2014年7月13日日曜日

実験的教育に対するエリクソニアン・アプローチ



 暗黙知を暗黙知として学ぶ、ことと、暗黙知を形式知化して学ぶのはちょっとモードが違いますねぇ。もちろん、形式知をある状況に戻して実践すると暗黙知となるというようなこともあるのでしょうけれどねぇ・・・・・

 で、人に教える時は形式知としてのフレームワークを教えるほうが自分は単なる「先生」とか「トレーナー」で済むので面倒臭くないけれど、暗黙知を暗黙知として学んでもらうためには自分が「師匠」にならなければいけないので結構たいへんなんだよねぇ(笑)。
 

実験的教育に対するエリクソニアン・アプローチ

 「Ericksonian Approach to Experiential Education[1]というタイトルのエッセーを読んでいたわけですが、色々な意味でこれが中々面白いなと思ったわけです。

 このエッセーは、心理療法家のミルトン・エリクソンの技法を使って、サマースクールなどでやっているアドベンチャーを楽しもうという趣旨で書かれているわけですが、内容は、1)その実践者が物事に取り組む態度とスタンスを育む、2)他人を支援するための介入方法について学ぶ3)いくつかの特定の技法を使ってみる、というような3つからなります。

 もちろん、個人的にこのエッセーを読んでいて思ったのは、ミルトン・エリクソンの技法や哲学のほとんどは暗黙知で、エリクソン自身は自分の技法を形式知化して残していないため、ここで示されているのは、彼の研究者や弟子と考えられている、ジェイ・ヘイリーやジェフリーザイクがつくった種々のモデル、つまり形式知を元にしたエクソサイズということになります。もちろん、これはこれで面白いのですが・・・・・

 で、エリクソンを学ぶためには、暗黙知を暗黙知として学ぶ必要があり、本当ならば、日本の伝統芸能のように、内弟子になって、師匠の言葉使いから、立ち居振る舞い、箸の上げ下ろしに至るまで、四の五の言わず、理屈をこねず、師匠らしくなるまで、ひたすら真似をするということを行う必要があるのでしょう。

 ただ、普通の人はここまで面倒臭いことをやっていられないので、なんらか形式知化されたモデルを使うほうが簡単なことも多いと思います。但し、こういったモデルを使うと、暗黙知のほとんどの部分は抜け落ちてしまっているということは意識しておいたほうが良いのでしょう。もちろん、このあたりのことは、野中郁次郎先生らのつくった SECI モデルを見ると明らかことではあるのですが・・・・・

 さて、内容を読んでみると、まずは、1)実践者が物事に取り組む態度やスタンスを育む。

ここでは、ジェフリー・ザイクのつくったフレームワークである「エリクソニアン・ダイアモンド」を使って、目の前で起こっている偶発的な出来事を、変化や成長、あるいはゴール達成のために活用するという練習(エリクソニアンの用語だとユーティライゼーション)がこれに当たるというわけです。

 で、2)介入方法を決める。
ここでは、どのようにクライアントに介入すれば良いのか?7ステップのモデルが示されています。
1. State and rank goals.
2. Select metaphoric adventure experience
3. Identify successful resolution to the therapeutic issue
4. Strengthen isomorphic framework
5. Review client motivation
6. Conduct experience with revisions
7. Debrief

                                                           

 それで、このあたりの行間を読むと、メタファーを使って、現在抱えている問題や課題を解決するということを志向していることがわかります。もちろん、このあたりをもっと根本的なところから理解するためには、「Metaphoria [2]などの著作で研究することを推奨いたします。


それで、3)いくつかの特定の技法を使ってみる、ということになりますが、これには a) ダブルバインド、b) 難行苦行、c) 催眠言語のパターン、の非常に簡単なパターンが記載されています。

 詳細な話については明日以降に書くことにします。

(つづく)
文献

[2]http://www.amazon.co.jp/dp/B0067ZWUZA/

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