2014年7月24日木曜日

ダブル・バインドについてのメモ(その3)



 そのあたりのカルチャー・スクールでやっている心理療法(もどき)の技法としてNLP(Neuro-Linguisitic Programming:神経言語プログラミング)というのがあります。で、初心者はこれがゲシュタルト療法のフレデリック・パールズや家族療法のバージニア・サティアや催眠療法のミルトン・エリクソンの言語のメタ・モデリングから始まったと理解しています。

 で、こっそり、本当のことを言っておくと、これだけ学んでも、クライアントの認識や行動についての大きな変化を起こすことは難しいでしょう。その理由は特に創始者の一人であるリチャード・バンドラー(個人的には彼のスタイルは好みではないのですが)が最も熱心にモデリングしたのが挑発療法家のフランク・フェアリーだから。つまり、彼がクライアントに大きな変化を起こせるのは挑発療法のスタイルでもって、こっそり「パラドクス介入」をやっているから、ということになるわけです。

 なので、あまり大きな声では言えないのですが、このあたりの構図が分からないとカルチャー・スクール・レベルのセミナーにいくら大金をつっこんだところで、クライアントの認識や行動に大きな変化が起こせる技法はまったく身につかないという、ほとんど詐欺と言ってもよいようなことにハマるみたいなことになってしまうのですよねぇ・・・・。余談ですが、コーチのアンソニー・ロビンズもこっそり「パラドクス介入」をやっているので、この本質が分からないと、インチキな弟子みたいな連中にたいして効果がないにも関わらず大金を払い続けることになってしまうでしょう(笑)。

 逆の言い方をすると、このあたりは学術系の MRI とかネオ・エリクソニアンをきちんと学んだらわかる話なのですが、本当に学術系の研究を学ぶというのは大事なことなのですよねぇ。クライアントの変化を支援するためにも、自分が詐欺にあったり、相手に詐欺と思われないためにも(笑)。
 

フランク・フェアリーのプロボカティブ・セラピー

 昨日、ダブル・バインドの記事を書いたわけですが、Facebook で、これは「プロボカティブ・セラピーですね!」というご指摘をいただきました。


 なので、これについて少し書いておきましょう。
 まず、この前にパロアルトにある心理療法の研究機関であるMRI (Mental Research Institute)で人類学者のグレゴリー・ベイトソンらと心理療法家のミルトン・H・エリクソンなどの研究を行っていたポール・ウオツラィックによって指摘されたことがテーマとして存在します。

 それは、『催眠状態、つまりトランス誘導を前提としないで、質問とリフレーミングだけでクライアントの認識や行動に大きな変化が起るのか?』です。


 逆の言い方をすると、これが出来る短期療法系の心理療法やコーチングなどの場面で、クライアントの望む結果を得るために、普通の会話だけで認識や行動の大きな変化を支援できるということになります。また、逆の言い方をすると、トランス誘導だけを行っても、セラピューティック・ダブル・バインドを使って、クライアントに現在の認識の箱の外に出てもらために「パラドクス介入」をしないと、大きな変化は期待できないということでもあるわけです。

 さて、上のリンクでも書いたように、これには、クライアントを二項対立に陥れる状況設定やそこから抜け出すための「禅問答」が必要だったというわけです。

 それで、ウオツラィックがサイバネティストのウィリアムズ・ロス・アシュビーの概念を援用して認識や行動が既存の枠組みを超えて大きく変化する、つまり第二次変化(Second Order Change)を志向した心理療法として紹介されていた4つの療法のうちの一つが挑発療法( Provocative Therapy )ということになるわけです。

 プロボカティブ・セラピーを一口で言うのは難しいのですが、Youtubeに残念ながら2013年に亡くなったウィスコンシン大のメディカル・スクールで教えていたこともあるフランク・フェアリー[1]のプロボカティブ・セラピーに関するトレーニングがアップロードされているで参考にしてみるとよいでしょう。





 
 
(参考)

 (つづく)
文献

[1]http://en.wikipedia.org/wiki/Frank_Farrelly

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