2013年12月20日金曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:エリクソニアン・ダイアモンド(その3)



  ザイク博士のフレームワークであるエリクソニアン・ダイアモンドにあるセラピストが行うべき「ギフト・ラッピング」という考え方は非常に素敵ですねぇ。

ひとり言


エリクソニアン・ダイアモンドの「ギフト・ラッピング」

 昨日の続きを書いておきましょう。



ジェフリー・ザイク博士のつくったエリクソニアン・ダイアモンド(Ericksonian Diamond)というフレームワークの右頂点にあるのが「ギフト・ラッピング」です。[1]



 心理療法家のミルトン・エリクソンの技法は非常に曲解されやすいアプローチでもあります。具体的に言うとエリクソン催眠で「人を動かす」とか「洗脳する」とか言っている人は何も本質を理解していない人だ、と分かるのもこのフレームワークの良いところです。(笑)

 そもそも、エリクソニアン・アプローチはクライアントのゴール、つまりクライアントが思い描くなりたい姿が起点となるわけで、セラピストやコーチがなってもらいたい姿を押し付けてはならない、と教えてくれているのもこのエリクソニアン・ダイアモンドの良いところです。

 それで、クライアントが思い描くゴールを起点に、このゴールを達成するためにセラピストが出来ることを包装紙に包んでクライアントに贈り物をしようというメタファーが「ギフト・ラッピング」ということになるわけです。
 
  つまり、セラピストが自分のやりたいこと、あるいは何らかの思い込みからよかれと思ってクライアントに押し付けているようなことは止めましょうということでもあるわけです。ですから、エリクソンの技法を営業に使ってクライアントが望んでいないものまで売りつけようということ自体、なんだかなぁ~ということも分かってきます。

 それで、「ギフト・ラッピング」の定義は以下のようになっています。[2] 

翻訳は適当

GIFT WRAPPING: After formulating the goal, the therapist must decide How do I want to present the goal? The method for packaging the goal is called gift wrapping. For examples, the goal could be gift wrapped within a story , symbol, or anecdote. It can be presented within an interpretation , a confrontation , a Gestalt dialogue , or systemic desensitization.

ギフト・ラッピング:ゴールがかたちづくられた後、セラピストは「どのように(クライアントに)ゴールをプレゼントしたいのか?」を決めなければならない。ゴールをパッケージに包むことを「ギフト・ラッピング」と呼んでいる。例えば、ゴールは、物語、シンボル、逸話などに包まれた贈り物となりうる。これは、解釈、対比(対立構造)、ゲシュタルト・ダイアローグ、システミックな脱感作の中でプレゼントされる。

Techniques in psychotherapy are merely ways of gift wrapping therapeutic objectives; techniques do not cure.


心理療法における技法は単に療法的目的をギフト・ラッピングする単なる方法でしかない。つまり、技法だけで癒されることはない。


 上の説明の中で、ギフト・ラッピングを対立構造で示す場合がある・・・と書かれていますが、クライアントに現在の認識から出てもらってMRIのウォツラウィックが言う第二次変化を起こすためには、例えば、治療的ダブル・バインドで「ギフト・ラッピング」することが示唆されていると考えて良いでしょう。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_23.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2011/11/blog-post_06.html
 
それで、具体的な技法がザイク博士のスライドにある以下ということになるわけです。
 
1.     直接暗示
2.     催眠
3.     間接暗示
4.     方向付け/行動課題
5.     アンビギュアス・ファンクション・アサインメント
6.     症状の規定
7.     リフレーミング/肯定的な含み
8.     難行苦行
9.     移転
10.ファンタジーのリハーサル
11.未来志向
12.履歴の変更
13.混乱
14.メタファー
15.イメージに変化を与える
16.寓話、逸話
17.パラレル・コミュニケーション
18.ちりばめ法

  ここではトランス誘導だけがその技法ではない、と位置づけられているところも重要な点なのでしょう。もちろん、クライアントを観察しながらどの技法を繰り出していくのか?は柔道や合氣道と同じで相手との駆け引きの中で決まってくるわけで、結局はこれもユーティライゼーションということになるのだと思います。

 おまけとして 関連する Youtubeの映像をリンクしておきましょう。「ギフト・ラッピング」の説明は 22:00 あたりから。




(つづく)

文献
[2]http://books.google.co.jp/books?id=qet_AAAAQBAJ&pg=PA301&lpg=PA301


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