2014年1月6日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:癒やしのメタファーのつくり方(その5)



  カリフォルニア州パロアルトのMRIで短期療法の研究に従事したポール・ウオツラウィック博士が心理療法家のミルトン・エリクソン等の言語パターンを研究した著作「The Language of Change」ではないですけれども、人の認識や行動を変化させるためにコトバが果たす役割というのは決して少なくないように思ってきます。

ひとり言


癒やしのメタファーのつくり方(その5)

 昨日の続きを書いておきましょう。


「メタファー」と一口に言っても、認知言語学的な分類を考えるとこれにシネクドキだとかメトノミーとかを加えて細かく分類する意味があるかどうか?とか・・・・

あるいは、レイコフの著作「Philosophy in the Flesh」[1]にあるようにメルロ=ポンティを意識した身体表現による非言語の「メタファー」もあるわけであり、これをどのように扱うか?・・・・・などなど・・・・・色々考えていくとかなり頭が混乱してくるわけです。

で、ここは、心理療法のコンテクストであると、かなり割りきって、心理療法でセラピストがクライントに対して「メタファー」をデリバーするためにはやはりコトバが主要な役割を占めると考えることにしたいと思います。

 それで、再び、ミルトン・エリクソンの次女のベティ・アリス・エリクソンの資料を読んでみることにしましょう。[2]


Language can:
Connect with others
Communicate as well as form thoughts
Reinforce self-image
Create others images of us
Nurture our unconscious perceptions of our self,
our past, present and our future
of the world
These perceptions are often non-productive
They are almost always strongly defended

コトバは、以下を可能にする:
 他の人とつながる
 考えをまとめて、コミュニケーションする
 自己イメージの強化
 他人に対するイメージをつくる
 自分に対する無意識の知覚をつくる
  自分の過去、現在、未来
  自己の投影としての世界
    これらの知覚はしばしば非生産的である
    これらは非常に強く擁護される    
  

 セラピストがクライアントにデリバーするメタファーは基本的にコトバで語られるわけです。つまり、コトバが非常に重要な役割を持つということになります。

しかし、このコトバは、認識主体の知覚や認識、あるいは認識の枠組みを混乱させる厄介な性質を持つということも一般意味論の枠組みを使って以下のリンクで書いたわけです。


 もっと言うと、このコトバの厄介な性質を逆手に取って、認識主体の知覚や認識、あるいは認識の枠組みをクライアントの望む方向に補正するために使うのがメタファーということにもなるでしょう。
 もちろん、ここらへんは認知言語学というより心理療法的な慣用句みたいな使い方が確立されているように思っているわけですけれども・・・・心理療法的なメタファーの性質を一言で言うと人は現実に起こっている事象や関係性のパターンを無意識にメタファーにマッピングしているところがあって、このメタファーを変えると、現実に起こっていることの関係性に対する認識が変化する・・・ということなのだと思うわけです。

(つづく)

文献
[2]http://www.ericksoncongress.com/IC11/handouts/FH08-AnecdotesAndMetaphors.pdf

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