2013年5月1日水曜日

社内英語公用語化議論の不毛さ

                                    

 「社内の公用語を英語にするか?それとも日本語にするのか?」といった二項対立の発想にハマるとそもそも論としてとても大事なことを忘れてしまうようにも思ってきます。

それは、言語それ自体にコミュニュケーションを混乱させる機能がビルトインされているということ。(笑)

つまり、言語を使っている限りは、母国語だろうが、外国語だろうが、人の知覚や思考を混乱させる機能、あるいは誤った枠組を事実に適用してしまう機能がてんこ盛りになっているわけで、この制限を分かっていないとコミュニュケーションに混乱が生じるということになってくるわけです。

そんなわけで、まずは母国語を喋っている時にすら、言語には制限があるということを認識させて、その制限を回避してコミュニュケーションを行うトレーンングを優先したほうが良いと思いますけれどねぇ。(笑)・・・・もちろん、一般的なロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングとは別枠で・・・・・

 独り言


社内英語公用語化の是非を一般意味論のメガネで見てみる

 個人的にはアルフレッド・コージブスキーの創始した一般意味論[1]を金科玉条のごとく普及するために尽力する、といった大それた考えはまったくないわけですが、しかし、個人的な研究テーマのひとつである心理療法家のミルトン・エリクソンの技法などを研究するときのメガネのひとつとして、知覚-思考-情動-行動などがどのように関係しているのか?あるいは言葉が知覚や認識にどのような影響を与えるのか?あるいは混乱させるのか?を考える上での仮説としては非常に役に立っているという話は以下のリンクでも書いた通りです。


 もちろん、一般意味論はエリクソンの技法を観察する時だけではなく、もっと一般的な「社内英語公用語化は是か非か?」のような話題にもこのメガネを適用すると面白いものが見えてくるということがあります。

 例えば、以下のリンクでも書いていますが、一般意味論のメガネをかけてみると、言語というのはそもそも人間の知覚や認識を混乱させるものである・・・・・ということが分かってくることになります。これは母国語を使っていても、外国語を使っていても言語についての制限は同じ・・・・ということになってきます。


 で、これはお互いが母国語でコミュニュケーションを行なっていても、自分の中での勘違いや相手とのコミュニュケーションの中でのギャップが発生するわけであり、それが具体的にどのように発生するのか?という仮説ですがそのプロセスを示したものでもあるわけです。例えば、ITの世界では同じ話題について話しているにもかかわらず、相手と話が咬み合っていない時に「話の抽象度が合っていない」などと言ったりもしますが、どうして話が噛みあわせいのか?について説明を与える仮説のひとつとはなっています。

 もちろん、どのように混乱が起こるのか?がプロセスとして示されていた場合は、そうならないように反対にプロセスを回せば良いわけであり、それについては以下で少し書いたところです。


それで、おそらく最も簡単に一般意味論のエッセンスを学べる本は外山滋比古著の「思考の整理学」[2]でしょうかねぇ・・・・この中でいくつかの概念が説明されていたと記憶しています・・・その後S.I.ハヤカワ著の「思考と行動における言語」[3]を読むという感じになるのでしょうか?その後、The Society of General Semantics のトレーニング・マテリアルのおいてあるサイト[4]あたりの資料を読むという感じになってくると思います。

それで、はじめに帰って、一般意味論を金科玉条の如く信奉するというのではなく、言葉と知覚、思考、気持ち、身体などがどのように相互作用するのか?を観察する枠組としてのメガネのひとつとして手軽に使ってみるという態度が重要なのではないかと思います。

余談ですが、昔総務省の高度ITの人材育成プロジェクトでロジカル・シンキングの講座をつくって実証実験をやったことがあるわけですが、実は一般意味論のような言語やコミュニュケーションの根底にあるそもそも論を考えていないとロジカル・シンキングも上手く機能しなかったのですよねぇ・・・だから、社内公用語を英語にしてもおそらくコミュニュケーションの根底がないと機能しないと思いますけれどねぇ・・・・・・・(笑)。

 (つづく)

文献
[4]http://www.generalsemantics.org/the-general-semantics-learning-center/teaching-materials/


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