2014年1月27日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:メタファーズ・オブ・ムーブメント



 短期療法をベースにしたコーチングは、「具体的にこれから問題をどのように解決すればよいのか?」という(頭で意識的に考えた)方法は一旦保留しておきます。それで、まずは、問題にスタックした心身状態から問題が解決された心身状態になってもらうというところから始めます。

 つまり、問題が解決された理想の心身状態になってもらい(実際に解決策を思いついたわけではないですが)、気持ち、心身状態は問題を既に解決してしまった、というふりをしてから「問題をどのように解決したのか?」と尋ねるようなプロセスを取ることになります。このあたりが少し不思議なところになるわけですが・・・・で、心身状態の感覚に注意を向けて、何らかのひらめきが起こるのを待つ、というような状態になるわけです。

 もちろん、「問題にスタックした心身状態」→「問題が解決した心身状態」に変化させたい場合、つまり良い心身状態を引き出したい場合にメタファーを使う、あるいは既存の枠組みではないやり方で問題に光を当てるためにメタファーを使うのは非常に良いやり方のように思えてくるわけです。



第11回エリクソニアン・コングレスでのメタファーズ・オブ・ムーブメント

 ミルトン・H・エリクソン財団が後援している心理療法の祭典である第11回のエリクソニアン・コングレス(エリクソン派国際会議)でデモンストレーションされた「Metaphors of Movement (メタファー・オブ・ムーブメント)」について書いておきましょう。[1]

 ミルトン・エリクソンがクライアントに語ったメタファーはセラピスト側がクライアントの世界観を理解した上でクライアントに語るセラピストが作成するメタファーということになります。つまり、セラピスト側にかなりの才能が求められる。

http://ori-japan.blogspot.jp/2013/07/blog-post_30.html

 これとは反対にコロンブス的パラダイム・シフトでクライアントに自分で考えてもらうというメタファー(Client Generated Metaphors)を考えたのが心理療法家のリチャード・コップです。こちらの手法の利点としてはセラピストはクライアントがメタファーを考えるプロセスだけを支援すれば良いということになり、セラピストの負担は減るように思います。

それで、このクライアントが作成する流れを組むメタファーとしてデイビッド・グローブによって体系化された Cliean Language & Symbolic Modeing そして、今回紹介する、アンドリュー・T・オースティンによって体系化された Metaphors of Movement があるというわけです。

それで、第11回のエリクソニアン・コングレスでデモンストレーションされた内容は、実際にはスティーブ・アンドレアスによって行われています。

 このドキュメントを読むと5つのステップからなっています。

1.問題が起こっている時のメタファーを引き出す。(その問題を喩えるなら何か?)現実の問題を無意識に閃いた抽象度の高いメタファーにマッピングする。
2.引き出されたメタファーの臨場感を上げる。(例えば、雲をつかむような話というのであれば、その雲はどんな色か?手触りはどのような感じなのか?など)
3.どのように対処してきたか?今どのように対処しているか?対処の戦略を引き出す。
4.今後、どのように対処すれば良いのか?新しい対処の戦略を引き出す。
5.テストする。まずは、メタファーのレベルで新しい対処戦略がうまく機能するのかをテストする。それがうまく行った場合は、抽象度を元に戻して、現実の問題にそのメタファーを適用したら具体的にどのようなやり方になるのかを考える。

 となります。

 ある意味、創造的問題解決手法である TRIZ と似たようなプロセスを使っていることになりますが、問題をメタファーにマッピングして色々操作しているうちに、心身状態のほうがだんだん良い状態になってくる・・・・というのがこの手法の特徴となっているように思います。

 それで、Youtubeにアンドリュー・T・オースティンの「Metaphors of Movement」の資料がアップロードされていたのでリンクしておきましょう。



 また、余談ですが、ベイトソンが考えたメタファー関係の資料は[2]を参照。

文献

[1]http://www.ericksoncongress.com/IC11/handouts/CD9-HelpingAClient.pdf
[2]http://www.europeanfamilytherapy.eu/wp-content/uploads/2012/10/metaphors.pdf(参考)

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