2013年3月3日日曜日

コーチングの「将来の目標設定」に関するコンフリクトを解く

                               

 TOC(Theory of Constraints)のリアフ・ゴールドラット博士じゃないけれど、目標設定をして行動する時の3つのコンフリクトを3クラウド法で解いたらまったく新しいコーチングの方法論が出来上がるというのは公然の秘密でもあるわけです。(笑)もっともゴールドラット博士の場合は、元々物理学者のせいか原則構造主義的な技法になっていて結構、外的世界に焦点が当たるような格好になっています。

 それで、日常生活や仕事のもう少し広い問題解決を考える場合は、人類学者のグレゴリー・ベイトソンが「The major problems in the world are the result of the difference between how nature works and the way people think. 世の中の主たる問題は、自然の摂理と人の思考の差異によって生じる結果である」の認識論的な禅問答に答える形式で問題を解決するような形式を考える必要があるわけです、もっと言うと構成主義的に世界の投影としての自己と自己の投影としての世界の循環を考える・・・・という具合に・・・

 それで、このコンフリクトを解いた後に得られるものを考えると、エリクソニアンで、グレゴリー・ベイトソンとミルトン・エリクソンを人生のメンターと公言してはばからないスティーブン・ギリガン博士の Self-Relations (自己間関係理論)と結局同じモデルになってしまうことが分かってきます。

 で、スタンフォード出の博士様がライフワークとして考えているモデルなので悪いわけはないでしょうとなってくるわけで、結局、ベイトソン風に課題設定をしてひたすら追求するとギリガン博士やディルツ氏のやっているジェネラティブ・コーチングに行き着くだよねぇという話になってくるわけです。それで、自分で考えた方法も結構いけているなぁと思っても、ベイトソン風の認識論で課題設定をすると結局ベイトソンの手のひらで踊っているだけなののだよなぁというオチになってくるわけです(笑)そう言えば自分がジェネラティブ・コーチのマスター・トレーナーだったことを忘れていたことに気がついたわけですが、再帰的認識論で考えているということは、所詮ベイトソンの手のひらで踊っていることに他ならないわけで・・・・(笑)。

 独り言


コーチングにおける「将来の目標設定」に関するコンフリクトを解く

 コーチングに限った話ではないのですが、「将来の目標設定」を含む方法論には潜在的に以下の3つのコンフリクトを抱えているように思ってきます。もちろん、ここでこれらのコンフリクトを解くことが出来れば何か新しい方法論になるのだろうなと考えているわけです。

 さて、以下の3つのコンフリクトを考えてみることにしましょう。

  ゴールが達成された時の状況を出来るだけ具体的かつ詳細に思い描きたい。しかし、将来のゴールは不確実性を含むものであるため、ある程度曖昧にしておきたい、あるいは手段やプロセスなどについて冗長性を確保しておきたい。
    未来のゴールを考える時に基本的には過去の経験を元に考えたい。しかし、それでは過去の延長になってしまう可能性もあるために、理想の未来から逆算していままで枠組にとらわれないやり方も検討したい。
    ゴール達成については自分のコントロール出来る行動や資源を使うことのみ考えた計画を立てたい。しかし、実行する場面では、自分のコントロール出来ない状況も想定し、その出来事への対処、あるいは当初計画になかったその他資源を使うことも考えたい。


それで、独断と偏見も少し入れて3クラウド法で上の3つのコンフリクトを統合した形式にすると以下のような(メタ・レベル)のクラウドが出来上がります。



これから考えると、まさにベイトソンが言うように「世の中の主たる問題は、自然の摂理と人の思考の差異によって生じる結果である」ということになってきます。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/08/ecology-of-mind.html

 もちろん、ここで一般意味論の「地図はそれが示す土地にあらず」のメタファーを使っているわけですが、地図と土地に齟齬がある状態を創始者のアルフレッド・コージブスキーが Unsaneと定義していたのは以下のリンクで書いた通りです。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/12/blog-post_26.html

 それで、ここではベイトソン流にコーチングを認識論に還元して、二項対立を明示し、そしてその二項対立を崩すなり超えるなりして解答を探すことになるわけですが、これを解くこと自体が新しいコーチングメソドロジーの出来上がりということになると思います。

 それで、地図と土地のコンフリクトに着目して、「どちらか」「どちらも」「どちらでもない」といった色々なレベルでの二項対立の解決を図ることになります。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/10/blog-post_940.html

 このコンフリクトを見ていきましょう。

 既知の情報で将来を思い描く:将来のある時点について理想のゴールを思い描いくと、一つはKnow Known (既知の知識に基づき)ある程度計画されており、自分の責任で実行できる行動を行う必要があります。

 緻密に計画しても必ず未知の事態に遭遇する:またもう一つは、Know unknown(未知の情報があるという認識に基づき)その計画を妨げる自分のコントロールできない事象に対処する必要が出てきます。もちろん、自分のコントロールできない事象をたんなる面倒臭いものとみるのか、偶発的に現れた資源とみのかで対応が変わってくることになると思います。通常のプロジェクト・マネジメントなどであれば偶発的な出来事はスコープスリープの要因となる厄介な事象とされるかもしれませんし、心理療法家のミルトン・エリクソンの技法であればあえてこの出来事をゴール達成に役立つようにユーティライゼーションとして取り込むということになると思います。

それで、行動のレベルについて考えると計画の地図を重視するのか?外的な状況としての土地を重視するのか?というようにその区別を付けるのか?あるいはその循環を考えるのか?その二項対立を超えたところに答えを見出すのか?というレベルで対応が分かれると思いますが、技法的に言うと①地図と土地の区別をつける②地図と土地の循環を考える③現在の地図と土地を超えたところで解決を図る、という大まかに言うと3つの次元の解決策があると思います。もちろん、この二項対立を乗り越えるために「一歩を踏み出すことを」決断するといった心身状態を伴ったコミットメントや「ゴールを目指して何かを続けていく」というエンゲージメントが必要になるでしょう。

 それで、大まかな方向性を書いておくと、対立と調和の間を言ったりきたり次元を上げつつ蠕動運動のようなものを繰り返ししながら、ゴールに向けた行動を続けていくということになるでしょう。もちろん、対立は現在の枠組から出る源泉ともなるものであり必ずしも悪いというわけではないと思います。また、調和といってもその状態でとどまっていることが必ずしも良いとはならないのだと思います。



http://ori-japan.blogspot.jp/2012/05/blog-post_08.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_28.html

 もちろんこのあたりを具体的にどう考えるのか?と問いを立てると個人的にはベイトソンの業績が分かりやすくサマリーされた、ピーター・ハリス-ジョーンズ著の「A Recursive Vision[1]の中で取り上げられていた recursive epistemology (再帰的な認識論)の中に答えがあるように思ってきます。



  もちろん、これを世界の投影としての自己と自己の投影としての世界というのを考えるとエリクソニアンのであるスティーブン・ギリガン博士の「Walking in two Worlds」にもある Self-Relations (自己間関係理論)[2]の世界ということですねぇ・・・という話になってくるわけです。そう考えると、ベイトソンの禅問答「世の中の主たる問題は、自然の摂理と人の思考の差異によって生じる結果である」というのは認識論に還元されると「地図と土地」や「Know Known Know UNknown」「意識と無意識」ということになってきて、3つのコンフリクトを解いても結局Generative Coachingの一部でしかないねぇというオチになってくるように思ってきます。まぁ、ベイトソンではないけれど、色々なことを「差異による情報」と「冗長性によるパターン」に還元して「2つの世界の由無し事」を考えるとこんな感じになるということなのでしょう(笑)。

(関連リンク)
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_03.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_26.html

(つづく)

文献
[1]http://books.google.co.jp/books?id=m4lQrfqt46gC&printsec=frontcover&dq=recursive+epistemology&hl=en&sa=X&ei=TwwyUYefGs33mAWll4AQ&redir_esc=y#v=onepage&q=recursive%20epistemology&f=false
[2]http://books.google.co.jp/books?hl=en&lr=&id=CkLBOvt10jwC&oi=fnd&pg=PR15&dq=self-relations+gilligan&ots=uSxus0jwsK&sig=RbzEHVjvEgOJmi0GGBNGjDPrxt8&redir_esc=y#v=onepage&q=self-relations%20gilligan&f=false

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