2013年8月29日木曜日

サイバネティクスの系譜:ウィリアム・ロス・アシュビー



 最近、「システム思考って何?」って考えるわけですが、これを非常に簡単に行ったら「目先の現象にいちいち脊髄反射しないで、もっと大きな枠組から本質を見抜き、短期的には損をしても最後は得を取るという思考」ってことになるのでしょう。(笑)

その意味システム思考の原型でもあるサイバネティクスもそういう感じなのでしょうねぇ・・・・・・・でも、心理療法からインターネットの制御まで同じ枠組みで見ることができるって凄い構想だなぁ・・・
 
 独り言


ウィリアム・ロス・アシュビーのサイト

 グレゴリー・ベイトソンの末娘ノラ・ベイトソンの映画 An Ecology of Mind」の中で生前のベイトソンがこうしゃべり始める場面があります。


The major problems in the world are the result of the difference between how nature works and the way people think.

世の中の主たる問題は、自然の摂理と人の思考の差異によって生じる結果である。

 
 このコトバの通り、世の中の多くの問題は、物理的な世界での現象と、人間の内的世界の認識の齟齬から発生していることが示唆されています。ちなみに、ベイトソンはこの齟齬の解決のために非常にエコロジカルな方法、日本で言ったら「山川草木悉皆成仏」で表現できる仏教的な認識論を目指したものと思われるわけですが・・・・・

 それで、こういった問題に取り組むために物理的な現象と人の認知の相互作用を明らかにし、様々な問題の解決を目指す目的で創設された学問のひとつがサイバネティクスというわけです。

米国サイバネティックス協会 (The American Society of Cybernetics)が提供しているサイバネティクスの歴史年表を参照すると、この学問の発展の様子を伺い知ることができます。[1]
 
 1946年から1953年の間にわたって開催された有名なメーシー会議に先立って、1942年に開催された会議では心理療法家のミルトン・エリクソンと英国の建築家ハワード・リディルの両者が講演者として招かれたことが書かれており、特定の分野にとらわれずに学際的な研究を志向していたことを伺い知ることができるわけです。

 もちろん、現在でもサイバネティクスは、列車の運行システムや航空管制システムのような制御系のシステム、ミサイルやロケットなどの制御システムから始まって、インターネットのプロトコルの制御と防御、はたまた家族療法や短期療法のような心理療法まで応用されている底の知れない何かに発展しているところがあるわけです。

 それで、サイバネティクスの影響を与えているシステム思考家[2]という頁があって個人的には第二次サイバネティックスに多大な影響を与えている丸山孫朗博士がのっていないところが少し不満ではあるのですが、ノーバート・ウィナーからフランシスコ・ヴァレラ、ポール・ウォツラィックあたりまでをカバーしていて、これはこれでよくまとまっているように思ってきます。

 この中のトップにリストされているのが、英国人のサイバネティクス研究者であるウィリアム・ロス・アシュビーということになっています。アシュビーといえば、「最小多様度の法則」や「自己組織化の原理」というところでサイバネティクスに多大な貢献をしているように思ってきますが、ネットとは便利なものでアシュビーの公式サイトが立ち上がっていて、代表作の「Design for a Brain」などが読めるようになっているので早速パラパラ読んでいたところだったわけです。



(つづく)

文献
[3]http://www.rossashby.info/index.html

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