2014年2月11日火曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:人間とかけて草ととく、そのこころは?



 ある家族の課題を「サザエさん」のメタファーで説明した時に、そのクライアントが自分のことを無意識にマスオさんとしてマッピングして聴いているのか?波平さんとしてマッピングして聴いているのか?は尋ねてみないと分からないのだけれど、結構大きな違いではあるのですよねぇ。(笑)



人間は草である

 心理療法家のミルトン・エリクソンが活用したメタファーの構造については以下のリンクでも少し書いたわけですが、


 心理療法家のミルトン・エリクソンがクライアントの認識や行動を変化させるためにメタファーを多様した言語パターンを使用したという事実があるわけです。これは、逆に言うと、ミルトン・エリクソンのようにクライアントの認識や行動を大きく変化させるセラピスト、あるいはその技法を転用したコーチになりたければメタファーへの理解は避けて通ることのできない関門ともなっているということなのでしょう。

 それで、ネットに公開されている、「Men Are Grass: Bateson, Erickson, Utilization and Metaphor(人間は草である:ベイトソン、エリクソン、ユーティライゼーションとメタファー」[1]を読むと中々興味深いことが書かれています。

 このタイトルからすると、エリクソンが自分の暗黙知として「手なり」で使っていたメタファーを形式知化したのが人類学者のベイトソンという構図がいつも成り立っているわけですが、ミルトン・エリクソンを研究する場合に、意識としてのベイトソンと無意識としてのエリクソンで語られているこの構図を見逃すわけには行きません。もちろん、ベイトソンの形式知だけを学んでもエリクソンになることはできないわけですが、いったん学習する時の何らかの手がかりにはなるのでしょう。もちろん、エリクソンの理解は芸人が師匠の箸の上げ下ろしや言葉使いを四の五の言わずに学ぶというような暗黙知を暗黙知ことも忘れてはいけないでしょうけれども。

 それで、このエッセーでは、演繹法、帰納法、アブダクション(メタファー)の3種類のロジックについて説明されています。

演繹法は、1)人間は死ぬ、2)ソクラテスは人間である、3)故にソクラテスは死ぬ、といった三段論法。

帰納法は、1)アリストテレスは死ぬ、2)ソクラテスは死ぬ、3)シーザは死ぬ、4)人間は死ぬ、のように個々の事象から一般的な法則を推測するやり方。

そしてアブダクションは、人間とかかて草ととく、そのこころは?という具合にまったく関係ない事象を関連付けるとやり方、となっているわけです。

 それで、アブダクションと言われているロジックがいわゆるメタファーということになっているわけですが、その性質が語られています。



1. Metaphors establish connections that do not require conscious mediation.


 メタファーは意識的な仲介を必要とすることなく「つながり」を確立する。(人は、メタファーで語られていることを自分の経験に無意識的にアイソモルフィック(同質的)にマッピングを行う)。

2. The kinds of connections metaphors create result from a mapping ofstructure onto structure.


 このような「つながり」で、メタファーは構造の上に構造をマッピングするという結果をもたらす。

3. In contrast with simile and analogy, metaphor generates relations of equivalence not comparison.


 直喩やアナロジーと対比して、メタファー(隠喩)は比較ではなく同質の関係性をつくりだす。


4. That two things can be seen as equivalent (via metaphor) is more important
than showing they belong to a shared category.


 2つの物事がメタファーを介して同等のものだと見られることは、それらが同じカテゴリーに所属していると示されることよりも重要である。(コンテンツとして同じといっているのではなく、関係性として同じ構造やパターンに焦点を当てていることになっているから)。


5. Utilization depends in large part on this process of connecting two (or
more) aspects of experience by means of metaphoric equivalence.


 ユーティライゼーションは、2つ(もしくはそれ以上)経験の観点をメタファーの同等性による手段によって結びつけるプロセスの大きな部分に依存している。



 ということでじっくり読んでみると非常に深いことが言われていることに気がつくわけです。

(参考)

文献

[1]http://www.asch.net/portals/0/journallibrary/articles/ajch-50/50-3/roffman50-3.pdf

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