2013年7月18日木曜日

MRIドン・ジャクソンのレガシー



 愉しく過ごすのも、不愉快に過ごすのも人間関係というのがかなり影響していると思うわけです。しかし、人間関係って一体何?と聞かれると非常に漠然としたものであることだけは確かなのですが、コトバで説明するのが難しいのが人間関係であるのも確かなような気がします。

 もちろん、個人的には人間関係で特に困っているというわけではないのですが、システム論的に考察された、短期療法、家族療法の研究機関である MRI の創設者でもあるドン・ジャクソンの17の仮説のようなものを読むと、この人は人間関係についてとても真面目に考えていたのだなぁ・・・と思ってしまうところもあるわけです。
 
 独り言


コミュニケーションのやり取りにおいて関係性を定義する・・・・

MRIウェンデル・レイの書いた「Interaction Focused Therapy The Don Jackson Legacy[1]という名前のエッセーを個人的には面白いなぁと思って読んでいたというわけです。

ドン・ジャクソンと言えばカリフォルニア州パロアルトに心理療法の研究所であるMRIを設立した人物として知られていますが、同僚だったグレゴリー・ベイトソンやポール・ウォツラィック等に比べると随分若くして亡くなってしまった人です。

MRIの短期療法はコミュニケーション学派とも言われることがありますが、病理の要因を人と人のコミュニケーションや関係性に関連付けて説明した学派でもあるわけです。

それで、ジャクソンは人間関係について17の仮説というか、前提を持っていたことがこのエッセーで指摘されています。



1.      他人とのやり取り通じて、人は常にそのひとなりの人間関係の本質を定義しようと試みている。
2.      他人とやり取りをしている限りは、人はそのひとなりの人間関係の本質を探すことを止めることは決してない。
3.      時々(その人なりの人間関係の本質を定義すること)がより焦点化されることがある。
4.      『関係性の本質』の次元は包括的に1)シンメトリカル 2)コンプリメンタリーとして定義される。
5.      『典型的特徴』、『症状』は関係性の本質を定義する時のやり取りで起こる典型的なやり取りである。
6.      2人、もしくはそれ以上の人の間のやり取りはシステムとして観察され、当該時刻においてそのシステムは何らかの平衡点をもっている。そのシステムは一連のガバナーによって維持される
7.      常に現状維持を超える傾向がある。
8.      システムは概念的に決して静的な状態にはない。
9.      恐らく、このシステムの本質は新しい変数が導入されることにより修正される。
10.    『システム』は非常に抽象的である。
11.    『ホメオスタシスの機構』も常に抽象的である。
12.    全てのメッセージは、報告と命令の側面を持っている。
13.    全てのメッセージは資格剥奪か確約のいずれかによって修正される。
14.   与えられたメッセージは前のメッセージとの関係性において自由裁量で決められる。
15.    現在のやり取りのパターンの研究について過去のシステムの知識は必須ではない。
16.    システムにおける特定のパターンは個人的な特定の振舞いと結びつく傾向にある。
17.    声明は「私はこれこれの関係性の元にこれを発言する権利がある」と前置きすることができる。

  もちろん、こういった仮説が後により洗練されて家族療法などに取り込まれていくことになるわけですが、出だしの仮説としてはこれはこれでありなのだろなと思うところでもあるわけです。

(つづく)

文献
[1] http://www.bssteuropeanreview.org/articoli%202004/wendel.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






0 件のコメント:

コメントを投稿