2013年3月11日月曜日

ミルトン・エリクソン風:ユーティライゼーションの練習

                                  

 散歩しながら、聞こえてきた音やリズムにのっかる形式で即興で曲をつくって口ずさんでみるとか、五感の感覚を研ぎ澄ましてその景色を描写した俳句をつくるとか・・・・ユーティライゼーションの練習方法というのは色々あると思いますねぇ。(笑)

 独り言


小学生でも楽しめるようなエクソサイズが面白い

 心理療法家のミルトン・エリクソンの技法の本質としてユーティライゼーションがあります。これは、その状況で起こった偶発的な出来事やクライアントの抵抗・・・などクライアントの認識や行動の支援のためにはとにかく使えるものは何でも利用しましょうといったアプローチです。もちろん、エリクソニアンの先生方はユーティライゼーションと何か?[1]といったことをきちんと定義していますがこれはこの資料を読んでいただければと思います。

 それで、エリクソニアン・アプローチの場合、トランス・インダクションでスクリプトの読み上げをしないというお約束があるわけです。逆の言い方をするとネットにありがちな、「エリクソン催眠」と銘打っているにもかかわらず決められたスクリプトの読み上げをさせてインダクションの練習をするアプローチというのは実はエリクソニアン・アプローチではないまがい物の可能性が非常に高いので注意が必要です

 では、どのようなアプローチを取るのか?

    スクリプトの読み上げをしないでトランス・インダクションの練習をする
    そこにユーティライゼーションの要素も入れる

これが紹介されているのが「Utilization Exercise [2]という資料です。

 詳細はこの資料を読んで実際にエクソサイズをやっていただくとして、簡単にサマっておくと、セラピスト役とクライント役と邪魔する役の3人でエクソサイズを行う。セラピストは30秒程度の間を置きながら、1)部屋にあるもの名前を告げる 2回 2) クライアントの気持ちを推測する 2 3)邪魔する役ができるだけ予測されないタイミングで音を出す 2回 3) できるだけ風変わりな物事の名前を告げる 2回・・・を行うことになります。
 ここでは特別な催眠言語を使う必要はありません。それで、このエクソサイズが終わった後、1)セラピスト役は現象学的にユーティライゼーションの状態を語り 2)クライアント役は聴覚の視点からセラピストがどのようにユーティライゼーションの状態を改善していったのか?のフィードバックを3)邪魔する役は、視覚の視点からどのようにユーティライゼーションを改善していったのか?についてフィードバックを行います。

 もちろんこれはある意味相手との間を図るような練習にもなっているわけですが、偶発的な出来事が発生した時、それをどのように利用するかの練習でもあるわけです。まぁ、自分だけで練習する時は、ベティ・エリクソンの自己催眠+ユーティライゼーションでしょうかねぇ?(笑)

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/03/10_13.html

 それで、余談ですが、最近、新潮社さんから出版された「インフォメーション: 情報技術の人類史」[3]を読むと、私たちが情報と呼んでいるものがサイバネティックスとか人類学とか色々な切り口で説明されています。この中で、モールス信号がデジタルーデジタルのコミュニケーションなのに対して、アフリカのトーキング・ドラムはコトバをデジタル信号に変換しないで、お互いがアナログーアナログのコミュニケーションをしている・・・とある意味凄いことが書いてあったわけですが、今日、ご紹介したユーティライゼーションの練習というのもある意味、人と人との間でアナログーアナログの相互コミュニケーションを行う練習でもあるのですよねぇ。もちろんコトバだけだとデジタルーデジタルなのだけれど。

(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_15.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_16.html

(つづく)

文献
[1]http://www.ericksoncongress.com/IC10/HandoutCD/Presenter%20Handouts/Zeig,%20Lilian%20Borges/L%20Zeig%20FH4%20Utilization.pdf
[2]http://www.hypnoterapi.com/htdocs/pdf/Handouts%20Zeig%20Denmark/Utilization%20Exercise.pdf 
[3]http://www.amazon.co.jp/dp/4105064118/


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