2013年7月30日火曜日

癒しのメタファーのつくりかた(その3)



 心理療法で認識や行動を変化させるメタファーを誰がつくるのか?っていうのは結構大問題のように思えてきます。

 心理療法家のミルトン・エリクソンのスタイルだと、メタファーはセラピスト側がつくるもので、これはセラピスト≒作家先生を意味していることになるわけです。つまり、セラピストはクライアントの話を聞いて毎回毎回なんらかのメタファーをつくらないといけないとしたら結構たいへんな作業だし、創造性も必要だなぁ・・・ということになってきます。もちろん、コンサルタントだとお金がかかるやり方という具合になってきます。(笑)

 もちろん、世の中よくしたもので、心理療法家のリチャード・コップ(Richard Kopp)はクライアントの話を聞きながら、メタファーはクライアントにつくってもらうという、あるいはクライアントがメタファーを発展させることを支援するということを思いついたわけですが、案外これがコロンブス的な発想ということになってくるわけです。

 独り言


スポーツ・コーチングの中でのクライアントがつくるメタファー

 認知言語学の進展がどのように影響しているのか?はよく分からないのですが、


 このブログでの研究テーマにしている心理療法家のミルトン・H・エリクソンに限らず、色々なところで技法としてのメタファーというのが登場してくるように思います。

 それで、今日は「A Framework to Explore and Transform Client-Generated Metaphors in Applied Sport Psychology[1]というタイトルのエッセーが面白かったのでご紹介しておきましょう。

 ここでのポイントは、メタファーをクライアント側がつくる、そしてセラピスト側はそのメタファーを発見し、そしてそのメタファーを発展し、よい意味で変化、展開することを支援する、というようなことが書かれています。

 で、ここで想定されているのは、リチャード・コップの「Metaphor Therapy: Using Client Generated Metaphors In Psychotherapy[2]、あるいは、ローリー&トンプキンスの「Metaphors in Mind [3]で紹介されていたジェイ・ヘイリーの弟子のデイビッド・グローブの開発したグロービアン・メタファーを発展させた Clean Language & Symbolic Modeling 等というわけです。

 上のエッセーで紹介されているのは、スポーツのコーチが選手からメタファーを引き出しそして、最適な心身状態などをつくるためにそのメタファーを変化させるような状況ということになっていますがここでは5つのステップが示されていることになります。

(1)  クライアントのメタファーの同定
(2)  クライアントのメタファーの探求(初期)
(3)  メタファー的な景観の拡張と開発
(4)  メタファーの移行(変化)
(5)  メタファーを現実に持ち帰る

 というようなステップでセッションが進むことになります。

 もちろん、ここではメタファーというのはイメージ・スキーマだけではなく身体図式(ボディー・スキーマ)も含むメタファーというようなことになってきますが、人の認識や行動、を変化させ適切な心身状態をつくるために案外メタファーというのは重要な役割を果たすのだろうなぁと思ってくるわけです。

 で、社会科学的なことでもあり、個人的に統計を取っているわけではないけれども、ある程度の再現性を持って非常に集中した状態などの心身状態はメタファーを引き出して、発展、変化させることで割りと簡単につくりだせると思います。 

(つづく)

文献
[3] http://www.amazon.co.jp/dp/0953875105/

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