2013年5月20日月曜日

催眠を使わない催眠療法的アプローチで変化についての変化を起こす

                               

 個人的にはグレゴリー・ベイトソンがお気に入りなのだけれど、ベイトソンと一緒に研究していた故ポール・ウォツラウィック博士も結構好みなのだよねぇ。現象に惑わされずにいつも本質的なことを探求しているというか、なんかそんな所が・・・・

独り言


認識や行動が変化する必要条件

ネットで「Hypnotherapy Without Trance[1]というエッセーを見つけて読んでいたわけですが、今日はこれについて少し書いて置きましょう。

個人的にやっている仕事は単なるしがないビジネス系のコンサルタントなわけですが、どのようなコンサルティングでもいつも課題となることがあるわけです。それは、以下のリンクでも書いたように「変化に対する抵抗」をマネジメントする、あるいはもっと積極的に抵抗を変化への推進力に変えるにはどうしたら良いのかということ。


 もちろん、ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキング、システム思考に基づいて事実から色々解決策を考えたりするのはある意味当たり前なわけですが、理屈だけではなんとも対処し難いのが、組織や担当者の変化に対する心理的な抵抗、あるいはその業界のしきたりを変えることについての社会心理学的な抵抗というわけです。もちろん、人や組織や社会システムを生き物、格好のよい言い方をすればオートポイエーシスなわけなので、ある意味当たり前と言えば当たり前の反応ということになってくるのでしょうけれども・・・・
 
 じゃぁ何らか心理療法的なアプローチでも使ってみるか・・・と考えて行き着いたのがミルトン・エリクソンやMRIのアプローチというわけです。

 で、パロアルトのMRIで短期療の研究をしていたポール・ウォツラウィック博士と弟子のジョルジュオ・ナルドネの著作に「Art of Change」というのがあって、この中に Hypnotherapy without trance (催眠誘導を使わない催眠療法、ニュアンス的には蕎麦の入っていない蕎麦みたいなー笑)というようなちょっと禅問答的な話が書かれていたことを思い出します。以下のリンクは孫引きですが、この話は日常生活や仕事の場面で単なる会話や対話を通して認識や行動が変化するのか?という結構深い話になってくるわけです。

 それで、ネットでミルトン・エリクソンと検索すると「ミルトン・エリクソン=催眠」というようなある意味、あたまの悪い脊髄反射のような答えが返ってくるわけですが、やはりこれでは本質を押さえていないと思われてもしかたがないのでしょう。

 例えば、ウォツラウィック博士の著作を読むと分かってくることは、「(誤り)人の認識や行動を変えるために催眠は必要」→「(正)条件さえ整えれば催眠を使わなくても出来る」。「(誤り)深い催眠に入れば入るほど、認識や行動に大きな変化が起こる」→「(正)変化と催眠の深さは関係ない、浅い催眠でも条件を整えれば大きな変化が起こるし、催眠がなくても大きな変化が起こる」「(誤)催眠誘導さえ出来れば変化が起こる」「(正)誘導だけ出来ても、暗示やリフレーミン、メタファーを適切に使わないと変化は起きないし持続できない。但、暗示、リフレーミング、メタファーだけ状況設定に併せて適切に行えば変化が起こる」などなど。

 つまり、ビジネスの場面でも抵抗を押さえて組織や担当者の認識や行動を変えてもらうために、催眠などを使わなくても、相手の世界観を十分に理解し、適当な二項対立を設定して、暗示、リフレーミング、メタファーなどを普通の対話の中で活用してこの二項対立を解くことが出来ればウォツラウィックの言う二次的変化つまりシステム全体が変化する「変化についての変化」が起こるということになってくるわけです。

 もちろん、このあたりのお話は心理療法家のミルトン・エリクソンの暗黙知のほんの一部を形式知化しているような形式でもあるわけですが、少なくとも、変化に対する抵抗を抑え、既存の枠組を超える形式で、認識や行動によい意味での変化をもたらすには何をすればよいのか?ということが理解できることになってくるわけです。

(つづく)

文献



記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿