2013年7月17日水曜日

フィード・バックとフィード・フォワード



 コーチングも心理療法も究極は、環境、モノ、人それぞれの関係によって生じる情報の認識とその情報のフィード・バックとフィード・フォワードのようなパターンに還元できるように思うのですよねぇ。

 あ!・・・考え方がもろベイトソニアンだぁ(笑)。
 
 独り言


サイバネティクスにおけるフィード・バックとフィード・フォワード

自分のメモ代わりに書いておきます。

エグゼクティブ・コーチのマーシャル・ゴールドスミスのエッセー[1]を読んでいて、この中に出てくる、フィード・バック、やフィード・フォワードの概念の定義が曖昧で個人的にはイマイチよくわからなかったというのがあります。

そこで、基本に戻ってサイバネティクスのドキュメント「Cybernetics and Second-Order Cybernetics[2]を読んでいたわけです。

もちろん、この前提としてゴールドスミスがどのような理論をベースにコーチングを組み立てているのか?知るよしもありません。

しかし、少なくとも、コーチングの技法に短期療法が少なからず影響を与えており、また、短期療法の源流でもある心理療法家のミルトン・エリクソンの(暗黙知しか存在していない)技法を形式知化する時に、人類学者のグレゴリー・ベイトソンが一つのモノサシとして使ったが第一次サイバネティクスと第二次サイバネティクスを使ったことは分かっているわけです。


したがって、コーチングのベースになる理論の一つとしてこの「フィード・バック」と「フィード・フォワード」がサイバネティクスから来ている可能性が大だと推測しています。もちろん余談ですが、情報エントロピーとか最小多様度の法則とか自己組織化とか色々個人的に興味のあることも含まれています。

それで、まずサイバネティクスとは何か?上のエッセーの中に以下のような定義があります。

(訳は適当)

Cybernetics is the science that studies the abstract principles of organization in complex systems. It is concerned not so much with what systems consist of, but how they function.Cybernetics focuses on how systems use information, models, and control actions to steer towards and maintain their goals, while counteracting various disturbances. Being inherently transdisciplinary, cybernetic reasoning can be applied to understand, model and design systems of any kind: physical, technological, biological, ecological, psychological, social, or any combination of those. Second-order cybernetics in particular studies the role of the(human) observer in the construction of models of systems and other observers.

サイバネティスクは複雑系における(異なる要素が統合された)組織の抽象的な原理を研究する科学である。それは、「システムが何から構成されているか?」より、むしろ「システムがどのように機能しているのか?」に関心を向ける。サイバネティクスは、システムが様々な障害に直面している時、ゴールを目指し、ゴールへ向けて舵を切るために、どのように情報、モデルを使い、そして行動を制御するのかに焦点を当てる。学際的であることを継承しており、サイバネティクスの論理は任意のシステムのモデルの理解や設計に適用される。このシステムには、物理、技術的、生物的、環境的、倫理的、社会的などそれぞれのシステムの組み合わせがある。第二次サイバネティクスは特にシステムや他の観察者のモデルの構築における観察者の役割について研究する。


それでまずはフィード・バックについて少々、この話の前提として学校のテストのような偏差が導入されていて、プラス(肯定的)な偏差とマイナス(否定的)な偏差というのがあります。もちろん、学校のテストは点数を取り過ぎて怒られるということはないのでしょうが、場合によっては、高得点のほうが良い(肯定的な偏差)という人の価値判断が入っていることに注意が必要です。で、以下の文章。


If a positive deviation at time t (increase with respect to y0) leads to a negative deviation(decrease with respect to y0) at the following time step, the feedback is negative (k < 0).

Forexample, more rabbits eat more grass, and therefore less grass will be left to feed further rabbits. Thus, an increase in the number of rabbits above the equilibrium value will lead, via adecrease in the supply of grass, at the next time step to a decrease in the number of rabbits.

もし、時間 t ( y0に対して増加する)におけるプラスの偏差が、それに続く時間の経過により(y0に対して減少する)マイナスの偏差を誘発する場合、そのフィード・バックはネガティブ(k< 0)である。例えば、より多くの野ウサギがより多くの草を食べた結果、野ウサギを養うにたる草は減少することになる。従って、平衡状態を超えて野ウサギの数が増加すると、草の今日急が減少し、次にうさぎの数が減少することになる。


で、逆にポジティブ・フィードバックの定義は以下。


The opposite situation, where an increase in the deviation produces further increases, is called positive feedback. For example, more people infected with the cold virus will lead to more viruses being spread in the air by sneezing, which will in turn lead to more infections. An equilibrium state surrounded by positive feedback is necessarily unstable.

 反対の状況、つまりプラスの偏差がさらなるプラスの偏差をつくりだすことをポジティブ・フィードバックと呼んでいる。例えば、より多くの人々が風邪ウィルスに感染すると、くしゃみをすることで風邪ウィルスが拡散され、より多くの感染を引き起こすような場合である。ポジティブ・フィードバックに囲まれた平衡状態は必然的に不安定になる。


でこのあたりはセンゲのシステム・アーキタイプを思い描けば良いのだと思います。[3]

 で、制御の話になるわけですが、フィード・フォワードに関する話は以下。


Feedforward control will suppress the disturbance before it has had the chance to affect the system's essential variables. This requires the capacity to anticipate the effect of perturbations on the system's goal. Otherwise the system would not know which external fluctuations to consider as perturbations, or how to effectively compensate their influence before it affects the system. This requires that the control system be able to gather early information about these fluctuations.

フィード・フォワード制御は、システムの本質的な変数に混乱が影響を及ぼす前に、混乱を抑圧することになる。これは、システムのゴールに対する摂動の影響を予測する能力が必要とされる。そうでない場合、システムはどれが外部で起こる摂動として認識するべき揺らぎなのか?あるいは、それがシステムに影響を及ぼす前にどのように効果的に相殺するのかがわからなくなる。これは制御システムがこのような揺らきが起こる前に情報を集めることが出来ることを要求している。


 こう考えると何か事が起こってそれに上手く対応するのがフィード・バックで、予め予測してそれを回避するのがフィード・フォワードということになってきます。もちろん、ここに一般意味論的な「地図は領土ではない」のように誰が認識した事実なのか?主観なのか?の切り分けという課題が出てくるのがコミュニケーションの難しいところなのでしょう。

 何れにしても人が何らかのゴールを達成するためのサイバネティクスを使うには、人自体をシステムとして考えるのか?あるいはもっと広範囲に社会システム中の人と考えるのか?はどの世代のサイバネティクスを適用するかにかかってくるようにも思えてきます。

(つづく)

(参考)

文献

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