2013年9月26日木曜日

システム思考をするとはどういうことなのか?



 「ロジカル・シンキング」や「クリティカル・シンキング」はTPOを間違うと結構、野暮ったい感じになってしまうことがあるわけですが、「システム思考」というのは上手く使うと定量的なところと定性的なところ、つまり科学とアートが融合した粋な感じの思考になるのですよねぇ。

 もっとも、「システム思考」という言葉自体が野暮ったいので、もう少し別の言葉に変えたほうが良いのかもしれませんけれど・・・・・(笑)

 独り言


システム思考をするとはどういうことなのか?

  人類学者グレゴリー・ベイトソンのディープなエコロジー思想を発展させているフリッチョフ・カプラ博士の「タオ自然学」、「The Web of Life」(メタファーとして地球はオートポイエシスだぁ・・・みたいな本)は愛読書なのですが、米国ワシントン州の環境局のサーバにのっかっている「 Systems Game Workshop[1]というタイトルのドキュメントの中でカプラ博士が説明している「Criteria of Systems Thinking」(システム思考のクライテリア)という説明が非常に分かりやすかったので説明しておきましょう。

 簡単に言うと「システム思考をするとはどういうことなのか?」「いったい何に焦点を当てればシステム思考なのか?」に対する答えになるわけです。もちろん、カプラの場合は、自然の一部の観察者としてのまなざしがそこにあり、タダ観察をしているだけのシステム思考、つまり恣意的な目的というものをフレームとして持っていないので、「良い」「悪い」の判断もなく単に目の前をフラクタルなパターンが流れていっているというような感じになっています。

 部分から全体へ

 エコロジーの原則(人類学者グレゴリー・ベイトソンの言うエコロジーの定義と同等と考えられる)を理解するには、システミックに思考する必要がある。生態系は全体の綜合であり、全体の属性は部分に分解することは出来ない。つまり、「システミック」な属性とは全体の属性であり、その部分に分解可能な属性ではない。従ってシステム思考を行うということは、部分から全体にシフトして思考することを暗黙的に含んでいる。

 モノから関係性へ

 エコロジーは、そのコミュニティのすべてのメンバーを結ぶ関係性を取り扱う。エコロジーの研究は非常に本質的であり、関係性の研究であり、システム理論の真理である。システムの視点において、モノそれ自体は、大きなネットワークに埋め込まれた、関係性のネットワークである。全体を理解するために、部分間にある関係性を理解しなければならない。したがって、部分から全体への思考の転換は、モノから関係性の転換でもある。


 モノに対する知識からコンテクストに対する知識へ

 部分から全体への焦点の転換は、分析思考からコンテクスト思考への転換を含んでいる。つまりモノに対する知識からコンテクストに対する知識への転換である。部分の属性は本来の属性ではなく、大きな全体というコンテクストの中でだけ理解できるものである。システム思考は「コンテクスト」思考であり、コンテクストの視点から説明することはその環境の視点から説明することを意味しており、したがって、すべてのシステム思考は環境に対する思考となる。

 コンテンツからパターンへ

 関係性の研究では、生命システムにおいて同じ種類の関係性が繰り返し現れることは明らかである。関係性の構成が繰り返し現れる。これがパターンである。したがって、システム思考は、パターンの視点から考えることを意味している。生命システムがどのようなコンテンツからできているかではなくどのようなパターンなのかについて問うことに焦点が当てられる。
 
 量から質へ

 パターン、あるいはカタチに関する研究は、質についての研究であり、マッピングと可視化が求められる。パターンやカタチは、計測したり重み付けしたり出来ない。これは可視化しなければならない。パターンの視点で考えることは量から質への転換を含んでいる。パターンについての研究の重要な観点は、パターンの研究がいつも最前線にあったわけで、アーティストが科学の発展に著しく貢献してきた理由である

 ヒエラルキーからネットワークへ

最も一般的、かつ重要な生命システムのパターンはネットワークである。ネットワークの観点から考えることは生命システム理論の別の特徴でもある。社会的組織では、このことはヒエラルキーからネットワークへの転換として表現される。


 構造からプロセスへ

 生命の現れはカタチ以上のもの、つまり、生命全体を構成する静的要素以上のものである。生命体を通して、物質の連続的な流れが存在し、その間、生命体のカタチが維持されている。生命には発達があり、進化がある。生命の構造が分かると、これが代謝と発達のプロセスに複雑に結びついていることが分かる。システム思考はカタチの構造が強調されているところからプロセスへ焦点を切り替えることが含まれる。




(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/03/blog-post_31.html

(つづく)

文献
[1] http://www.ecy.wa.gov/puget_sound/docs/sts2012c_lynam_presentation.pdf

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