2014年6月15日日曜日

マインドマップと一般意味論(その9)



「地図は領土である」はバーチャル・リアリティ。

 一般意味論の構想の一つは「地図はそれが示す土地と同じではない」、一例として「コトバはモノ(実体)ではない」と考えて自分の知覚・認識の中でこの区別を自覚をするようにしよう・・・ということだったわけです。

http://ori-japan.blogspot.jp/2013/03/blog-post_7.html

 もちろん、人の中枢神経(いわゆる脳というヤツ)というのは面白いもので、陳述記憶(エピドード記憶、意味記憶)、手続き記憶(認知性記憶、運動性記憶)を活性化することで、コトバからまるでそれを経験したかのような記憶がつくりだせるという特徴もあるわけですねぇ。

 それで、単なる小説なのだけれどもそれをまるで実際に経験したかのように記憶を創りだすことができる・・・・あるいは、自分の経験したいことを未来先取りで経験したという記憶がつくりだすことができる・・・・・ということになるわけです、心理療法家のミルトン・エリクソンの技法ではないけれど・・・・


 だから逆説的なのだけれども、「地図はそれが示す土地と同じではない」という区別をどのようにつけているか?というプロセスがわかれば、「地図はそれが示す土地と同じ」のようにある意味勘違いを含んだ地図、例えばマインドマップを書いて、それがまるで現実のように経験して、記憶をつくったり、あるいは小説なんだけれど、それを臨場感を持ってまるで経験したかのような勘違いをしたり、ということができるようになるというわけけなのですよねぇ。ちょっとしたバーチャル・リアリティってな感じで・・・

 もちろん、妄想だけふくらませてもいけないのでしょうけれども、多少妄想を膨らませないと既存の枠組みから出て創造的なことはできませんからねぇ(笑)。


 「地図は領土ではない」と「地図は領土である」の2つの意味

 一般意味論はポーランド系アメリカ人のアルフレッド・コージブスキーによって創始された規範であるわけですが、彼の著書「Science and Sanity[1]を読むと、一般意味論は、コージブスキーの定義した「アリストテレス系」という知覚・思考・行動パターンから「非アリストテレス系」への転換を目指した構想でもあります。

 「非アリストテレス系とはいったい何なのか?」ということになりますが、

「非アリストテレス系」は、地図と領土の関係において以下の3つの関係があることを自覚している人ということになるでしょう。
 
アリストテレス系
非アリストテレス系
AAである (Identity)
地図は領土ではない(Non-Identity)
全てはAであるかないかの何れかである(中間を排除)
地図は全ての領土を表していない(Non-Allness)
Aかつ非Aは同時に満たされない
地図は地図を自己参照できる(Self-Refrective)

 それで「地図とは何か?」「領土とは何か?」という話を始めると、外的な出来事が抽象化されながら神経系に取り込まれる構造微分のプロセス[2]において、そのプロセスは前のプロセスと同じではないし、後のプロセスとも同じではない・・・(非同一性 Non-Identity)と考えるのが正式な考え方です。例えば、外の世界で起きていることは、あなたの表象と同じではない。あなたの表象と、あなたの気持ちは同じではない。あなたの表象とそれを表したコトバは同じではない・・・・結論は推論と同じではない・・・・事実は結論と同じではない・・・・事実はあなたの気持ちや解釈と同じではない・・・・と色々・・・・

 もっとも、こう考えると少し面倒臭くなるので、一つの比喩として「コトバはモノではない」と置き換えてみましょう。つまりコトバ≠モノ(実体)となるので非同一性(Non-Identity)と定義されているわけです。

 それで、一つの解釈としては以下が思い浮かびます。

 「自分が食べている食感も味もある' リンゴ' は コトバとしての 'リンゴ'とは違う」

 で、これを反対にひっくり返すと

 「コトバとしての’リンゴ’から食感も味もあるウマそうな’リンゴ’を思い浮かべた」→実際にリンゴを食べたのと同じような気持ちになる、反応が生まれる、ということになるわけです。

 それで、スーザン・コーディッシュ女史の「USING-GENERAL SEMANTICS[3]の中の「5. NON-IDENTITY」のところのプロセスをヒックリ返すようなことをすることで、「地図はそれが示す土地と同じである」というところができるということですねぇ。

 何れにしても、コーチングやファシリテーションを行う場合には「地図はそれが示す土地と同じではない」の技法と「地図はそれが示す土地と同じである」の両方が必要だ、ということなのでしょう。

(つづく) 
文献

[3]http://communication.ucsd.edu/_files/Berman%20-%20Advanced%20General%20Semantics%20Workbook%20Part%202.pdf

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