2013年10月16日水曜日

システム思考の練度を図る30の質問(その2)



  外的な出来事に脊髄反射で反応しているのと、武道の達人のように体の中にタメをつくって(言ってみれば身体化されたメタ認知のモードで)都度学習しながら反応しているのとでは、大きな違いがありますねぇ。

その意味では真のシステム思考家になるというのと武道の達人になるというのは同じようなことなのかもしれませんけれどねぇ・・・・・

 独り言


システム思考をするとはどういうことなのか?30のチェック・ポイント

  クリーブランドの名門、ケース・ウェスタン・リザーブ大のサイトに「Systems Thinking Scale[1]というドキュメントがあったわけですが、この30の質問を参考に「(職場で)システム思考をするとはどういうことか?」というのを独断と偏見も交えちょいとつくってみたら以下のような感じになったわけです。

1.     結果の出る適切な行動をする:「努力」と「結果」は因果関係で結びつかない、「結果」の原因のひとつは(状況とも相俟った)実際の「行動」であって、断じて「努力」ではない。

2.     己を知り、相手を知る:自分の視点だけではなく相手の視点に立つ。すべての利害関係者の視点から状況を考えてみる。

3.     時間と距離を広げる:人は、「距離が近い」、あるいは「起こった時間が近い」出来事に因果関係や相関関係を見出すものである、しかし現実は、「物理的に距離が離れている」、あるいは「時間的に離れている」出来事にも因果関係、相関関係が存在していることが多いため、よりマクロの視点から因果関係、相関関係を考えてみる必要がある。

4.     出来事の関係性を探る:出来事そのものより出来事がどのように連鎖したのかのプロセスのほうがより重要である場合が多い。その出来事がどのようなプロセスで起こったのかを考えてみる。

5.     三人寄れば文殊の知恵:解決を意識してチームを組む、でも機能だけを考えない。1+1が2以上にならなければチームを組む必要はない。

6.     大きなパターンを探す:一見ランダムだと思われるものの中に(メタ)パターンを探す。パターンが見つからなければ視点の抽象度を引き上げよ。問題が起こるパターンが見つけられれば、それを解決するパターンもある。

7.     変化の仕組みをつくる:個人のモチベーションや努力だけに頼らないで変化しつづける仕組みをつくる。継続して変化し続けるためには変化を起こし、それを継続するための仕組みが必要になる。

8.     繰り返されるパターンを探す:一回限り起こる特別なパターンではなく繰り返されるパターンに注目する。問題の規則性とタイミングが見つかれば解決の規則性とタイミングも見つかる。

9.     要素の連鎖を見る:目の前にある問題は一連の要因が連鎖して起こっていると考える。

10.  因果のループを探す:その状況での因果関係に着目する、ただし、因果関係は円環的で直線的ではない可能性が高い。

11.  チームの関係性に着目する:チームの機能よりその関係性や相互作用に注意を払う、チームは相互作用から学習し進化し続ける。

12.  変化は既に起こっている:システムやその状況は常に変わり続けている、システムの時系列的な変化を捉える。

13.  共通の利益を考える:特定の個人の利益のためではなく、お互いの環境がよくなる提案考え、実行する。

14.  アイディアを進化させる:最初に出てきたアイディアがベストであるとは考えない、アイディアは進化し続ける。

15.  変化は細部に波及する:提案された変化はシステム全体に影響を及ぼす可能性があることに留意する。像の一歩で蟻が潰れることもある。(もちろん反対に細部から全体に創発的に波及する変化もある・・・)

16.  システムの変化とは人の認識と行動の変化である:主な成功要因は、担当者自身が変化することである。

17.  直観で大きなシステムを見る:出来事や現象に脊髄反射で対応しない、しかし背景にあるより大きなシステムを洞察する直観は重要である。

18.  スーパーマンに依存しない:一人でできる仕事でも、しくみをつくってチームで実行する場合のことを考えてみる。特定の人の能力に依存する属人的なプロセスをつくらない。

19.  大きな志と小さな行動の整合性を取る:組織のミッションやゴールを留意して日々のタスクと整合性を取る。

20.  レバレッジ・ポイントを押す:小さな変化が大きな成果を生む可能性について考える(常にレバレッジ・ポイントの存在とその活用方法について意識しておく、ただしレバレッジ・ポイントは戦略思考のもとにはじめて分かってくる、つまり[現状-理想]のギャップをどのように埋めるのか?そのためのレバレッジ・ポイント)。

21.  変化のプロセスは相互作用する:いくつか起こる変化のプロセスも相互作用する、と考える。

22.  ベター・プラクティスを探す:そのシステムで最も上手くいっていること、人に注意を向ける。どのように上手くいっているのかを探る。

23.  利害関係の調整:立場、地位の違う従業員がその改善によりどのように嬉しがるのかを具体的に考えてみる。

24.  タスクのアサインとコミットメント:恒久的な変化のためには個々のコミットメントが不可欠である。

25.  過去の枠組みを超える:過去の経験に囚われない戦略を立て、戦術、オペレーションに落として実行してみる。

26.  過去の延長で考えない:システムの問題が過去の出来事に囚われていないかどうか考えてみる。

27.  システム全体を変化させる:システム全体にわたる変化はきっと起こせると考える。

28.  人類学的な知見を持ち込む:歴史、履歴、文化を考慮することも忘れない。

29.  変化の条件も変化している:同じ施策を実行しても、システムの状態によってその結果が異なることを考える。

30.  不確実性は可能性でもある:リクスを考慮するのと同じように、不確実性とよい意味でのサプライズが伴うことも織り込んでおく、機会を逃さない。

で、本当は、ピーター・センゲの「最強組織の法則(Fifth Discipline)」のように5つくらいのカテゴリーでくくったほうがよいのでしょうけれども、まずは、項目を読んで実行してみるというのが大事なのだろうなぁと思っているわけです。

もっとも、上の例だとシステム思考で最も大事な(クラスーメンバーの関係にある)部分―全体の調整を図って全体最適を目指すというようなところがあると思うわけですが、部分と全体をどう調整するのか?という項目も2、3追加したほうがよいなぁとは思っています。もちろん、ここでシステムには恒常性があるため、変化に対する「抵抗」があるわけですが、これを逆手にとっていかに変化に結びつけるのか?という発想も大事になってくるでしょう。

 それで、余談ですがこの項目に具体例を付けて「システム思考で幸せになる」みたいな自己啓発チック本はすぐに書けそうですけれどねぇ。(笑)

後、個人的には「やる気だけはあるバカ」みたいな人は昔から鬱陶しくてしかたがないのだけれど、ある意味、システム思考とは対極にあるのだなぁ・・・というのが妙に納得出来てくるというのも不思議な感じはしているわけですねぇ。

(つづく)

文献

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