2013年12月7日土曜日

プロジェクトとチェンジ・マネジメント



  プロジェクト・マネジメントで一番苦労するのは、進捗、課題、リスク・・・のような個々の管理よりも、組織や人が変化に抵抗することをどのようにマネジメントし、変化に上手く適応してもらうのか?というところのように思えてきます。

 プロジェクト・マネジメントの推進団体であるPMIから9月出版されたばかりの著作「Managing Change in Organization」を読んでみたわけですが、この中で取り上げられるのが(上位の概念から)ポートフォリオ・マネジメント、プログラム・マネジメント、プロジェクト・マネジメントにおける『チェンジ・マネジメント』だというわけです。

企業組織(あるいはその一部)をシステムとして見ると、システムはそれを維持するために恒常性(ホメオスタシス)というものを持っており、例えば、プログラムやその下位概念であるプロジェクトを進めることで起こる変化に組織は必ず抵抗を示してくる性質があります。

それで、実際にコンサルタントやPMOの立場でプロジェクトやプログラムに従事してみると一番苦労するのは(課題、進捗、リスクなどをどうするか?という次元ではなく)この変化への抵抗をどのようにマネジメントするのか、ということになるわけです。逆の言い方をするとこの抵抗を上手く扱えない場合はコンサルタントやPMOは組織からは異質な侵入者である「ばい菌」として扱われることになってしまいます(笑)。

では、この変化への抵抗をどのように抑え、そして変化への推進力に変えていくのか?というのがある意味チェンジ・マネジメントになってくるわけですが、上の著作では、このベースの理論として使われているのが、パロアルトのMRI(Mental Research Institute)で研究を進めていたポール・ウォツラウィック、ジョン・ウィークランド、リチャード・フィッシュの著作『変化の原理』です。

もちろん、この研究に大きな影響を与えているのは心理療法家のミルトン・エリクソンと人類学者のグレゴリー・ベイトソンの(サイバネティクスに基づく)研究なのですが、こういった研究が巡り巡って色々なところに応用されているのを見ると面白くもあり、感無量な感じでもあるわけです。

で、PMIのこの本、変な深層心理学のようなものを取り入れていないという点でセンスが良いなぁと思っているとともに、個人的には、プロジェクト・マネジメントとMRIの組み合わせを語らせたら、そこらへんの大学の先生よりうるさいですよと自負しているわけです。(笑)

ひとり言


プロジェクトとチェンジ・マネジメント

 ひとつひとつのプロジェクト、またこれらを束ねたプログラム、またプログラムをたばねたポートフォリオといったレベルにおいて変化をマネジメントするというのは非常に重要なことのように思えてきます。

以下のリンクで TOC (Theory of Constraints)の定義を引用して人や組織の変化に対する抵抗について書きましたが、人や組織というものはその性質として恒常性(ホメオスタシス)を持っているため、変化に対して必ず抵抗を示してくるわけです。


 それで、この抵抗を低減し、逆に変化への推進力に変えていく必要があるわけですが、ここで活用されるのが「チェンジ・マネジメント」という手法になってきます。[1]


「チェンジ・マネジメント」とは、業務や組織にかかわるさまざまな変革を推進・加速し、成功に導くためのマネジメント手法のことです。組織には急激な変化を好まず、慣れ親しんだ環境ややり方に固執する社員も少なくないため、変革を進めようとすると必ず抵抗や軋轢が生じます。チェンジ・マネジメントでは、社員を変化にうまく適応させられるよう、経営トップが率先して変革のねらいや必要性を組織に浸透させ、社員の意識改革に努める必要があります。


 元々、このあたりの技法というのは外資系コンサルティング会社の飯のたねで、そのベースになり理論にしてもそのやり方にしても門外不出の秘密というようなところがあるように思います。個人的にも10年位前に最近日本に再参入した某外資系コンサルティング会社とあるプロジェクトをやっていた時にチェンジ・マネジメントについてもそんな雰囲気が漂っていた記憶があります(笑)。

 それで、本題の「Managing Change in Organization」[2]ということになるわけですが、ここで取り上げられる場面は企業における(プロジェクトやプログラムの成果としての)ポートフォリオ・マネジメント、(プロジェクトの上位概念としての)プログラム・マネジメント、そしてプロジェクト・マネジメントそれぞれにおけるチェンジ・マネジメントのやり方が示されているというわけです。




 また、個人的に興味深かったのが、人や組織がどのように変化するのか?のベースの理論として引用されているのが、パロアルトのMRIのポール・ウォツラウィック、ジョン・ウィークランド、リチャード・フィッシュが書いた「変化の原理」だというわけです。




 それで、こういったプロセスを組織に直接当てはめても必ず上手く行くとは限りませんが、少なくとも、その理論的背景とプロセスが明示されている点は大きな進歩なのだろうなと思っているわけです。もっとも、うまく変化が起きる時は、プロジェクト・マネージャや各チーム・リーダーが自律的なリーダーシップを発揮して外部にある変化よりももっと大きな変化を組織につくり出せている時のようにも思ってくるわけですが・・・・・これは、サイバネティクスの「最小多様度の法則」が教えてくれているところでもあるのでしょう。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/10/law-of-requisite-variety.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_16.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_15.html

 で関係ないけれど「プロジェクトとチェンジ・マネジメント」みたいなテーマでセミナーでやりますかねぇ・・・・MRIのところをもう少し全面に出した感じで・・・・・

(参考)
(つづく)

文献
[1] http://kotobank.jp/word/チェンジ・マネジメント
[2] http://www.amazon.co.jp/dp/1628250151/

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