2013年5月24日金曜日

ダブル・バインドにはご用心(その1)

                              

 心身共に健康な人でも日常生活や仕事の場面で何か大きな課題や問題に遭遇した場合はそれが事実と認識の相互作用においてダブル・バインドの状態になっていることも多いと思います。

 それで、ここでの疑問は「一体どのようにすれば、この状態から抜け出すことが出来るのか?」です。

 おそらく、ここでの答えは2つ、

 -どういった条件やプロセスでその状態に入ったのか?ということをメタ認知できること

 -そのダブル・バインドの構図を抜け出すプロセスが分かっていること、

 この2つが出来れば、ダブル・バインドに対処したり解決したりする能力は格段に上がることになると思います。

もちろん、ダブル・バインドを抜けるには、入ったプロセスをひっくり返せば
良いという単純なものではないので、まったく別のダブル・バインドが必要だったりもするのですけれどねぇ。(笑)。もちろん、一般論ですが・・・・
 
独り言


悪いダブル・バインドと良いダブル・バインド

心理療法でいうところのダブル・バインド[1]について少し書いておきましょう。

こんなタイトルで始めると、へっぽこ経済評論家がテレビ番組で「デフレにも、悪いデフレと良いデフレがある」のような二値的な論法で視聴者を煙にまく格好になっていないでもないですが、ダブル・バインドにも悪いダブル・バインド良いダブル・バインドがあります。もちろん、ここでは、話を分かりやすくするために敢えて善悪二元論で表現していますけれど(笑)。

ダブル・バインドを時系列で分解すると、(1)ダブル・バインドに至るまでの前提とプロセス (2)ダブル・バインドにハマっている心身状態を含む状態 (3)ダブル・バインドを解くための前提とプロセス、の3つに分解するとわかりやすいと思います。

で、大体の担当分けをすると(1)の解明をやったのがグレゴリー・ベイトソンを中心とするグループ、(3)のようにダブル・バインドを解いていたのが心理療法家のミルトン・エリクソン他、ということになってくると思います。

で、以下のリンクでも書いていますが、


 悪いダブル・バインドとは統合失調症の原因仮説として取り出された人類学者グレゴリー・ベイトソンのダブル・バインド。つまり、どのような条件とプロセスでダブル・バインドの状態になるのかを説明した仮説というわけです。もちろん最近はこれが唯一の原因か?といわれると学術的には怪しくなっているようなのですが。

そして、良いダブル・バインドとは、心理療法家のミルトン・エリクソンが心理療法の技法として活用していたダブル・バインド。こちらはクライアントの治療を行うために用いた言語パターンを含む技法で、こちらは今でも生きているという具合です。

 それで、ここで興味深い点は、ベイトソンのダブル・バインドとエリクソンのダブル・バインドが悪がいなければ勧善懲悪が成立しないように文字どおり表裏一体になっているという点です。つまり、二項対立の中に埋没して混乱している状態になることも出来れば、そこから抜け出すことも出来るということなるわけです。

 そして、もう一つ面白いのは、ダブル・バインドを抜け出すためには、そこに至ったプロセスを反対に回してもだめ、つまり原因分析するようなやり方では解決出来ないことになっていて、現在のダブル・バインドを解くために別のダブル・バインドをぶつけるような格好になっているのが面白いところだと思います。

 もちろん、実はエリクソンのダブル・バインドもベイトソンがラッセル-ホワイトヘッドの論理階型理論を援用してつくったマインドの理論(Theory of Mind)で説明されていることになっているのですが、(特に人の認識や行動が関係する問題については)敢えて原因分析はしない、といいうようなところに繋がってくることになってきます。まぁ、ソリューション・フォーカスト・アプローチなどもこのあたりを踏まえて原因分析をするな、と言っていることになるわけです・・・・

(つづく)

文献

http://www.psychotherapy.com.au/fileadmin/site_files/pdfs/TheDoubleBindTheory.pdf(参考)


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿