2013年1月24日木曜日

問題へ焦点を当てすぎない

                               

 問題に焦点を当てれば当てるほど、それが解決された様子は、その問題が起きていなかった、現状復帰の状態に焦点が当てられることになってきます。

 もちろん、人の行動や思考が問題の場合、なかなかこういったやり方で上手くいかないのが問題なのかもしれませんけれどねぇ(笑)

独り言


今日は、「問題へ焦点を当てすぎない」について書いておきましょう。

最初にどんな質問をするのか?は結構重要

 人類学者のグレゴリー・ベイトソンによれば、「情報」の定義が「A difference that makes the difference.」で行われていました。つまり、2つの要素の1つの差異が1ビットという情報として定義されていたというわけです。

 また、この情報ということを考えた場合、必ずこの情報を観察している観察者という主体がそこに存在しているという当たり前の事実が隠されていることになっています。つまり情報が存在するにはそこに差異を認識している観察者が存在している必要があるという具合です。

 さて、ここで何らかの問題解決のプロセスについて書いておきましょう。ものの本によると以下のプロセスを各プロセスの頭文字をとって「Issue モデル」とも言うようですが、典型的な問題解決のプロセスが以下になります。(余談ですが、この図の場合は、問題要因のプロセスを時系列的に辿る形式をとって How の質問を尋ねる形式になっています。)



それで、そもそも論として、何らかの問題を解決するにはまず何かを「問題」と認識する必要があるということになります。それで、ここでははじめに、「(普段と比べて)何が悪いのだろうか?」と最初に自問自答しているような形式になっていますが、これがこの後の問題解決のプロセスを規定しているという上では案外クセモノとなっています。もちろん、ベイトソン式で考えると普段の状態と現在の状態の差異比較することでそこに何らかの情報が生まれるということになってきます。

さて、以下のリンクで書いたように人間は経験則(ヒューリスティクス)に頼ってしまうようなところがあります。


それで、「係留性ヒューリスティクス(The Anchoring Heuristics):最初に提示された情報を基準として考える」から考えると最初に提示された情報、上の場合であれば、「(普段とくらべて)何が悪いのだろうか?」その後を考える上で基準となってきてしまうことになります。

つまり、このプロセスに対して何の疑問も持たなければ、現在の状態:問題が起きている状態、であり、理想の状態:問題が起きていない普段の状態:となります。

これは、無意識に問題解決のゴールが「問題が起きていない普段の状態」つまり現状復帰に設定されていることになり、昨日のトピックからすると、この問題解決のプロセスは「ネガティブ・フィードバック」で制御されることになってきます。


 それで、この問題解決の対象が、「ITシステムのネットワークの調子が悪いようだ」とか「工場のラインが止まった」というような場合、ITILなど管理手法を導入していようがいまいが、「速やかな現状復帰を行わなければならない場合」ひとまずこのような問題解決のプロセスを動かすことになってくることになるのだろうなと思っています。

 もちろん、「問題解決」の対象人が行動や認識になってくる場合、単純にこのプロセスを当てはめてしまうと以下の図ような副作用も起きてくるため注意が必要だということがテーマになってくるわけです。




 このあたりは組織の文化みたいなところにも関わってくるのだと思いますが、案外深い話題になってくるように思ってきます。もちろん、問題解決において事実関係を認識し、因果関係や相関関係で考える論理的な思考は無いとお話にならないとおもいますが、特に人間関係などは理屈で割り切れるものではないため、このあたりの問題や課題をどのように解決するのか?というのが非常に深い話になってくるのだと思います。

 もちろん、その裏返しとして解決志向があるのでしょうが、事実の観察が苦手な人が解決思考を始めると、何の根拠にも基づかないギラギラした自己啓発系集団みたいなことになるので、それはそれとして注意が必要なところもあるわけですけれど・・・・(笑)。


(つづく)

 文献
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