2013年7月23日火曜日

ミルトン・エリクソン関連書籍:キンドル版



 心理療法家のミルトン・エリクソンに対する個人的なイメージは「同時通訳者」。

この前提として、普段、私たちは、「意識の世界のロジック」偏重でコミュニケーションしているように思います。例えば、ロジカル・シンキングとか・・・

もちろん、世の中理屈だけで回るのだったら苦労はしない・・・ということになってくるわけですが、感覚や気持といった何となくの世界つまり「無意識の世界のロジック」も考えておかないと思わぬ抵抗にあったりするわけです。

で、エリクソンは、意識ではわからなくても無意識ではわかる・・・のようなエリクソン自身の活用した言語パターンでも表現されるように、「意識の世界のロジック」を「無意識の世界のロジック」にとても正確かつ、精緻に翻訳して対話し、抵抗を抑え、そして何となくの感覚や気持すら、課題の解決の資源として利用することを促してくれる「同時通訳者」のように思えてくるわけです。

例えば、エリクソンは意図的にコミュニケーションの粒度を狙い通りに粗くして、意図的に曖昧な表現でクライアントとおしゃべりしていたりするわけです。しかし、表面的に曖昧な言葉を捉えて、エリクソンがいい加減なことをやっていると考えるとものごとの本質を見誤ることにもなってきます。

つまり、エッセーやクライントとの会話から垣間見えるエリクソンがとてもロジカルな人で、当然、「意識の世界のロジック」と「意識の世界のロジック」の橋渡しはロジカルに行われていたということになるわけです。

エリクソンの会話の「内容(コンテンツ)」は非常に曖昧なものに変わっていたりするわけですが、「意識の世界のロジック」を「無意識の世界のロジック」に変換するという「プロセス」はとてもロジカルに行われていることが分かってくるわけです。

それで、流石に博士号を持っているエリクソンの弟子達は、「意識の世界のロジック」を「無意識の世界のロジック」にロジカルに変換できる人たちということになるのだと思いますが、それを忘れてしまうと、単なるスピリチュアル系のとても痛い人・・・ということになるのがある意味エリクソニアン・アプローチの「バカ発見器」的で面白いところなのでしょう。(笑)

逆に言うとエリクソニアン・アプローチを学ぶことの一つは、「意識の世界のロジック」と「無意識の世界のロジック」をどう橋渡ししているのか?そのロジックを学ぶということだとも思うわけです。

 独り言


エリクソニアン・アプローチ系の本のキンドル版

 ハード・カバーで読むのか?電子書籍で読むのか?と問われると、エリクソニアン・アプローチで言う Either or のの質問ということになって、「どちらか一つを選ばなければならないの?」と二者択一のようになってしまうわけですが、ここではそういった二択が目的ではないことは言うまでもありません。

 エリクソニアン・アプローチの本はハード・カバーでは入手し難いものも多いため、キンドル版が出るというのは研究者や愛好家からすれば非常にありがたいところでもあるわけです。

 それで、最近、ミルトン・エリクソンの弟子たちの著作がキンドル版になって発売されたようなので少しご紹介しておきましょう。

 一冊目は、ジェフリー・ザイク著「Experiencing Erikson: Introduction to the Man and His Work [1] Amazonの紹介にもあるように、3篇の小論文とエリクソン-ザイクの対談集が掲載されています。

  二冊目は、スティーブン・ギリガン著「Therapeutic Trances: The Co-Operation Principle In Ericksonian Hypnotherapy[2]本書は個人的には座右の書になっているわけですが、何がエリクソン・アプローチで何がそうでないか?が非常に分かりやすく書かれており、個人的には非常にお薦めの1冊です。


 三冊目は、同じザイクとスティーブ・ランクトン編集の「Developing Ericksonian Therapy: A State Of The Art[3]ハード・カバーだとp.500以上あるので結構読むのが大変なのですが、エリクソンの論文集をザイクとランクトンがまとめた・・・という形式になっています。


  それで、このあたりの著作を読むと、エリクソンはその技法について暗黙知しか残していないため形式知化されたフレームワークや言語パターンなどは後の弟子たちによって形式知化されたという構図がここにあるわけですが、少なくともエリクソンは何らかのロジックに基づいてその技法を使っていたということが分かるのは面白い発見のように思ってきます。

余談ですが、もちろん、エリクソニアンであれば、Both and のアプローチで二択を避けるというのもあるため、ハード・カバーとキンドル版の両方を持っていても良いのだろうなぁと思っているところでもあるわけです。(笑)

(つづく)

文献

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