2013年9月11日水曜日

変化への抵抗を消滅させるには?



 一般的にシステムにはそのシステムを維持し続けようとする恒常性が働くため、何かそのシステムに変化を与えようとすると抵抗を示してくるものです。

 つまり、コンサルティングの対象となる人や組織をシステムと考え、そのシステムに何らか変化するように指示を与えたりすると、基本抵抗を示すというのが基本的なシステム理論の考え方となるわけです。

 では、この抵抗をどのように取り除くのか?それはクライアントとコンサルタントを含むもっと大きなシステムを考えなければいけないというのがここでのテーマとなってくるわけです。

 もっとも、このあたりのテーマとなると、ビジネス上のコンサルティングと、家族療法とか短期療法のところがオーバーラップするのでどうしても短期療法などの知見をコンサルティングに持ち込みたくなるところなのですけれどねぇ(笑)。
  
 独り言


抵抗は死んだ

人や組織が変化に対して抵抗を示す、具体的にはどんなところで?という話は TOC(Theory of Constraints)のフレームワークを引用して以下で書いたところです。


 それで、あらゆる物事をシステムとして考えるという意味では共通点があると思うわけですが、心理療法家のミルトン・エリクソンから派生した一流派であるソリューション・フォーカスト・アプローチ、通称ミルウォーキー派を始めたスティーブ・ド・シェザーの非常に有名な「The Death of Resilience [1]という論文を読んでいたわけですが、これが中々よく出来ているように思います。

 エリクソンは独特の技法でクライアントの認識や行動の変化を支援したことで知られている心理療法家です。しかし、エリクソンは自分の技法を形式知として残しておらず、基本は、クライアントとの膨大な対話録や録音されたテープが残っているだけということになっているわけです。

 もちろん、カリフォルニア州パロアルトのMRIで研究を続けていた人類学者のグレゴリー・ベイトソンらのグループは、エリクソンの技法に対してサイバネティクスのフレームワークを当てて色々な形式知を取り出し、これが現在の短期療法の元になっているというところでもあるわけです。


 それで、ミルトン・エリクソンの技法の本質のひとつは、クライアントの認識や行動の変化を支援するために、クライアントの抵抗や偶発的な出来事などを含め、ありとあらゆる資源・資質を使いこなすというユーティライゼーションという考え方でもあるわけですが、


 シェザーは、クライアントもシステムなら、セラピストもシステムであり、この2つが協調することで抵抗をなくすことが可能、ということをシステム論(ベルタランフィの一般システム論~丸山孫朗の第二次サイバネティクスあたりを使って)の視点から書いていることになるわけです。

 そう考えているエリクソンがどのようにクライアントの抵抗を抑えていたのか?がシステム論の観点からモデル化されていることになるわけですが、これが結構格好が良いわけですねぇ・・・・・


それと余談ですが、最初の頁の注釈にある


It is important to remember throughout this essay that "positive" and "negative feedback loops," "deviation-amplifying," "deviation-encountering processed," etc,. are just heuristic devices or metaphors. Human systems are described by an observer "as if".



と書かれているのがミソですかね。(笑) つまり、人間にサイバネティクス的なポジティブ・フィードバック、ネガティブ・フィードバックって言う概念を適用しているのだけれど、ポジティブ・フィードバックは違いを強調する、ネガティブ・フィードバックは違いをなくす方向で何かをするくらいの意味しかなくてメタファーですよ・・・あんまり厳密に考えないでね、といっているわけですねぇ。
 
(つづく)

文献
[1]http://www.columbiauniversity.org/itc/hs/nursing/m4050/baker/8571Su03/Shazer.pdf

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