2014年5月9日金曜日

ミルトン・エリクソンの普遍の型



 理想と現状のギャップを今の枠組みを超えてどう埋めるのか?身体感覚も使って臨場感を高めながら、いくつかの視座でひたすら考え続ける・・・・                   


ミルトン・エリクソンの普遍の型

 心理療法家のミルトン・エリクソンが心理療法に用いた型を具体的にどのように説明すると分かりやすいのか?と考えると中々骨が折れるところがあります。

 もちろん、エリクソンは自分自身の型を形式知としては残していないため、今ちまたで流通しているフレームワークのようなものは全部エリクソンの弟子や研究者によってつくられたものということになります。

 例えば、エリクソン派生で通称ワシントン派と呼ばれるジェイ・ヘイリーがエリクソンに見出したのはその戦略的なアプローチ[1]。これは戦略コンサルタントが使う FIT&GAPと呼ぶ[2]、クライアントの望む現状-理想を明確にして、その間をどのように埋めていくのか?というアプローチと同じになります。もちろん、同じエリクソン派生のミルウォーキー派と呼ばれるシェザー、キム・バーグらの体系化したソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーも同じようなアプローチとなります[3]

 それで、このあたりをもっとわかりやすく説明する方法がないものか?できれば、MBAで習う、SWOTとか3Cとか5Forces のようなフレームワークこれに乗っけられるようなアプローチはないのか?と欲張ったことを考えてみるわけです。で個人的にはディルツがサイモンーニューウェル等のAIの知見を持ち込んでつくった SOAR モデルが非常に面白いなと思っていたわけです[4]

もちろん、何れも心理療法家のミルトン・エリクソンからの派生モデルなので必然的に似通ったものになるのでしょうけれど、このモデルの面白いのは将来の理想を想い描く時に認知科学でいう「メタ認知」の視点を養うことにあるように思ってきます。つまり、自己啓発的な視点で将来の理想を想い描くだけではどうしても妄想になり易い、従って、将来の理想の目標は自分の言動をまるでビデオカメラで撮影しているような「メタ認知」の視点から、一旦、自分の身体感覚や心身状態を外在化して達観した眼差しから描写必要があるというメッセージが伝わってくるわけです。

 で、簡単に全体のプロセスを書いておくと、




  1. 現在、当事者の視点:今、ココ、自分の視点で臨場感を上げて、課題、問題に向き合っている心身状態を引き出す。(ここでは解決策を考える必要はない)。「取り扱いたい課題は何か?」「今、何が見え、何が聞こえ、どんな感じ、気持ち?振る舞いか?」
  2. 将来、第三者の視点:将来、問題が解決された時の第三者の視点。メタ認知している視点。途中のプロセスをどのようにしたのかよくわからないが(ロジックはアブダクション)、その課題、問題が解決されたところを未来の第三者の視点から描写する。SFAのミラクル・クエスチョンだが気持ちを切り離して第三者の視点から自分が成功しているところの行動だけを描写する。「未来から理想の自分を記録したビデオが届く、その中の自分はどのように振舞っているか?何と言っているか?」
  3. 現在、第三者の視点:第三者の視点で現在と、理想までのステップを考える。SFAのコーピング・クエスチョンだけれども第三者の視点から考える。「現状、第三者の視点から何が見え、何が聞こえるか?」「現状ー理想をどんなプロセス、ステップで埋めれば良いのか? アクション・プラン、WBS等」「ゴールの達成に対して、今出来ているところはどこか?それはゴール達成を100%とすると今何%ぐらい達成しているのか?」。
  4. 現在、相手の視点:メンターや利害関係者がアドバイスするとしたどのようなアドバイスになるのか考える。「同じ課題を克服した◯◯さんだったどのようにアドバスするか?」。
  5. 過去、当事者の視点:過去同様の問題解決した時の良い状態の心身状態をリソースとして探す。現在に持ち込む。SFAだとスケーリング・クエスチョンで良い心身状態を作り出すのと同じになる。「過去、おなじような課題を克服した時の心身状態はどんな感じだったか?」
  6. 現在→理想、当事者の視点:現在から理想までのステップを当事者の視点でシミュレーションしてみる。
  7. 1.に戻ってこのプロセスを何回か繰り返す。

 スティーブン・ギリガンの著作「Theraputic Trances[5]の中にトランス状態はメタ認知と情動-認知の分離というような記述があった記憶がありますが、ある意味このモデルはトランス状態によって生まれるメタ認知と情動-認知の分離をトランス誘導を使わなくても出来るように簡略化しているモデルともなってくるわけですねぇ。

 もちろん、大きな変化を起こすためには以下でも書いたようなどこかでダブル・バインドを使って現在の認識の枠組みから出てもらう必要はあるのでしょうけれども・・・・



余談ですが、この(プロセスモデルとしての)SOARの中で同名別モデルの(コンテンツモデルとしての)SOAR を回したら、ちゃんとしたエグゼクティブ・コーチングができると思いますけれどねぇ(笑)。ちなみにミルトン・エリクソンやソリューション・フォーカスト・アプローチのプロセスに載せるフレームワークとして SWOT はあまり合わないように思うのですよねぇ。なのでSOAR・・・・




http://ori-japan.blogspot.jp/2013/09/swot-soar.html

(参考)


文献


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