2013年5月18日土曜日

心理療法におけるメタファーの活用(その2)

                               

 未知の概念を理解する際に、既知の概念をメタファーとして使うというのは割りとよくやっていることだと思うわけですが、心理療法で活用されているメタファーを考えると、そもそも物事を認識している枠組自体に働きかけて認識のやり方そのものを変化させるためにメタファーを使っているということが分かってくるわけです。

 まぁ、メタファーを語り始めるとレイコフ&ジョンソンの「Philosophy in the Flesh」みたいな身体感覚とメタファーとか、身体知とメタファーみたいな話まで吹っ飛んでいってほとんどライフワークみたいになってしまうのですけれどねぇ(笑)。

独り言


メタファーで深いラポールを取る

今日は、個人的に読んでいて面白かった「The Use of Metaphors in Psychotherapy(心理療法におけるメタファーの活用)」[1]というエッセーをご紹介しておきましょう。

この中でエリクソニアンのジェフリー・ザイク博士がミルトン・エリクソンが使った物語、メタファーの機能を12のリストとして取り出しているところがありますがこれが個人的には非常に興味があるところです。

1.      (間接的に)要点を示す
2.      問題に対する解決策を示唆する
3.      クライアントが自己認識を行うことを助ける
4.      アイディアの種をまく、モチベーションを高める
5.      セラピスト-クライアントの関係をコントロールする
6.      (間接的に)方向性を示唆する
7.      クライアントの抵抗を減らす
8.      問題をリフレーミングしたり再定義したりする
9.      自我の確立を支援する
10.    コミュニケーションのやり方をモデリングする
11.    クライアントの利用できるリソースに気づいてもらう
12.    クライアントの恐怖に対する感度を低減する


それで、上でいうと 5.にあたると思われますが、クライアントとのラポールを強化する上で、相談に来たクライアントの状況をメタファーとして語り、セラピストがクライアントとラポールを築くために以下のようなメタファーが活用されているところが紹介されています。

------訳は適当------

 砂漠の真ん中にひとりぼっちで住んでいる女の子がおりました。荒涼としたこの場所にはほとんど水はなく、女の子はいつものどが渇いていました。女の子はもっと多くの水を必至に探す必要がありました、それで水を探すことにしました。しばらくして女の子は深い渓谷の底に川を見つけました、しかし、足を滑らせて川に落ちて溺れる恐れがあるために近づくことは非常に危険でした。そこで不満をブツブツつぶやきましたが、別の場所を探し続けなければなりませんでした。しばらくして女の子は湿地帯に着きました。女の子はとても喉がかわいていたので直ぐに沼地の水を飲み始めました。気分が悪くなりましたが、活きるためには、選択肢はありませんでした。それから7年間女の子は沼地に住んで、それに耐えられなくなるまで、酷い匂いと苦い味の水をいつも飲んでいました。女の子は沼地を後にして砂漠に帰ることにしました。最悪の事態を覚悟していましたが、女の子は新鮮な水の吹き出す小さな泉を見つけました。女の子は救われた気持ちになりました。何年もの苦痛に耐えた後、やっと生き返ったような気持ちになったのです。3年後、その泉は枯れ始めした。女の子はそのうち水を飲むことができなくなり、そして砂漠でまたひとりぼっちになってしまうでしょう。
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(参考)

(つづく)

文献
[1]http://bscw.rediris.es/pub/bscw.cgi/d4464597/Witztum-Use_metaphors_psychotherapy.pdf



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