2014年6月12日木曜日

マインドマップと一般意味論(その6)



 五感で分かる事実と、それから行われる推論の区別をつけるのは重要だというお話。

 今、ココにある現実だけを知覚するっていうのは、案外むずかしいのですよねぇ。

まぁ、これが出来れば、マインドフルネスってことで・・・・・・・・(笑)。



ニューヨークは今、存在しているか?

 最初にちょっと突拍子もない話をします。

 はじめに、こんな状況を想定してみましょう。

 あなたは今、東京に住んでいて、六本木あたりのビルの中で行われている企業研修に受講生として参加しています。

 突然、講師がこんな突拍子もないことを質問します。

今、この時間にアメリカのニューヨークが存在していると思う人は挙手お願いします!

 おそらく、あなたはこの質問の意図が分からずに少し混乱してしまうのかもしれません。

 思わず頭の中でひとりごとをつぶやいているかもしれません。

 「あるに決っているだろう! この講師は頭がおかしいんじゃない!」

 でも、冷静になって考えてみましょう。これには、少し難しいコトバで言うとエピステモロジー(Epistemology)、つまり認識論の質問が必要です。

 「あなたは、この瞬間どのようにしてニューヨークが存在していることが分かるのですか?

 あなたはこう答えるのかもしれません。

 「今朝、テレビでニューヨークから中継をやっていたよ」

 「一週間前、出張で行ってきたばかりだ!」

 もちろん、常識的に考えれば、今この瞬間にもニューヨークは存在しているでしょう。核攻撃を受けて無くなっているということでもなければ・・・・

 しかし、こう考えてみてください。

 テレビの情報を通してみたニューヨークはあくまでも二次情報、あるいはそこからの推論であり、あなたの五感で直接見聞き、感じた情報ではありません。

 また、一週間に訪れたニューヨークは、あくまでも一週間前のニューヨークの記憶からの推論であり、今のニューヨークではないということになります。

 つまり、「今自分の五感で見聞き、感じる情報だけでは、今この瞬間にニューヨークが存在しているかどうかは事実としては断定できない」というのがここでの答えとなるわけです。

 もちろん、一般意味論でいう「抽象過程への自覚」とは、「今ニューヨークはあるのは間違いないのだけれど」これは、あくまでも自分の主観的な推論にしか過ぎない、と自覚する大切さを説いている概念でもあるわけです。

 それで、カリフォルニア大学サンディエゴ校のサーバにのっているスーザン・コーディッシュ女史の書いた一般意味論関係の著作「Using General-Semantics[2]の3番の ORGANIZM-AS-A-WHOLE-IN-ENVIRONMENTS の質問を読んでみましょう。

 先ほどのニューヨークの例ではないですが、普段、私たちは日常生活を送る上で、それが事実なのか?あるいは推論、解釈、意見なのか?あまり明確に区別をつけていません。

 しかし、事実とは何なのか?現実とは何なのか?を知覚、認識する上では、この一般意味論の ORGANIZM-AS-A-WHOLE-IN-ENVIRONMENTSの概念は中々意味深です。

Broaden awareness of what is going on , 'inside' and 'out':

中と外で起こっていることについての気づきを広げる:

What do I sense ' inside' and 'out'?
What do I smell , hear , see , touch , taste , etc ?
What else can I become aware of ?

中と外をどのように知覚しているのか?
何を臭っている、何を聞いている、何に触っている、何を味わっている、他に?
他に気付くことは何かある?                           


 
 ここでのポイントは、自分の五感で認識できるところに焦点を当ててみましょう。ということです。逆の言い方をすると、コトバや記憶や思考などには焦点を当てない。そして、自分の中でも良いのでその感覚をできるだけ広げてみましょう、ということになるわけです。

もちろん、五感で気づいたこと、つまり事実についてコトバのラベリングを行って表現してみて、その感覚を意識にあげてみるということも重要なことなのでしょう。

 このあたりは、心理療法家のミルトン・エリクソンの奥さんだった、ベティ・エリクソン(エリザベス・ムーア・エリクソン)の自己催眠のようなことになってくるわけですが・・・・・・コトバの力を借りて、五感だけの世界に居る、ある意味、マインドフルネスの心身状態をつくる練習と読み替えていただいても良いと思います。



Cope with uncertainty:                  


How will having greater awareness help me to deal with what ever happens ?
How can this help me experience more secure, even I can't 'feel' certain about anything?
How can I learn to “index” better ?
                                                           

 それで、不確実性への対処という非常に小難しい問題が出てくるわけですが、少なくとも一般意味論が主張しているのは、目の前で起こっている現実に対して、目を凝らして、耳を澄ませて、感覚を広げて見る練習をしない。また、それが「いつものXXだ」と過度に一般化されないように、上手なインデックス付けの方法を学びなさい、というのがここでの趣旨のように思ってくるわけです。

ここまで、つらつらと書いてきましたが、タイトルに戻って「マインドマップと一般意味論」を考えてみましょう。

 マインドフルネスなマインドマップを書きたければ、

まずは五感の世界に戻って、自分の知覚がどのように立ち上がってくるのか、実際に見たり、聞いたり、感じたりしているところから初めてみるということになるでしょう。

それで、セントラルイメージは現物を見たスケッチというような感じになるのだろうなぁと思っているところです。

それで、ブランチはある意味、このイメージに対するインデックスという位置づけになってくるわけです。

 インデックスについてはそのうち説明することにしましょう。

(つづく) 
文献

[1]http://communication.ucsd.edu/_files/Berman%20-%20Advanced%20General%20Semantics%20Workbook%20Part%202.pdf

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