場合は以下のリンクに書いたわけですが、彼らは、さらにサイバネティックスの知見も使ってミルトン・エリクソンの技法を観察してみたのだろうなぁと・・・個人的に思っています。


 それで、エリクソンがクライアントと一緒に心理療法のセッションを行う場合、クライアントにポジティブ・フィードバックのメッセージを多く返しているというのが分かったのではないかと、個人的には考えています。

 サイバネティックスの概念であるネガティブ・フィードバックとポジティブ・フィードバックの概念の違いを以下に書いておきましょう。[1]

ネガティブ・フィードバック
ポジティブ・フィードバック
1.     現状維持が基本
2.     システムに設定された目標、ゴールに対してミスマッチがない場合、「問題がない」というフィードバックを行う
3.     ミスマッチがないため、システムの制御、出力には変化がないことが確認される
4.     システムの「安定」を目的に行われる制御
1.     変化や成長、創発が基本
2.     ゴールに対するミスマッチに注目、ゴールに近づくことをもっと行え(ゴールに近づくとネガティブ・フィードバックに戻るのが基本)
3.     場合によって、目標やゴールが書き換えられることがある
4.     システムの「変化」を目的に行われるために、場合によりシステムは「不安定」になる

 これらのフィードバックの手法について「どちらが優れているのだろうか?」と考えることにはあまり意味はなく、状況に応じて使い分けるのが良いのだろうなと思っています。もちろん、ミルトン・エリクソンの場合はクライアントに対して良い意味での変化を支援したことから、主に言語を通した介入についてはポジティブ・フィードバックが多くなるのだろうなと思っています。

 それで、一般的な原因分析と解決志向のアプローチの違いを以下に書いておきます。[2]

原因分析(なぜ問題が起こったのかに焦点)
解決志向(どのように解決するかに焦点)
1.     現在の問題と過去の原因に焦点を当てる
2.     ゴールは主に問題を無くすこと
3.     問題の原因を特定、原因を無くすこと
4.     今ココで起こっている問題の現象に焦点を当てる
5.     第一次変化(First-Order Change)を志向
6.     変化への抵抗に立ち向かう必要
7.     ネガティブ・フィードバックで制御

1.     現状上手くいっていることと、望ましい将来に焦点を当てる
2.     ゴールは望ましい状態の実現
3.     問題ではなく解決に焦点を当てる
4.     ゴールに対して今ココで起こっている上手くいっている事実に焦点を当てる
5.     第二次変化(Second-Order Change)を志向
6.     現在上手くいっていることを利用(Utilize)するため変化への抵抗は少ない
7.     ポジティブ・フィードバックで制御

※第一次変化、第二次変化はサイバネティックスの用語、システムの一部が変化する場合を第一次変化、システム全体が変化する場合のことを第二次変化という。第二次変化は「変化についての変化」で論理レベルが一段上がった変化になる。

 もちろん、これを企業などの組織の問題解決やマネジメントに活用するということを考えた場合、個人的にはいつも解決志向で行けば上手く行くというような単純な話にならないところが難しいところなのでしょう。

 例えば、経営者や上位のマネジメントが会社や事業部について、将来のビジョンを考える時は解決志向でなければならないと思います。

 但し、ミドル・マネジメントや現場でどのような方向性で行くか?というのは結構難しいところだと思います。

 例えば、製造業などで、製品の製造や品質管理など、問題が製品に起こっていることがわかっていて、かつ問題が既に外在化されており、かつ問題と原因の因果関係や相関関係が明らかな場合は原因分析のアプローチを使ったほうが良いとおもいます。

 また、逆に営業のように問題と原因の相関関係の特定が難しいような場合、かつ人の認識や振舞いを扱う場合は、「なぜ売れていないのか?」に焦点を当てるより「今買ってくれているのはどのような顧客か?」「同じような顧客は他にはいないのか?」のように解決志向を活用したほうが行くように思います。

 もちろん、このあたりは個人的なテーマであり、結論が出ているわけでもないため今後のテーマとしていくことにしたいとおもいます。余談ですが、シリコンバレーの企業は解決志向な感じがしているわけですが(ほとんど企業でMBO:Management by Objectivesをやっているから)、研究していくと博論の1本くらい書けるような案外深い深いテーマなのでこれも今後のテーマとしておきましょう(笑)。

 後、日本企業が一時期成果主義っていうのを導入して大失敗したところも多いですが、会社の中でポジティブ・フィードバックができるようになっていない状態で、こういうのをやるとある意味「いじめ」みたいになっちゃいますねぇ。まぁ、サイバネティックスの視点から見たら基盤が変わっていないのだから、そこに整合しないトッピングを乗っけても上手くいくわけがないですけれどねぇ(笑)。

参考リンク
問題を外在化するためには?
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html 
(つづく)

 文献
[2] http://faculty.css.edu/dswenson/web/Solfocus.htm


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