2013年11月5日火曜日

戦略的マネジメントにおけるメタファー



  認知言語学者であるレイコフ&ジョンソンの著作「Metaphors We Live by」とか「Women , Fire and Dangerous things (女と火と危険な情事、というタイトルの真面目な認知言語学の本で、タイトル自体がメタファーになっているー笑)」とか 彼らのフレーム理論を引くまでもなく・・・・・

  ある人が意識せずに使っているメタファーに耳を澄ませると、その人がある出来事をどのような前提、あるいは世界観で知覚し認識しているのか?ということが分かってくるわけです。例えば、「xx is like war.」のように「営業とは戦いなのだよ!」とか「恋とは戦いなのだよ!」 のメタファーを使っているとすると、なんでも勝ち負けの単純な二元論で考えてしまっている傾向があるのが分かるという具合です(笑)。

  それで、同じ物事を見たり考えたりするにしても、このメタファーを変えることが出来たとすると、見たり、聞いたり、感じたりした出来事が別の世界観の枠組みで整理されることになるわけなので、ある意味、こういったメタファーを変えてみたら面白いのじゃぁないですかねぇ?というのが今日のお話だということになってきます。

 独り言


戦略的マネジメントを「道」と捉えるか「川」と捉えるか?

 「THE RIVER METAPHOR OF STRATEGIC MANAGEMENT[1]とタイトルの付けられたビジネス上の戦略マネジメントを表現するためのメタファーについて書かれたエッセーを読んでいたわけですが、これが面白いなぁと思ったのでこれについて少し書いておきましょう。

 メタファーは、無意識に自分の世界観を反映した形式でそれを使っていたりすることが多いわけですが、こうやって改めてこのようなエッセーを読むとそのことを再認識させられることになります。

 非常に簡単に言うと、自分が社長にでもなったつもりで会社の戦略を立てる時に、「道を進んでいく」と喩えるか?あるいは「川が流れる」と喩えるのか?で随分前提とする世界観が違うのではないですか?という話になってくるわけです。

 それで、このエッセーの著者は色々な意味で「川の流れ」と喩えるのが良いのではないか?と考えているわけですが、その理由を簡単にまとめておくと以下のようになってくるわけです。

(翻訳は適当)
 

道のメタファー
川のメタファー
意思決定
過去の意思決定と依存関係
ふりだしに戻ることが可能
過去の意思決定と依存関係
後戻りすることは不可能
時間とタイミング
立ち止まることが可能
立ち止まることは不可
意思決定には時間の制約がつきまとう
時間の段階とサイクルがある
共進化
環境が戦略を決定する
戦略は環境を通して実行される
環境が戦略を治める
戦略が環境をかたちづける
戦略、環境は共進化のプロセス
モーメンタム
道の上にある組織の量とスピードにより決定される
水の量と速度が戦略的な勢いである
意思決定の性質
戦略の道筋は発散と分散、集合と離散
複雑性と不確定性
人と組織の相互作用

 それで、この人が言いたいのは、「道」のメタファーが二元論な従来な世界、「川」のメタファーが複雑系で良い意味でも悪い意味でも不確定性に満ち溢れた世界・・・と言いたいのだなぁ・・・ということが分かってくるわけです。

 もっとも、それぞれの人が同じメタファーに対して同じ世界観を共有しているのか?というと怪しいところもあるのでしょうけれども、少なくとも、物事を捉える場合に異なるメタファーとして表現するということは異なる枠組みで現実を見るということにはつながってくるように思うわけです。 

(つづく)

文献
[1]http://eprints.herce.fi/36/1/the_river_metaphor_of_strategic_management_2003.pdf

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