2013年9月24日火曜日

短期家族療法におけるシステム論的4つの介入



短期家族療法って簡単に言うと、ソリューション・フォーカスト・アプローチを家族療法に応用したものなのですが、構造主義的な家族療法のようにセラピストが家族全員の関係性を明確にしてセラピストがその関係性に介入するのではなくて、各クライアントが自分でリソースを見つけられるコツだけ教えて返してあげるような格好になっているのが面倒臭くて良いのですよねぇ。

でも、これって結局、心理療法のミルトン・エリクソンが使っていた偶然に起きた出来事を認識や行動を変化させるために取り込み、それを広げる・・・・というユーティライゼーションをシステム論やサイバネティクス的にポジティブ・フィードバックというカタチで形式知化したような格好になって・・・システム論的には(オートポイエシスとしての)クライアント・システムと(オートポイエシスとしての)セラピストが構造的カップリングをして「セラピー・システム」みたいなものをつくりだして、ここで出来た善循環的な見方をクライアントの抱えている状況に持ち帰ってもらうようになっているのが格好が良いところなのですよねぇ・・・・・・

さらに、クライアントがシステム論的に小難しい概念を考えなくても自然に使えるように工夫されているところが良いですねぇ・・・・・・・なので、日常生活や仕事の場面のマネジメントにも簡単に応用できるので、おいらみたいなインチキ・コンサルタントには嬉しいですねぇ・・・・・・(笑)

 独り言


短期家族療法のシステム論的4つの介入

 時期的には1984年とちょっと古いのですが「FOUR USEFUL INTERVENTIONS IN BRIEF FAMILY THERAPY[1]というタイトル、ソリューション・フォーカスト・アプローチの創始者であるスティーブ・ド・シェザーらが書いた論文を読んでいたわけですが、個人的には非常に興味深く読んでいたわけです。

 この論文は、ソリューション・フォーカスト・アプローチを家族療法への応用が書かれているわけですが、ここで面白いと思ったのは次のことになります。

 通常、家族療法と言うと、家族を構成するメンバー間の動力学を調べてその関係性に介入するという方法が思い浮かびます。もちろん、これはイメージ的には、家族をひとつのシステムと考え、サザエさんでカツオが不良になりつつある時、カツオをIP(Identified Patient)とし、実はカツオが不良になろうとしているのも、家族全体が崩壊するのを防ぐためにたまたま症状がカツオに出ているというような考え方をするわけです。それで、色々調べた結果、実際の介入は、カツオ本人ではなく、波平さんとフネさんの関係に介入する・・・みたいな格好になったりするわけですが、この場合、円環的質問を使ったり、マジック・ミラー越しによく観察したりして家族の動力学を丹念に調べるような格好になってくるために結構面倒臭くなってくるようにも思ってきます。

 それで、シェザーらの場合は、もう少し簡単に介入するためにそれぞれのクライアントの認識に良い方向に変化する示唆を行うというような格好になっているわけです。

 で、最初に3つの前提をおくことになります。(翻訳は適当)


1. Change is not only possible, but it is inevitable.

2. Only minimal changes are needed to initiate solving the problems clients bring
to therapy, and that once change is initiated (the therapists task), further changes will be generated by the client-system (the ripple effect [Spiegel & Linn, 19691).

3. A change in one element of a system, or in one of the relationships between
elements, will affect the other elements and relationships, which are the system.

1.     変化は可能であるばかりか、避けることはできない。
2.     クライアントがセラピーに持ち込んだ問題の解決を開始するために、最小限の変化が必要とされる、そして一旦変化が起こり始めると(これがセラピストの仕事)、それ以降の変化はクライアント・システムそれ自身によって生成される。
3.     システムのひとつの要素の変化、もしくは要素間のひとつの関係性における変化は、他の要素や関係性に影響を及ぼすことになる、つまりこれがシステムである。


 それで具体的な介入は以下の4つということになってきます。

1.     (例外を探す)今から次回のセッションまでに起きた、自分に都合の良い変化を観察して報告してもらう。
2.     何か違うことを行う Do something different ようにしてもらう(もちろん、違うことを行ったことで起こった自分に都合のよい変化に気づく必要はある・・・・)
3.     (コーピング)一次的な衝動を乗り切った時に何をしたのか?してきたのか?に焦点をあててもらう。
4.     リフレーミング(現在、クライアントが課題にスタックするように取っている行動が最も難しい反応であり、クライアントはもっと易しい反応をすることで変化できる・・・とリフレーミングしてみる)。

といった感じになってきます。もっとも、このあたりは1)ミラクル、2)エクセプション 3)コーピング 4)スケーリングといった4つの質問につながってくるようにも思うわけですが、そこに至るまでにシェザーらがシステム論的に何を考えていたのか?を知る上では非常に興味深い論文のように思えてくるわけですねぇ。

(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/09/blog-post_11.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/07/ip.html

(つづく)

文献
[1]http://www.arnecollen.com/wp-content/uploads/2012/07/Seven-Activities_AC_GM_99.pdf

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