2013年6月24日月曜日

MRIベイトソン・グループの系譜:ミラノ派(その1)



 PMBOKなどのプロジェクト・マネジメントの方法論を杓子定規に解釈すると単に、スキルだけ見てチームを組んだり、仕事をアサインしたりするわけですが、これをベースラインとするにしても、もう少し別の有機的な(義理、人情、浪花節ではない、欧米でも日本でもアジアでも通用するもっと普遍的な)ソフト・スキルとしてのマネジメント手法を持っておくというのは重要なことだと思うわけです。(笑)

 
 で、個人的には短期療法の一派であるMRIベイトソン・グループ的な介入とか、ベイトソン・グループの理論を忠実に引き継いでいるミラノ派の介入とかって結構良い感じがするのですよねぇ・・・・・・で、なぜかミラノ派の技法には萌えるのですよねぇ(笑)。

 独り言


短期療法・戦略的家族療法的なチーム・マネジメント・・・

 本業のほうでPMOとしてプロジェクト・マネジメントやプログラム・マネジメントのお手伝いをすることがあります。

 一般的なプロジェクト・マネジメントではそれぞれのメンバーのスキルというところに焦点を当てチームを構築し、そのスキルに基づいて役割やタスクをアサインされるということになると思います。

もちろん、このようなマネジメントのやり方がベースになるわけですが、個人的にはチーミングにしても、コミュニケーション・マネジメントにしても、ステークホルダー・マネジメントにしろ、(色々な国や文化の違いも考慮に入った)もう少し有機的な方法論がないのか?と考えてしまうわけです。

それで、PMI (Project Management Institute)のサイトにあった「Gaining higher project management with Project Manager having systemic consulting skills[1]というタイトルのエッセーがあります。

この場合はMRIの短期療法が想定されていますが、プロジェクト・マネージャがチーム・マネジメントやステークホルダー・マネジメントを行う上でソフト・スキルとしての短期療法、あるいは戦略的家族療法のようなスキルを活用してプロジェクトをマネジメントする有効性について考察されているわけです。

 それで、このあたりのもう少し細かい技法、特に、家族療法的に人と人との関係性に対して具体的にどのような質問を投げたら良いのか?という疑問が沸き起こるわけですが。

 これには、ベイトソンのサイバネティクス理論を忠実に家族療法の技法に落としたイタリアのミラノ派(Milan Associates[2]があるわけですが、ベイトソンの円環的因果関係を質問に還元した格好になっているこの派の円環的質問法の基礎ついて書いてある「Circular Questioning : An Introductory Guide[3]とタイトルのついたエッセーを読んでいて個人的には非常に納得したわけです。

 ここでは、2つの種類の質問 1) 差異を明示する質問と 2)関係性を明示する質問が明示されています。

 人類学者のベイトソンが物事を「差異から生まれる情報」そして「結ばれあうパターン」に還元して考えるベイトソニアンについては以下のリンクで書いたところですが、


前者は、ベイトソンが言った、「A difference that makes a difference.」で表された2つの要素の1つの違いを「情報」と定義したわけですが、前者がこの差異による情報を知覚・認識する質問。そして、後者が「A Pattern that connects.」すなわち結ばれあうパターンを知覚・認識する質問となっているわけです。

それで、具体的にこのエッセーの中では、

差異による情報を知覚・認識する質問

-経年変化による差異
-人と人との差異
-ある人の要素と要素の差異(例、頭と心・・・)
-状況毎の差異

パターンを知覚・認識する質問

-振舞い
-気持、感情
-信念
-意味
-関係性

を意識してもらう質問が示されています。基本的には問題や課題の事実認識をしながら、その状況やそれに対する反応、あるいは人と人との関係性について考えてもらい、事実と認識、あるいは事実と意味の間に選択肢があることに気づいてもらうような質問になっていることになります。

 それで、個人的にはやはりこの技法は心理療法家のミルトン・エリクソン→MRIベイトソン・グループ→ミラノ派の流れだなぁとしみじみ思うわけですが、ある意味非常に忠実にベイトソンの理論が反映されて個人的には非常に好みの技法でもあるわけです。

(つづく)

文献
[3]http://ift-malta.com/wp-content/uploads/2012/05/Circular-Questioning-an-introductory-guide.pdf

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