2014年5月13日火曜日

ミルトン・エリクソン心理療法:<レジリエンス>を育てる(その3)



 最近、春秋社さんから邦訳、出版された『ミルトン・エリクソン心理療法:<レジリエンス>を育てる』。

 通常、ミルトン・エリクソンを扱った著作で多いのは催眠の技術論のようにミクロな内容になることが多いと思います。

 しかし、本書で扱われているのは、少しマクロな、ある時は「鬼手仏心」のパラドクス介入、そして、またある時は心温まる「多情仏心」の具体的なエピソードを通じた「相手を大切におもんばかる心」、「そしてその心を伝え。願わくば相手の力を引き出す支援をするためのカタ(本書の6つの戦略)」です。

 ですので、本書の内容は、心理学を専攻している先生、学生さん、院生のように臨床家あるいは臨床家を目指す方だけではなく、子育て中のお母さん、人間関係に悩む会社員、ストレスの中で何かを成し遂げようと粉骨砕身する企業家、経営者、無理難題に直面して解決策を見つけたい技術者、成績の向上を目指すスポーツ選手、道を切り拓きたい武道家、誰も見たことも聴いたこともない何かを生み出したい芸術家・・・と色々な方が日常生活や仕事の場面でなんか活用できるのではないかと思います。

 それで、本書の英語版が出版されたのが2005年、それから私たちは、リーマンショックのような経済危機、東日本大震災・・・・と色々な困難を経験してきているわけですが、今後も訪れるだろう困難に立ち向かい、それを乗り越えていくためにも本書で紹介されているカタを身につけ活用していくことが役に立つのではないかと考えています。

 そのようなわけで、書店にお立ち寄りの際は是非お手に取って見てはいかがでしょうか。    


ミルトン・エリクソン心理療法:<レジリエンス>を育てる(その3)

 言い出しっぺの一人でもあるということで『ミルトン・エリクソン心理療法:<レジリエンス>を育てる』[1]をご献本いただきました。ありがとうございます。



 それで、個人的にも本書は心から推奨したい著作なのですが、今日は、その理由を3つ書いておきましょう。

 第一に、自分の心を相手に伝える、エリクソン派のシンプルですが非常に奥の深いコミュニュケーショのカタが学べる

 礼儀作法や武道にもカタがあるようにエリクソン流のコミュニュケーショにもカタがあります。登山にも色々な経路があるようにその多様性を否定するものではありませんが、まずは基本となるカタ(6つの戦略)から学び始めるというのは非常に有効のように思います。つまり、エリクソン流の基本となるカタが学べて、しかも臨床家でない普通の方が、日常生活や仕事の場面で実践できるヒントが満載されているという意味では本書を読むことは非常に有意義です。また、このカタを組み合わせることで創発的に色々なバリエーションが生まれ色々な場面で応用することできるようになるでしょう。

 第二に、催眠誘導よりコミュニュケーショの本質を学べる

 ミルトン・エリクソンは催眠を使った臨床家として名前が知られてますが、以下のリンクで書いたように、抵抗や障害を乗り越え、人の思考や行動に良い意味で恒久的な変化を起こす支援をするために催眠は必須ではありません。このあたりの研究が現在のブリーフセラピーの考え方に取り入れられており、明示的な催眠やトランス誘導を行わない流派の発展にもつながっています。


 もちろん、催眠を否定するわけではないですが、日常生活や仕事の場面において催眠を使用することが不適切な場面も少なくありません。また、催眠が上手になったからといって人の認識や行動の変化を支援できることを意味しているわけではありません。その意味では本書は、必ずしも催眠を前提とせず、普通のコミュニュケーショを通して思考や行動の変化を支援するエリクソン派のカタが学べるというのも大きな特徴でしょう。

 第三に、人や自分の立ち直る力(レジリエンス)を引き出す、あるいは人や自分をおもんばかりその能力を発揮できるような支援することに役立つ

 臨床家やコーチ、コンサルタントという職業ではなくても円滑な人間関係を築き、問題解決やなんらかのモノゴトを成し遂げるためにコミュニュケーショは非常に重要な要素です。その意味では、コミュニュケーショを円滑にする、人の能力を引き出す支援をするカタを身に付けるという意味では本書は非常に有効だと思います。もちろん、このカタは決して創造性の芽を詰むような窮屈なものではありません。本書を読んで既成概念にとらわれない個性的なコミュニュケーショのスタイルを確立してください。

 それで、個人的なことではありますが、英語版と較べてなんら遜色の日本語版を表紙から最後の1文字までもう3回も読んじゃいました(笑)。

(参考)


文献

[1]http://www.amazon.co.jp/dp/product-description/4393365305/

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com https://www.facebook.com/okirakusoken








0 件のコメント:

コメントを投稿