2013年8月31日土曜日

プロジェクト・マネジメントとサイバネティクス



プロジェクト・マネジメントについて、

物理的な世界で実現される製品やサービスについて品質管理をするような場合はやはりサイバネティックス的にネガティブ・フィードバックでミクロな視点からコントロールを入れれば済むように思います。

しかし、メンタル・モデルに起因する認識や振る舞いについて扱おうとするとポジティブ・フィードバックをベースにもう少しマクロな視点から自主性を尊重しつつも目的合理性を持った全体最適を志向したマネジメントをしなければいけないように思ってくるわけですねぇ。

 まぁ、前者がいわゆる「管理」で後者が「経営」というイメージなのでしょうけれどねぇ・・・・・・

 独り言


経営と管理、マネジメントとコントロール

 知り合いのMさんがマネジメントとコントロールの違いについて語っている日経BPのサイトのこの記事を読んでいてなるほど思ったのですが、[1]これに関して英語の「マネジメント(Management)」を日本語の「管理」と訳すと個人的にはかなりの違和感があります。

 もう少し具体的な話をすると、プロジェクト・マネジメントをサイバネティクスの枠組みで考えた「CONTROL OF PROJECTS - A CYBERNETIC CONTROL[2]というタイトルのエッセーを読むとこのなんとなく確信が持てることになります。

結論から言うと、「マネジメント」は日本語の「経営」に近い概念であり、「コントロール(Control)」が「管理」ということなのだろうなと思うわけです。
 
 このエッセーでは、プロジェクトの一番小さいプロセスの単位である、「計画―モニタリングーコントロール」のサイクルに対して、プロジェクトのQCDの3つを指標としてコントロールを入れていくにはどのようにしたら良いのか?について少しミクロの視点から書かれています。(訳は適当)


A cybernetic control system that acts to reduce deviations from standard is called a negative feedback loop. If the system output moves away from the standard in one direction, the control mechanism acts to move it in the opposite direction.

サイバネティックなコントロール・システムは、基準値からの偏差を減らすために動作する、これをネガティブ・フィードバック・ループと呼ぶ。もし、システムのアウトプットがある方向においての基準値から遠ざかるようであれば、コントロールの機構が反対の方向に動作する。


これに関して以下のリンクで心理療法のソリューション・フォーカスト・アプローチの視点から少し書いたわけですが、この枠組の背景にあるのはサイバネティックスなので、根本的な理屈は同じというわけです。


それで、コントロールというのは、行動から生じる結果を事実ベースで定量的に把握し、この情報をもとに元々の標準的な値からできるだけ偏らないように、現状の枠組みの下で、サイバネティックスの用語でいうとネガティブ・フィードバックを使って行動の調整を行い標準に近づけていくことがコントロールというわけです。

 もちろん、こういうやり方は製品やサービスの製造という段階では有効に機能すると思われますが、プロジェクト・マネジメントにおける想定外(想定された枠組みの外にある)の突発的な事態に対処するような場合については上手く行かないようにも思ってくるわけです。

 それで、「Cybernetic Approach to Project Management: Where Sense Making Intelligence is needed[3]を読んでいたわけですがこれが中々面白いことが書かれています。(訳は適当)


The original cybernetics of Norbert Wiener concerns self-regulation and equilibrium stabilisation around specified goal mainly through negative
feedback.

 This is an attractive preposition for project management. Yet complexity
and chaos of projects are better reflected by non-linear systems, which in turn
are better manageable in adaptive and self-organised distributed systems with
positive feedback.
Paper presents the mental model of project management based on cybernetic system approach with several asynchronously running decentralised subsystems
based on specific component-goal oriented processes.

ノーバート・ウィナーのオリジナルのサイバネティックスは特定のゴールを取り巻く自己規定と平衡的な安定を関心事とし、このほとんどはネガティブ・フィードバックを通して行われる。これはプロジェクト・マネジメントにおいて魅力的な前提である。

しかし、プロエジェクトの複雑系とカオス的な特徴は非線形システムとしてより特徴付けられる、これは逆説的にポジティブ・フィードバックによる自己組織化された分散システムとしてよりよくマネジメントされる。

この論文はプロジェクト・マネジメントにおけるメンタル・モデルについて説明している、このモデルは特定のコンポーネント(ゴール志向プロセス)に基づく分散化されたサブシステムが非同期で動作しているサイバネティックス・システムを基本にしている。



もちろん、経営ということになると、経営者はビジョンを語り、人の認識に訴えかける必要があると思ってくるわけですが、ここでネガティブ・フィードバックのモードで「決められたルールを守ろう」と言っているだけでは組織は動かないし、顧客も感動しないし、従業員のやる気も自主性も出てこないし・・・・・・ということになってくるのでしょう。

 もちろん、このネガティブ・フィードバックとポジティブ・フィードバックを良い按配で使うということが今後のテーマとなってくるように思ってくるわけですが・・・・・ 

(つづく)

文献
[3]http://www.lent.ch/Downloads/Cybernetic%20Approach%20to%20Project%20Management.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com


0 件のコメント:

コメントを投稿