2014年1月12日日曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:癒やしのメタファーのつくり方(その11)



  人は、「こうなるべきだ」とか「こうならなければならい」といった認識上の思い込みを強く持てば持つほど、行動のレベルで取れる選択肢が狭くなってしまうように思うわけです。

 もちろん、「別の選択肢もあります」といっても相手は、聞く耳をもたない状態であり抵抗を示してくることも多いわけですし、その選択肢がそれほど重要なものだとも思っていないところもあることになります。

 で、こういたことは日常のコミュニケーションでもビジネス上のコミュニケーションでも同じことが起こるわけですが、この解決策として、特に心理療法のミルトン・エリクソンが意識的な抵抗をくぐり抜け、相手の取れる可能性のある思考や行動や意思決定について示していた方法が暗示(Suggestion)ということになるわけです。

ひとり言


癒やしのメタファーのつくり方(その11)

       フォントをもとの11ポイントに戻しました。
 
さて、昨日の続きを書いておきましょう。

 カリフォルニア州にある心理療法の研究機関でコミュニケーションの研究をしていたポール・ウオツラウィック博士の提唱した概念に「コミュニケーションの(試案的)公理」があります。この第一番目の法則「人はコミュニケーションしないわけにはいかない」の附則のように存在していたのが「(人と人とのコミュニケーションにおいて)人は影響を及ぼし合わないわけにはいかない」です。[1]

 つまり、人と人とは日常のコミュニケーションにおけるメッセージとメタ・メッセージのやりとりにおいて相互に何らか影響を及ぼし合っているという具合です。

 例えば、この特別な場合として相手を説得して、思考や行動のパターンを変えてもらったり何かの意思決定をしてもらったりとうということを考えてみましょう。

 これはお互いの力関係にもよるとは思いますが、一般的には自分の事情も理解せずに、相手から「こうしたほうがよい」「ああしたほうがよい」あるいは「こうするべきである」「ああするべきである」のように説得されると、こちらとしては必ず抵抗してみたくなるものです。

また、こういった選択肢は相手の信念や価値観にもとづいて押し付けられることも多く、論理思考的に全方位的に検討されたとは言いがたいところがあるのも事実だと思います。もちろん大抵論理思考で導かれた案は、実際には心情として行動したくない案であることも多いのですが(笑)

 それで、心理療法のミルトン・エリクソンは相手が現在もっている思い込みや思考の枠組みを超えて、それ以外の選択肢に気付いてもらうために、非常に巧みに直接暗示・間接暗示の両方を活用していることになるわけですが、こういったことを踏まえベティ・アリス・エリクソン女史の資料を読んでみることにしましょう。[2]
 

(翻訳は適当)

 PRINCIPLES OF SUGGESTION

暗示の原則

1.When attention is concentrated on an idea, that idea tends to realize itself.

(知覚、つまり五感の)注意が(概念としての)あるアイディアに向けられた時、このアイディアは自ら実現する傾向にある。(→自己成就予言)

When imagination and intellect conflict, imagination usually wins.

2.想像と知性が対立を起こした場合、普通は想像が勝る。

A stronger emotion or feeling usually overpowers a weaker one.
3.強い情動や感情は、通常は弱い情動や感情を圧倒する。



もちろん、エリクソンの暗示は以下で書いたように相手を激怒させることもあるわけですが、


 単に、暗示を聞いていれば何か思考や行動に変化が起こるということではなく、こういった暗示に含まれるアイディアを自分の意志で行動に移し、そして習慣にすることで何か恒久的な変化が起こるのだと思ってくるわけです。

(つづく)

文献
[1] http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Watzlawick
[2]http://www.ericksoncongress.com/IC11/handouts/FH08-AnecdotesAndMetaphors.pdf

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