2014年5月31日土曜日

間違いだらけのゴール設定(その3)



 セラピーはマイナスをプラスに、コーチングはプラスをよりプラスにする技法、みたいな感じで語られます・・・・・・・・・

 が、少なくともブリーフセラピー・ベースの技法の場合はこれは該当しません。

 その理由は、設定されたゴールに対して、既存の枠組みから出て思考や行動がゴールに結びついて、実際に変化が起こってゴールが達成できれば、成功、そうでなければ失敗というように、実はセラピーとコーチングでやっていることは同じだからです。

 で、最も難しいのが既存の枠組みから具体的にどうやって出てもらうのか?ということになるわけです。
 

課題は既存の枠組みを超えたゴールをどう設定するのか?

 昨日は、ミルトン・エリクソン派の心理療法家であるジェフリー・ザイク博士のつくったエリクソニアン・ダイアモンドを使ったゴール設定の方法についてお話しました。


 もっとも、エリクソニアン・ダイアモンドのフレームワークはミルトン・エリクソンの近似とは言え、博士号をもったひとたちが考えに考えてエリクソンの技法を積分して求めたようなところがあって、結構本格的です。逆の言い方をすると自己啓発程度の技法ではないのでこのフレームワークのほうから使える人を選ぶようなところがあります。

 それで、これを受け、今日のテーマは、もう少し簡単に使えるゴール設定のフレームワークはないのか?です。

 もちろん、ここでは以下で書いたゴール設定上の矛盾を解決でき、かつ既存の枠組みに囚われない、かといって非現実的でもないゴールを設定し、On Going のプロセスとしてこの達成を目指す必要があります。


まずはゴール設定のガイドライン

 それで、今日の本題。以下のリンクでゴール設定(欲しい結果、経験=アウトカム)のガイドラインについて以下で書いてます。



  1. アウトカムは肯定的に表現する
  • 何々がしたいと表現し、何々を止めるとか、何々をしないと表現しない
  • 「何かを終わらせる」ではなく「何かを始める形式」で表現する。

  1. アウトカムは知覚ベース
  • 五感で見たり、聞いたり、感じたり・・できるエビデンスを伴う形式
  • 評価できる表現にする。可能であれば計測可能な数値目標にしてみる。
  • http://ori-japan.blogspot.jp/2014/05/e.html(一般意味論の E-Primeに関係)

  1. アウトカムのスコープ
  • そのゴールを望む、個人もしくはグループ自身によって開始、マネジメント出来る範囲で設定する。

  1. アウトカムを達成時と現在の利得とのトレードオフ
  1. アウトカムはエコロジカルに


 それで、ここで最も重要なことは、4.アウトカム達成時と現在の利得とのトレードオフ、というところです。

 
 これを考えておかないとゴール設定は必ず失敗することになります。

 つまり、現在、仮に問題にハマっていたとしても、その問題から得ている利得があるわけであり、将来にこの利得が失われるような目標設定はかならず失敗するということになります。簡単な例で言うと、禁煙するという場合、例えば、現在、禁煙することで仕事との合間の良い休息になっている、とか、リラックスする感覚を得ている、とか、禁煙仲間で情報交換することで何らかの利益を得ている・・・ということが考えられますので、単純にタバコをやめるというゴール設定をしても、現在得ている利得を失わないような施策も考えておかないといけないということになってくるわけです。


 もちろん、もっと包括的にTOCの変化のモデルで考えると、



  1. 変化しないことで現在得ている利益
  2. 変化しないことで現在、損をしていること、あるいはリスク
  3. 変化することで将来得られるだろう利益
  4. 変化することで将来被るかもしれな損、あるいはリスク
 1.減らす。2.を増やす。3.増やす。4.減らす、という方向になってきます。但し、もう少し心理的な話をすると、二次利得も考慮する必要があるでしょう。(例、一見問題が解決されていないが、その問題で得ている利益がある・・・というような場合)。

 また、これらが認識の中で膠着しており、変化を起こすための1歩が踏み出せない場合は、以下のリンクで書いたように二項対立を使ってリフレーミングするなどの方法が必要になってくるでしょう。


ゴール設定のプロセス

 それで、ゴール設定の具体的なプロセスになりますが、以下のリンクで書いているように立体的にシミュレーションしてみましょう、ということになります。逆の言い方をするとガイドラインの質問の答えを紙に書いてゴール設定するのではかなり弱いということになります。で、以下で書いた認知アーキテクチャーの SOAR を人に適用してこれをやってみましょうというのがここでの試みとなります。


もちろん、これは心理療法家のミルトン・エリクソンの心理療法のプロセスモデルなのですが、よくありがちなPDCAなどと異なるのは、

  1. 視点、視座の切り替えが入っている
  2. 時系列、タイムラインの切り替えが入っている
  3. 資源・資質、リソースの発見方法がプロセスに入っている
  4. 過去の枠組みに囚われずに枠組みを超えるような形式の行動を探す形式になっている。

 ということになるのだと思います。また、エリクソンの治療プロセスは、ビジネス系のコンサルタントが使うFITGAP、つまり、1)現状を認識し、2)理想を思い描き、3)それをつなぐ道筋を考える、というように非常に戦略的なのが個人的にはお気に入りでもあるわけです。これをTOCの枠組みで説明すると1)何を変えるのか?2)何に変えるのか?3)どのように変えるのか?の質問に還元されることになります。

 それで、多少小難しいことを書いてきましたが、禁煙とかダイエットとかのゴール設定から、ビジネス上の経営戦略まで、臨場感を持ってありたい姿をイメージさせ、かつ、メタ認知力を鍛えるように非常に実践的なフレームワークではないかと思っています。

(つづく) 
文献

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