2014年1月20日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:癒やしのメタファーのつくり方(その19)



  ミルトン・エリクソンの技法は「クライアントが望むゴール」が起点になるのに、「相手に命令する」とか「人を動かす」とか言っているアホは何なのでしょうねぇ?

 もちろん、「私のゴールは人を動かしたいです」みたいな変なクライアントが来た時、その人がコントロールできるパラメータは何ですか?みたいな話になってきて結局はサイバネティクスの話になってくるのですよねぇ(笑)。

ひとり言


癒やしのメタファーのつくり方(その19)
 
さて、昨日の続きを書いておきましょう。


 「ミルトン・エリクソンの技法を使う時、何を起点にすればよかったでしょうか?」

起点になるのは、クライアントが望んでいるゴールです。逆の言い方をすると、このゴールはセラピスト側のゴールでもなければ、世間の期待するゴールでもなければ、誰かによって押し付けられたゴールでもないということになります。

 つまり、クライントであるあなたは「何を望んでいるのか?」。セラピストは、これを明示したりあるいは暗示したりということでセッションが始まるということになります。

そして、「これを起点にそのゴールを達成するためには具体的に何をどのように行っていくのか?」「それに必要なリソース、資源・資質は何か?」これを一緒に考えて支援していくことがブリーフセラピストやコーチに求められていることだということになります。つまり、現状と理想を明示、もしくは暗示し、そのGAPを埋めるような道筋、あるいはプロセスを考えていくわけであり、これは、戦略コンサルタントが使う FIT&GAP のフレームワークと同じような考え方でセッションが進んでいくことになるわけです。

もちろん、ミルトン・エリクソンの場合は、普通の日本人にはおなじみの遠回しの表現やメタファーなどを含む、間接暗示を使っていくということになってきます。



 それで、上の話を前提としてエリクソンの次女のベティ・アリス・エリクソン女史の資料を読んでみましょう。[1]

(翻訳は適当)

Allowing clients to choose what works for them
Offers respect and dignity for the autonomy of the person
Reaffirms the persons own competence
Uses the other persons own timetable
Provides future seeding
Lets the person consider, manipulate and change what hes heard
For his own benefit and growth
クライアントが自分にとって役に立つこと(行動)を選ぶことを可能にする
 尊敬とクライアントの自立性に対する尊厳を提供する
 クライアント独自の強みを再認識させる
 クライアント独自の時間軸(時間認識)を使う
 将来に対する「種まき」を提供する
 クライアントが自分が考え、自分で操作し、聴いたことを自分で変える
  クライアント自身の利益や成長のため


それで、このあたりの技法を「上司が部下に行うコーチング」、「子育て・・・」、「有名なスポーツのコーチング」などのコンテクストで活用することを考えると、悩ましいところが出てきます。

 例えば、一般的に「上司が部下に行うコーチング」について考えてみましょう。もちろん、個人的には「部下が上司に行うコーチング」のほうが機能すると思っていますが・・・


 要は、会社で行うようなコーチングの場合はまず、ゴールというところで利害が対立することが起きてくるわけです。上司から命令されたゴールは、部下がやりたいゴールではない、といった具合に。

 もちろん、このあたりはコンフリクト・マネジメントの話になってくることになります。


 (つづく)

文献
[1] http://www.ericksoncongress.com/IC11/handouts/FH08-AnecdotesAndMetaphors.pdf

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