2013年9月12日木曜日

ブリーフセラピーとシステム理論



 心理療法家のミルトン・エリクソンを源流に持つブリーフセラピーが結構発展しているように見えるのは、MRIベイトソン・グループの人たちがエリクソンのアートとしての暗黙知にシステム理論をあてて科学としての形式知として取り出したことが大きく貢献しているように思うわけです。

 もちろん、エリクソニアンを名乗るのだったら、エリクソンのアートとしての暗黙知を暗黙知として学習しなければいけないのだと思うわけですが、その時にもベイトソンたちが取り出した科学としての形式知を学ぶことを同時に行うことで、学習が大きく外れていなことを確認することには役に立つのだと思うわけです。

 もっとも最終的にはアートと科学と両方が融合した絶妙な感じのところを目指すことになるのでしょうけれども・・・・・(笑)。

  
 独り言


問題解決における抽象化と具体化

Youtubeなどにたまに心理療法家のミルトン・エリクソンがクライアントと心理療法のセッションを行っている場面が登場するわけですが、恐らく普通の人がこういった映像を視聴すると「わけの分からない英語を喋っている人」というような評価になると思います。

もちろん、エリクソン財団の公認テキストのようなものを読むと、「曖昧なことを精緻に話す必要がある」といったことが書かれていて、曖昧な言語パターンの裏には緻密に計算されたロジックがあることが分かってきます。

もちろん、こういった小手先の言語パターンもさることながら、もっと大きな枠組としてシステム理論で取り出したのがエリクソンの問題解決のパターンみたいなところになってくるわけです。

それで、具体的には、カリフォルニア州パロアルトにあるMRIで研究を行っていたグレゴリー・ベイトソンのグループが、エリクソンの技法を観察して形式知化する時使ったのがサイバネティクスであり、こういったシステム理論を当てることでエリクソンの技法の一部が形式知化された形式で再利用したり教えたりすることが容易になったということがあるのだと思います。

それで、TRIZなどの創造的問題解決手法では、個別の課題を抽象化してモデルをつくり、その抽象的なモデルに対する解決策を考慮し、そしてそのモデルを具体的な解決策として個別の課題に適用することが教えられていますが、ブリーフセラピーでもこれと同じ理屈でエリクソンの技法をシステム理論でモデル化することにより、より使い勝手がよくなったということになるでしょう。



それで、ミルトン・エリクソンの暗黙知的な技法にシステム理論を当てて形式知化する過程について説明された「Systems Theory[1]というのを興味深く読んでいたわけです。

ここでは、一般化された問題のモデルとして、

·        システムの恒常性(ホメオスタシス)に対するポジティブ/ネガティブ・フィードバック
·        システムの構造(ここではオートポイエシスは想定されていないようですが・・・)
·        システムで起こっている悪循環

  また、一般化された解決のモデルとして

·        家族療法的な各技法
·        リフレーミング
·        円環的質問


といったことが示されています。

もちろん、もっとも具体的な話をすると、リフレーミングについては、「Seeing Things in a New Light[2]、円環的質問については「THE EVOLUTION OF CIRCULAR QUESTIONS:TRAINING FAMILY THERAPISTS[3]あたりのドキュメントを読んで実際の問題に対してあれこれ試行錯誤してみることになるわけです。

それで、自分は単なるインチキなコンサルタントなのに、そもそも論として何でこういったブリーフセラピーの技法に着目しているのか?それは、問題解決というのはロジカルにやればできるというものではなく、必ず人や組織の抵抗というものを伴っているわけです。

で、昨日も書いたわけですが、こういう技法の中には、人や組織の認識や行動の視点から、こういった抵抗を抑えたり、あるいは抵抗を逆に利用したりするということが組み込まれているため、案外使い勝手が良いということなのですよねぇ。


(つづく)

文献
[3]http://www.aamft.org/members/familytherapyresources/articles/86_JMFT_2_113_128.pdf

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