2013年1月27日日曜日

心理療法の効果に及ぼす要因

                                 

 ある程度効果が検証されていて、それで、属人的な卓越性がなくても、プロセスに従ったり、必要条件を整える方向であれこれやっていくと、ある程度効果が保証されているというのが方法論の素晴らしいところなのだと思っています。

 そう考えるとおいらがコーチングやファシリテーションに使っている手法なんかも一度きちんと検証したほうが良いのでしょうかねぇ・・・・(笑)。もちろん、騙す気満々な「意識高い系」自己啓発みたいなものに引っかからないためにもこういった態度は重要ですねぇ。(爆)

 独り言


今日は、「心理療法の効果に及ぼす要因」について書いておきましょう。

技法の違いが効果に及ぼす影響は案外小さい

 個人的には心理学大学院で心理療法を学んだわけではないため、コーチングやプロジェクトのファシリテーションといったことにしかミルトン・エリクソンの技法やソリューション・フォーカスト・アプローチを活用していないという事情があります。そのために、物理的な世界で実際に結果が出れば、こういった方法論が実際にどの程度、人の行動や認識の変化に対して効果があるのかを気にする必要はないのかもしれませんが、それでも、学術的にどの程度効果が検証されているのか?は気になるとこでもあり、個人的にも興味のあるところでもあります。

 それで偶然にもスコット・ミラーらの著作「心理療法・その基礎なるもの」[1]という著作を読んでいたわけなのですが、この本の中で、心理療法も様々の流派が夜空の星のように存在しているわけですが、それぞれの流派を丸めた形式でメタ分析してみた結果、実際の心理療法の効果に及ぼす要因は、①40%は治療外要因、②30%. は治療関係要因、③15%はクライエントの期待(プラセボ効果など)、④15%は技法要因(Assay & Lambert,1999) というような結果が出ているようです。

 つまり、ある心理療法の流派が「◯◯派に比べると当方の手法のほうが効果的」とか「当方の◯◯派が最高の心理療法である」と主張しても、こういった技法の違いが結果に及ぼす影響は全体の要因のわずか15%であり、案外インパクトが小さくて、プラセボが及ぼす影響と大体同程度。それよりむしろ、治療外要因として、環境を変えるとか、心理療法家とクライアントの間でコラボレイティブな関係を築くとか、たまたま上手くいった方法に変えてみる・・・・といったほうが、インパクトが高く、さらにそれ以外の外的な環境の変化のほうがもっとインパクトが高いということが分かってくることになります。

 それで、これは個人的な見解ですが、やはり心理療法の効果を高めるには、1)心理療法家とクライアントでコラボレイティブな関係を築く、2)外的環境に起こった外的要因で認識や行動の変化に活用できる資源・資質を活用する、といったようなことが重要になってくるのだろうなとも思ってくるわけです。もちろん、私の場合は、コーチングやファシリテーションの場でそれができるのか?ということが課題となるのでしょう。

ソリューション・フォーカスト・アプローチの効果はどうなのでしょう?

 また、ピーター・ディヤング、インスー・キム・バーグ共著の「解決のための面接技法―ソリューション・フォーカスト・アプローチの手引き 第3版」[2]を少し読んでいたわけですが、この中で、この研究は199211月から19938月までにミルウォーキーにあるBFTCで面接を受けた275人に対して実施したアンケートを統計処理した結果が示されています。

この統計によると、「面接回数について」80%以上のケースが4回以下の面接回数であり、面接平均回数は2.9回で、(他の技法は6前後が多い)非常に短期に終了することがわかります。

また、7~9ヶ月後に行った「最終結果」について目標達成 45%、いくらかの進歩32%、進歩なし23%であり、(通常の心理療法の平均が66%の改善であり,Lambert & Bergin, 1994)、77%の人が何らか効果があったことを報告していることになっています。逆に言うと、ソリューション・フォーカスト・アプローチも 4人に1人はまったく効果がなかったということになります。

もちろん、ここではソリューション・フォーカスト・アプローチだけをヨイショするつもりはないのですが、冒頭の技法の違いについての要因が15%程度であること、また、インスー・キム・バーグらのような卓越した心理療法家が治療にあたっても4人に1人は効果がないといった結果が出ていることも頭に入れておく必要があるのだと思います。

もちろん今後研究が進めばこのあたりの数値が改善されていくことになるのかもしれませんが、現実的な数値としてこのあたりは頭に置いておく必要があるのだと思います。

まぁ、そう考えると、個人的にコーチングなどをやって私がありえないほど優秀な人間だと仮定をしてみて(笑)。4人に1人は、「効果がなかった」と報告される可能性があるということになるのでしょうかねぇ~(笑)。もちろん、過度に期待させるのは良くないということなのでしょうねぇ・・・・

(つづく)

 文献
[2] http://www.amazon.co.jp/dp/4772410392/

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