2013年11月21日木曜日

ミルトン・エリクソン: 脳神経科学版 Complete Works



 日本だと 自己啓発+脳科学 = トンデモ

みたいな方程式が定着してしまった感があるけれど、そうじゃない世界もありますよねぇ(笑)


ひとり言


脳神経科学版 Complete Works

 今日は、手短に。

エリクソニアン(心理療法家のミルトン・エリクソンの流れを組む心理療法家の総称)であるアーネスト・ロッシ博士、妻のキャサリン・ロッシ博士、エリクソンの3女のロキサンヌ・エリクソン博士の三人の著作になる「The Neuroscience Edition The Complete Works of Milton H. Erickson, M.D. On Therapeutic Hypnosis Psychotherapy and Rehabilitation 」[1]中々面白いように思います。で、余談ですが、本当にこの人たちはライフワークとしてエリクソンの背中を追いかけていますねぇ。ロキサンヌなんてとにかくお父さん大好きって感じですからねぇ。

それで、心理療法家のミルトン・エリクソンは技法を暗黙知としか残していないところがあります。つまり、クライアントとセッションした膨大な記録や録音テープが残ってはいるわけですが、フレームワークや理論をまったく残していないという構図がここにあるわけです、従って、後の弟子たちが、色々な学問的フレームワークを当てて、エリクソンの技法を形式知として取り出している、あるいは取り出そうとしている構図がここにあることになります。

 それで、ロッシ親子、ロキサンヌの3人が脳神経科学でエリクソンの技法を説明しようと試みているのが2006年に発売されたこの著作ということになってくるわけです。

 もちろん、ここには面白い構図があって、例えば、これは合氣道を物理学で説明するようなところがあります。つまり、相手の力を使って非常に不思議な感じで投げ飛ばしているように見えても物理学の法則を超えた技を使うことは出来ない、というように、エリクソンの心理療法の技法が不思議なものに見えても、結局は、脳神経科学の範疇を超えることはできないというような感じになっているわけです。

 もちろん、ミルトン・エリクソンの技法はともするとオカルト的(エリクソンは超能力!?を使っているとか、エリクソンは前世療法を使っているー笑)なものと結びつきやすい性質をもっているわけです。 それで、少なくとも、エリクソンがやっていることは脳神経科学で説明できる神経学的な現象である、とこういったものに対して歯止めをかけるという意味ではこういった著作は非常に大きな意味があるように思えてくるところもあるわけです。

 もちろん、物理学を一生懸命勉強しても合氣道が上手くならないように、脳神経科学を一生懸命勉強しても、単に技法の説明が出来るだけで、技法の練習なしには心理療法が上手くなることはないというのも当然のことではあるわけですが・・・・・・
 
(つづく)

文献
[1] http://www.grupocem.edu.mx/cem/COLLECTED%20PAPERS%20MHE%20VOL%201/Volume%204.pdf


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