2013年12月2日月曜日

禅とシステミック・セラピー



 ブリーフ・セラピー系の人、例えば、ベイトソンとかウォツラウィックとかヘイリーだけれども、禅とブリーフ・セラピーの共通性と違いを意識しているところがありますねぇ。

で、ブリーフ・セラピーと禅の共通点をひとつあげるとすれば、構成主義的に、自己になりゆく(Becoming)プロセスに着目するという点でしょうかねぇ。もっとも、これをオートポイエーシスで記述したどうなるのだろう?(笑)

ひとり言


禅とシステミック・セラピー

 シリコンバレーの中核都市のひとつに、ヒューレット・パッカードやフェースブックの本社がおかれているカリフォルニア州パロアルトがあります。ここに心理療法研究機関であるMRI(Mental Research Institute)があります。[1]

ここで短期療法を研究していた研究員にポール・ウォツラウィック博士がいます。さらに彼の弟子に、現在はイタリアのミラノを中心にMRIの短期療法を継承、発展させ、短期・戦略・システミック療法という名前のブリーフ・セラピーを展開中のジョルジュオ・ナルドネがいます。それでナルドネらがやっているサイトをちょっと色々覗いてみたところだったわけです。[2]

 この中に「Zen and systemic therapy: Similarities, distinctions,
possible contributions of Zen theory and Zen practice to systemic therapy 」[3]というタイトルのエッセーを読んでみたわけですが、かなりよく出来ているように思ったわけです。

 ここでは、禅とはなにか?についての説明と、禅がシステミック・セラピーの拡張に寄与する可能性について書かれていることになります。一般的にセラピーなどというとどうしても理論的なところに焦点が当たり、頭でっかちな傾向になりがちなわけですが、こういったエッセーを読むと、理論に加えて、セラピストが禅の修行をすることで純粋な経験と行為による実践に焦点を当てる重要性が分かってきてかなりセラピー自体が豊かになる(だろう)と指摘されているところは非常に興味深い点でもあるわけです。

 それで、元々禅の知見をブリーフ・セラピーに持ち込んだのはMRIでも研究をしていたグレゴリー・ベイトソンだと思うわけですが、彼は、短期療法をサイバネティクスのような理論的な手法と禅のような実践的手法で二重記述することでブリーフ・セラピーを発展させてきたようなところがあるように思います。ベイトソンはもともと英国のケンブリッジあたりに生息する無神論者の家系に生まれたわけですが、最期は米国カリフォルニア州のサンフランシスコの禅センターで迎え、ももの本によれば、仏教徒として亡くなったとされる場合がある人でもあります。

 それで、結局、ダブル・バインドのような状況でニッチもサッチも前に進めないときには、今ココの純粋経験に戻るか、あるいは、ダブル・バインドから抜け出す別の公案が必要だということになってくるわけですが、こういったことを通していつも新しい自己になりゆくプロセス、それが禅とブリーフ・セラピーの共通点だとも思ってくるわけです。

 それで、余談ですが今個人的に鈴木大拙著『禅とは何か』を読んでいるところだったわけです。経験の記述というのが中々深い・・・・・

(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/07/blog-post_24.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/07/blog-post.html
 

(つづく)

文献
[3] http://www.bssteuropeanreview.org/articoli%202005/Groeger%20-%20Trenkler.pdf

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