2013年11月4日月曜日

心理療法におけるメタファーの活用



 なぜ、認識や行動を変化させるために心理療法ではメタファーを活用するのか?

これについて考えると認知科学、サイバネティクスや文化人類学を含め色々深い世界に行き着いてきます。


 独り言


心理療法で活用されるメタファーについてのあれこれ

今日は、エリクソニアン(ミルトン・エリクソン派の心理療法家の総称)であるルービン・バッティーノ氏の著作「Metaphoria (メタフォリア) 未邦訳」[1]をご紹介しておきましょう。

 
以下のリンクでも書いていますが、ミルトン・エリクソンはその言語に多くのメタ・メッセージを含ませた間接話法や間接暗示を活用したことで知られています。


 もちろん、この中にメタファーも入ってくるわけですが、クライアントの認識や行動に変化をもたらすために主にエリクソニアンの活用したメタファーを中心に時系列的かつ体系的に書かれているのが「Metaphoria」です。個人的には非常に良い本だと思っています。

 以下に目次を適当に翻訳したものを載せておきたいと思います。



翻訳は適当(未邦訳の文献名もわかりやすくするために翻訳)

第1章 はじめに 
1.1 メタファーの活用に関する簡単な歴史
1.2 メタファーについてのいくつかの定義
1.3 メタファーの効果
1.4 メタファー関連の参考文献の紹介
1.5 メタファーの種類
1.6 学習と探求についてのメタファー

第二章 メタファーのための言葉使い 
2.1 はじめに
2.2 メタファーのデリバリー方法
2.3 メタファーで使われる言葉遣い
2.4 メタファーに含まれる暗示、含み、前提
2.5 否定型
2.6 バインド(ダブル・バインド)
2.7
2.8 言葉を豊かにするメタファー

第3章 メタファーのデリバリー 
3.1 はじめに
3.2 ラポール構築のスキル
3.3 ユーティライゼション・アプローチ
3.4 劇風のアプローチ
3.5 インフォームド・コンセント
3.6 個人的な物語

第4章 メタファーの基本 ー 構造と作り方
4.1 はじめに
4.2 メタファーの4つの要素
4.3 ゴールを方向づけるメタファー
4.4 基本的なメタファーのテーマ
4.5 いくつかの汎用メタファー

第5章 メタファーについていくつかの著作
5.1 はじめに
5.2  バーマンとブラウンの著作
5.3  リー・ウォーラスの物語
5.4  ミルズ&クロウリィーの子供のための治癒的メタファー
5.5 コリドン・ハモンド編 「催眠暗示とメタファーハンドブック」
5.6 まとめ

第6章 メタファー 応用編 
6.1 はじめに
6.2 心理療法のための多重埋め込みメタファー
6.3 ヒーリングのための多重埋め込みメタファー
6.4 ヘンリー T. クローズ「ねばねばしたグリーン・モンスター」
6.5 キャロル&スティーブ・ランクトンの「魔術の物語」

第7章 リチャード R. コップのメタファー療法(クライアントがつくるメタファー)
7.1 はじめに
7.2 メタファー療法とは何か?
7.3 メタファー療法のアウトライン ー 現在のメタファー
7.4 メタファー療法のアウトライン ー 幼少時のメタファー
7.5  メタファー療法とメタファー的現実の構造
7.6  メタファー療法についてのコメント
7.7  メタファー療法の代案
7.8  まとめ

第8章 誘導メタファー 
8.1 はじめに
8.2 誘導メタファーのステップ バイ ステップ
8.3 誘導メタファーのワークブック
8.4 まとめ

第9章 リフレーミングとしてのメタファー 
9.1 はじめに
9.2 第一次変化と第二次変化(ウオツラウィック)
9.3 リフレーミング
9.4 リフレーミングの例

第10章 メタファー的心理療法と催眠療法

第11章 メタファーとしてのアンビギュアス・ファンクション・アサインメント 
11.1 はじめに
11.2 スティーブ・ランクトンのアンビギュアス・ファンクション・アサインメント
11.3 アンビギュアス・ファンクション・アサインメントの例
11.4 ミルトン・エリクソンの6つの事例

第12章 メタファーとしての苦行療法 
12.1 はじめに
12.2 ジェイ・ヘイリーの苦行療法
12.3 苦行の種類
12.4  苦行療法の例

第13章 メタファーとしての As-If 、ミラクル・クエスチョン 
13.1 はじめに
13.2 As-If (タラレバ)
13.3 ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーとミラクル・クエスチョン
13.4 ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピーの事例
13.5 As-If の効果
13.6 プラセボ効果としての As-If

14章 ナラティブ・セラピー 
14.1 はじめに
14.2 ナラティブ・セラピーの要素
14.3 まとめ

15章 心理療法的メタファーの技法 
15.1 はじめに
15.2 描写
15.3 誘導メタファーを使ったアート・セラピー
15.4 まとめ

16章 サイコ・ドラマとメタファー 
16.1 はじめに
16.2 サイコ・ドラマの訓練
16.3 サイコ・ドラマのセッション
16.4 演じるのに遅すぎるということはない
16.5 共感と同調
16.6 まとめ

17章 ヒーリングのための誘導メタファー
17.1 はじめに
17.2 ヒーリングのための誘導メタファーの要素
17.3 汎用の誘導メタファー
17.4 2つの事例
17.5 まとめ

18章 外科手術と別の介入の準備としてのメタファー 
18.1 はじめに
18.2  手術の準備のためのメタファー
18.3  感覚喪失下におけるヒーリングと外科医の手紙
18.4  手術準備のためのテープ
18.5  まとめ

19章 意味と霊性のためのメタファー 
19.1 はじめに
19.2 ヴィクトル・フランクル教授
19.3 ダグラス・モーソン医師
12.4 意味についての意味

20章 儀式とセレモニー 
20.1 はじめに
20.2 ナヴァホ族の円座
20.3 レイチェル・ナオミ・リーマンの知恵
20.4 その他の儀礼
20.5 メタファーとつながる

21章 まとめ 
21.1 特定目的と特定の人のためのメタファー
22.2 物語

参考文献
索引


 それで、メタファーも、1)セラピスト側が作成する 2)クライアントが作成する、のように2パターンあるわけですが、心理療法家のミルトン・エリクソンのようにセラピストがメタファーを作成する場合、セラピストにはある意味作家としての能力が要求されることが分かってきます。

 エリクソンの場合はメタファーを通してクライアントのメンタル・モデルを拡張するようにクライアントの認知のプロセスを認識した上でメタタファーを作成してデリバーするようなところがあるわけです。

 実際、本書で扱っているようなメタファーがきちんと作成できれば、芥川賞や直木賞も夢じゃないような感じもしないではないですが、確かに、演説の現行とつくったり、ビジネスのプレゼンテーション用のメタファーを作成したり、と色々なところに活用できることが分かってくるわけです。 

(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_04.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/01/blog-post_12.html

(つづく)

文献
[2] (参考)http://www.europeanfamilytherapy.eu/wp-content/uploads/2012/10/metaphors.pdf (メタファーとサイバネティクス)
[3](参考)https://docs.google.com/viewer?url=http%3A%2F%2Fwww.isi.edu%2F~hobbs%2Fmetafab.ps(メタファーとアブダクション)


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