2013年1月30日水曜日

プロジェクトはなぜ失敗するのか?

                               

 解決志向的には「プロジェクトはなぜ失敗するのか?」じゃなくて「プロジェクトをどのように成功させようか?」と質問しなければいけないところなのでしょうけれどねぇ。(笑)

 独り言


今日は、「プロジェクトはなぜ失敗するのか?」について書いておきましょう。

とりあえず、プロジェクトの失敗要因を考えてみる

 そもそも論としてはプロジェクトとは「独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務である。」と定義されているわけですが(1)期限があること、(2)独自性のある成果物を目標とすること、(3)割り当てられた資源(予算や人、物)を活用することでゴールを達成することが求められている日々の営みと考えて良いでしょう。

 それで、「プロジェクトの失敗」を考えると、(1)期限をオーバーする(2)目標の成果物がつくれない、品質を満たさない(3)予算をオーバーする、のうち何れかを満たした状態と定義することができるでしょう。

 このブログでも書いているようにソリューション・フォーカスト・アプローチ的には「何が原因で失敗するのか?」に焦点を当てるより「問題をどのように解決するのか?」に焦点を当てることになるのでしょうが、何れにしても失敗がどのような要因で起こっているのか?は非常に気になるところです。

 それで、「PROJECT SUCCESS AND FAILURE:WHAT IS SUCCESS, WHAT IS FAILURE, AND HOW CAN YOU IMPROVE YOUR ODDS FOR SUCCESS?[1]というタイトルのエッセーが非常に面白いのですが、この中にプロジェクトを失敗させる10の原因というのが書かれています。もっともこれはIT関係のプロジェクトに限ったことではなく一般的なプロジェクトを対象としていますが、以下のようになっています。

①不完全な要件(定義)
②ユーザの関与不足、巻き込みの失敗
③資源・リソースの不足
④非現実的な期待
⑤上位マネジメントの支援の不足、スポーンサーシップの不足
⑥仕様や要求の継続的な変更
⑦計画の欠如、段取りの不手際
⑧求められていないことを行わなければいけない状態になっていること
ITを使った管理の欠如
⑩技術に対するリテラシーの不足

また、別の切り口では以下のような要因が上位から12項目上げられています(Black 1996[2]

    計画の欠如
    プロジェクトマネージャの力量不足
    頻繁な仕様、要求の変更(スコープ・クリープ、貧弱な計画・・ほか)
    貧弱なスケジューリング、段取り
    チームメンバーのスキル不足
    上位マネジメントのサポート不足
    不適切な予算取り
    予算封じ込めの失敗
    不適切な資源、リソース
    不適切な情報管理
    不適切なインセンティブ、賞罰
    継続的なリスク分析とモニタリング

もっとも、このあたりは極論すれば、顧客とプロジェクトのサービス提供者のコミュニケーションの問題に還元できるのかもしれませんが、旧約聖書の創世記の中にある「バベルの塔」[3]で、お互いの言葉が分からなくなった途端に塔の構築プロジェクトが崩壊してしまう話は非常に示唆的でもあります。

個人的にはシステムの調達側と開発側が同じ言葉で話すことができるような場とフレームワークと教育を提供するNPOを立ち上げた経験があるわけですが、案外、人間は自分の経験の枠組、立場、業界の文化の範囲でしか物事を考えていないので、たとえ、日本人同士が日本語で会話するにしたとしても、認知科学やこのブログで書いている一般意味論や短期療法の知識を総動員して、お互いの認識をすり合わせることから始めてみる必要があるようにも思ってきます。

 もっとも、最終的なゴールのイメージが明確でない状態で走ってしまう良し悪しもあるのだとは思いますが少なくともプロジェクトのメンバー間でビジョンは共有されていないと、単なるやっつけ仕事にもなってくるように思ってきます。

 それで、個人的には、上で上げた項目は最終的に「人の認識や行動」に焦点を当てるようなことになってくるため、現場にでて現物を眺め、現実を把握し、人とコミュニケーションしながらソリューション・フォーカスト・アプローチで対応する、というのが基本方針です。まぁ、「人の認識や行動」は原因分析をして問題を単純にひっくり返しても解決とならないことが多いですからねぇ(プロマネの欠点を指摘してもプロジェクトがよくなるわけではないですし・・・笑)。・・・・・・・・それで、構成主義で考えると外的世界と認識の世界には因果関係はないという考え方なので・・・・でも、自己の投影としての世界と世界の投影としての自己は考えなきゃならない・・・みたいな(笑)。



(つづく)

 文献
[3]http://ja.wikipedia.org/wiki/バベルの塔
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