2014年5月22日木曜日

「歩きスマホ」が危険な認知科学的理由



 ある意味「歩きスマホ」は自己催眠にかかった状態で歩いているのと同じ。街なかでこれをやると事故を誘発する要因になるのは間違いないですねぇ。

 で、これを克服するにはどうするのか? やっぱり宮本武蔵の「五輪書」の「兵法の目付けといふもの」を読んでこれをマスターしないといけないというわけですねぇ・・・認知科学的にも・・・・(笑)。



「歩きスマホ」が危険な理由

 個人的に歩きながらスマホをいじるということは絶対にありません。

その理由は、単純にスマホを持っておらず、外で仕事をする時は基本的にどこかに腰掛けてモバイルPCを使うから・・・・(笑)。

 それで、つい先日、横断歩道を渡っていた「歩きスマホ」の女性が道路の真ん中で信号が赤に変わったことに気づかず、そこに車が直進してきて危うく事故になりそうな場面を目撃した、というわけです。

 個人的には、最近、認知科学に目覚めたところがあるので、この女性個人に対して「バカじゃね?」という気持ちがあまり沸かず、一般的な人の認知の性質としてこういう事象がどうして起こってしまうのか?とかどうすれば防げるのか?というもっと本質的な部分を考えてみたくなるという具合です。

 それで、個人的には最初に、2012年に亡くなってしまった認知科学者のジョージ・A・ミラーが唱えた「The Magical Number Seven, Plus or Minus Two: Some Limits on Our Capacity for Processing Information[1]という論文を思い出します。



 つまり、人間が短期記憶としてのワーキングメモリ上で処理できる情報の塊、つまりチャンク数は、7±2であるということ。

 先ほどの例でいくと、本来、車が来ていないのか?や信号は青か赤なのか?他の歩行者にぶつからないように認識できているのか?などそれぞれを1つの塊として認識しているわけですが、同時に認識できる情報の塊が7±2であるということになります。

 つまり、スマホを見ながらそのスマホ上で5とか6この情報の塊に知覚の注意を向けてしまうと、必然的にそれ以外の部分への注意が散漫になってしまうということになります。

 また、もうひとつ思い浮かぶのは「歩きスマホ」の状態が、心理療法のミルトン・エリクソンの学派が定義しているトランス状態(催眠の状態)にあるということ。


 エリクソンは心理療法を行うクライアントに、「前にある壁のシミの1点を見つめてください」などと知覚の注意を特定の対象に集中してもらう指示を出してトランス状態に導いていたわけですが、スマホの場合は、まさに自分で自分をトランス状態に特定の対象に極度に集中している状態になっています。逆に言うとそれ以外のところには注意が向かないで注意力が散漫になっている、という状態でもあります。

 それで、実際に歩きスマホを行うと視野が20分の1になるということが報告されています。[2]

 また、最近 NTT ドコモから歩きスマホをするとどのようなことが起るのか?という面白いシミュレーション映像が Youtube で公開されています。



 つまり「歩きスマホ」は特定の対象に極度に集中力が増し、スマホには集中できても、周囲の状況が無視されるのは人の認知の制約であり、「俺だけは大丈夫」というような個々人の問題ではないということが分かってくるわけです。

 もちろん、打ちては単純に「歩きスマホ」を禁止しよう!というのでは芸がないので、認知科学的な話として「歩きスマホ」をしても周囲に対する注意を失わないようにするにはどうしたらよいのか?と別の問を立ててみたくなります。

 結論から言うと、以下のリンクで書いた宮本武蔵の「五輪書」の「兵法の目付けといふもの」が参考になるわけです。


 具体的には、中心視野でスマホを見ながら・・・周辺視野であたりの情報も見る、つまり武蔵の言った「遠くを近く、近くを遠く」みる感覚が訓練できれば、極度の集中は起こらず、周辺の状況にも気配り、目配りが出来るということになってくるわけです。

 と、いっても別に「歩きスマホ」を推奨するわけではないので、皆様、自己責任で訓練してみてくださいねぇ。(笑)


文献

[2]http://blogos.com/article/85777/

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