2013年8月11日日曜日

退行催眠のプロトコル



 昔から「ふぐは食いたし命はおしし」というような川柳があったりするわけですが、世の中には多くの利点はあるものの、一つ間違うと大きなリスクを引いてしまうといことがあることもある意味真理のように思えてきます。

 それで、退行催眠などという技法もこれに当たると思うわけです。

一見、効果がうたわれている反面、クライアントの記憶を退行させて子供の頃の体験を思い出してもらうと、実際にはありもしなかった記憶(虚偽記憶)が再構築されて、「私は親に虐待された」とか「私はセラピストにセクハラされた」・・・など、といったことが起こって、特に、米国で親やセラピストを相手に訴訟が頻発したということが事実として残っているところでもあるわけです。

それで、個人的には単に学術的な興味から、毒がきちんと処理されたふぐ刺のような感じで、退行催眠を使いつつも、虚偽記憶をきちんと回避する方法が研究されたりしているのだろうか?とか考えたりしているわけですが、今日ご紹介する著作はこんな感じのことが書いてあるわけですねぇ・・・・・(笑)。

 独り言


退行催眠のプロトコル
 
The Art of Hypnotic Regression Therapy[1]という著作のプレビューを読んでいたわけですが、これが中々面白いように思ってきます。

 で、一般的には催眠というと脊髄反射的にインチキな感じがするわけですが、一応本書は、米国の学術系の催眠研究の学会としては定評のある The American Society of Clinical Hypnosis の会長が推薦文を書いていること、また、著者も Ph.D 持ちであること、そして内容も体系的かつ論理的に書かれていること、また出版元が英国のクラウンハウス・パブリッシングであることを考えると良書のように思います。
 それで、内容は退行催眠ということになってくるわけですが、記憶を退行させるとかならず登場する問題が、エリザベス・ロスタフの論文などで指摘されている虚偽記憶(False Memory)[2]問題だというわけです。

 それで、本書では虚偽記憶の問題を指摘しつつも、経験しなかった経験を経験してしまったように確信する虚偽記憶を避けるようにするにはどのようにするのか?も考慮しつつ退行催眠のプロトコルが示されているところが面白いところなのでしょう。

 もちろん認知科学的にも、大体個人的に考えて考えていた仮説と一致するところではあるわけですが・・・・

(参考)

(つづく)

文献
[2]http://ja.wikipedia.org/wiki/虚偽記憶

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